日韓言論シンポ

 わたしが議長を務める日本マスコミ文化情報労組会議(MIC)と韓国の全国言論労組(NUM)が共催した戦後60年の記念シンポジウムは16日、ひとまず成功裡に終わった。日韓双方の現役ジャーナリストらによるパネルディスカッションでは、もう少し突っ込んだ議論が欲しい、というのがわたしが耳にした日本側参加者の感想だった。「ひとまず成功」としたのは、そういう理由だ。
 しかし、パネルでは、いかに日韓双方が互いの報道で、あるいは日本の北朝鮮報道でナショナリズムを克服していくか、という点では、かなり突っ込んだ議論になったと思う。朝鮮半島の統一は日本と米国、中国、ロシアの協力なしには達成できないこと、そのために日本が何をすべきか、という点にも話が進んだ。
 結論としては、日韓の市民レベルの交流が進み、両国関係は後戻りすることはないだろうという意見が、パネラーの大勢を占めた。そして、両国のジャーナリスト同士も交流を深め、市民レベルの交流をいっそう深めるために寄与していくことが確認された。事務レベルの打ち合わせでは、今後、MICとNUMが恒常的に共同の取り組みができないか、という話も始まっている。
 シンポを振りかえって、わたし自身、もっとも印象に残っているのは、韓国側の基調講演をした崔元植・仁荷大教授の言葉だ。崔教授は、朝鮮戦争(韓国では「韓国戦争」と呼ぶ)の最大の教訓は、武力による一方的な南北の統一は不可能であるということだったと指摘。なぜなら朝鮮半島は日米中露(ソ)の利害の交差点であり、そこがドイツや、共産政権が武力統一を成し遂げたベトナムとの違いだと強調した。そして、歴史的に見ても武力統一は必ず、統一後に隣国と次の戦争を引き起こしていることも指摘した。豊臣秀吉の朝鮮出兵や、ベトナム統一後の中国との国境紛争などだ。
 現代の朝鮮は、南北の連合体方式による統一こそ望ましいと崔教授は話した。朝鮮半島の行方が日本にどんな影響を及ぼすかを考えれば、このことは日本の人々にも分かるはずだ、とも指摘した。そして「日本の市民社会を信じている」「日本は広大な領海を持った大国であることに気づいてほしい。日本人は自分の力を認め、北東アジアと朝鮮半島の平和にどうやって寄与できるかを考えて欲しい」と話した。

 シンポ終了後の夜は、MIC参加者とNUMの組合員とで盛大な日韓交流会になり、2次会、3次会では韓国名物の「爆弾酒」が何度も酌み交わされた。ホテルに戻ったのは午前2時だった。

 シンポの詳細はいずれ、新聞労連機関紙や労連HPで報告したい。
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by news-worker | 2005-08-17 11:09 | メディア  

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