成果主義

 27-28日の2日間、神戸に出張。地方紙労組を中心につくっている拡大新幹線共闘会議(新幹線沿線の京都新聞や神戸新聞、山陽新聞、中国新聞の各労組が結成したことに由来する)の討論集会に参加した。
 テーマは「成果主義」。「内側から見た富士通-『成果主義』の崩壊」の著者城繁幸さんの講演が興味深かった。大胆にポイントをまとめると①日本型の年功序列の評価システムのメリットは大きいが、組織の「安定した成長」が大前提で、グローバル化、IT化の今日では多くの企業はもはや限界②成果主義が理論通りに機能しないのは、成果主義の主役が管理職であることが徹底されず、年功序列のままマネージメント能力がない管理職が手付かずのため③日本企業の長所であるチームワークを生かすなど、日本型成果主義にも可能性は残っている-ということになるだろうか。
 特に②に関連しては、目標設定ができない管理職に対する対応いかんによって、成果主義の成否は8割がた決まるという。成果主義が成功している企業では、例外なく管理職を対象にした組織の大幅な見直しを行っている。逆に、成果主義導入の本音が社員の賃金抑制である場合、その本音の目的は達成されるから、能力不足の管理職はそのままにされている。結果、上司は年功序列のままの処遇なのに、部下に一方的に成果主義が適用され、評価システムが崩壊してしまう。
 成果主義の主役という意味での「管理職」とは、自らが厳しい評価にさらされている中で、部下に役割を配分し、モチベーションを高め、結果を出すサポートをできるか、そのマネージメント能力が問題になるという。「名選手は必ずしも名監督ではない」というわけだ。「部下は支配するもの」という感覚は論外だ。一方、そのマネージメント能力がない管理職は無用の長物かというと、長年の仕事のノウハウ、人脈の蓄積などを活用できる専門職的な処遇を用意すれば、立派な戦力になる。ただし、絶対にライン職制に付けてはいけない。つまり複線的なキャリアパスが必要ということだ。
 新聞産業でも、人事考課が昇給や昇格・昇進にリンクする成果主義型の人事賃金体系が大流行している。多くの場合、人件費の抑制が経営者たちの本音であるのは明らかだ。城さんの話に即して言えば、だから新聞産業では管理職制度の抜本的な見直しがない、ということになる。マネージメント能力を持つ人材を見出し、管理職に配置する人事システムになっていない。複線的なキャリアパスもごく限られている。ジャーナリズム産業としての新聞社に査定がなじむのか、という古くからの命題とも関連しているかもしれないが、このあたりの考察は別の機会に。
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by news-worker | 2005-09-28 23:34 | 社会経済  

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