「格差の拡大は許さない」~新聞労連の春闘方針

 新聞労連の春闘臨時大会は2日、執行部提案の春闘方針案を原案通り採択し、2日間の日程を無事に終えた。春闘方針のスローガンは「格差の拡大は許さない-生活といのち、権利と平和を守ろう」とした。
 ちょっと前のエントリー(ココココ)でも触れたが、年が明け、ここに来て世論も「格差社会」「格差拡大」に、じわりと反応してきていると感じる。今春闘で、わたしたち労働組合の訴えのやり方によっては、さらに大きなうねりを世論に、社会に作り出していけるのではないかと思っている。それは、再三書いてきたけれども既得権益を守ろうとする訴えではなく、働く者の権利を守ろうという訴えだ。新聞労連の春闘スローガンに「権利」の2文字を盛り込んだのは、その思いからだ。
 その権利とは、基本は労働組合それ自体だ。団結して、会社や経営者と対等の立場で交渉し、わたしたち自身の働き方をわたし自身も関与して決めていく、その権利だ。経営が思わしくないのなら、時に賃金ダウンも受け入れざるを得ない。しかし、それは本当に経営者たちがあらゆる努力を尽くした上でのことなのか。わたしたちは労働組合を武器に、そうした点にも目を光らせていかなければいけない。
 わたしたちは労働組合という権利を行使して生活を守り、いのちと健康を守っていくのだが、大事なのは、それは何のためか、ということだ。わたしは、それはひとえに「新聞」というわたしたちの仕事を守るためだ、と考えている。新聞の題字、新聞社の経営権は経営者たちの手にあるのかもしれない。しかし、記事も広告も含めて、その製作過程も含めて、日々新聞をつくり社会に送り出しているのは、ほかならぬわたしたち一人ひとりだ。そのわたしたちの生活が安定し、健康が守られてこそ、わたしたちは仕事を全うできる。新聞が社会に負っている責任を果たすことができる。そのことさえ、揺らぎがなければ、賃上げでも労働条件の向上でも、わたしたちの要求は正当なものになると思う。

 今春闘では初めて、新聞労連は賃上げの統一要求基準の設定を見送った。ベア断念ではない。いくらのベアを要求するかは、ひとつの数値指標を示すのではなく、それぞれの組合が自らの足元を点検し、それぞれの職場事情に応じて決定してほしいと思っている。
 代わりに、産業別労働組合としての新聞労連が力を入れなければならないのは、会社が経営難に陥り、組合員が低水準の賃金にあえいでいる、そういう労組への強力な支援だ。また、同じ新聞社内でも、正社員と契約社員や派遣社員との間には、大幅な待遇格差がある。そういった不安定雇用の人たちには多くの場合、加入できる労働組合がない。彼らとわたしたち正社員の労働組合がどう向き合っていくのかも大きな課題だ。それが、わたしたちの新聞産業で格差の拡大を許さない取り組みだ。今春闘では、そういった課題に全力で取り組みたい。

 臨時大会では最後に、印刷部門別会社化に反対している全下野新聞労働組合への全面支援の特別決議も採択された。既にたびたび報告してきているが、この闘争はまさに労働組合という権利をかけた闘いになっている。何としても負けられない。
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by news-worker | 2006-02-03 00:56 | 労働組合  

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