ホリエモン・メール〝騒動〟の毎日新聞社説

 ライブドアの堀江貴文前社長から発信、とされた武部勤・自民党幹事長次男へのメール〝疑惑〟は、どうやら〝騒動〟で終わりそうな雲行き。22日の国会党首討論で民主党の前原誠司代表は、何も新証拠を示すことなく、国政調査権の発動を主張しただけに終わってしまった。
 23日の新聞各紙朝刊の社説も一斉に取り上げているが、わたしは書きっぷりの良さ、という点で毎日新聞の社説を推したい。特に「できれば自民党に国政調査権の発動を拒否してもらいたい。それを理由に、あいまいなまま幕引きする……。それが民主党の本音ではないかとさえ見えるのだ」のくだり。なかなかここまでは書けない(皮肉でなく)と思うが、見事に読者の気分を代弁しているのではないだろうか。
 毎日新聞社説が指摘している通り、民主党の罪は「耐震データ偽造事件や米牛肉輸入問題、官製談合事件など、まだ解明されていない数々の問題が、メール騒動で結果的に消し飛んでしまった」点でも大きいと思う。





(引用開始)
社説:送金メール もはや民主党の信用問題だ
 メール問題をうやむやにしたいのは民主党の方ではないか--。そんな疑念を抱かせる質疑だった。もちろん、22日行われた小泉純一郎首相と前原誠司民主党代表との党首討論のことだ。

 ライブドア前社長の堀江被告が武部勤自民党幹事長の二男に3000万円を振り込むようメールで指示した、と民主党の永田寿康氏が国会で指摘してから1週間。ところが、前原氏が前日、「党首討論をお楽しみに」などと大見えを切っていたにもかかわらず、この日も民主党は新たな材料を提示できなかった。

 そもそも、前原氏が党首討論でメール問題を持ち出したのが、残り時間がわずかになってからだ。「材料が乏しいから、わざと時間切れを狙ったのでは」とあぜんとした国民も多かったに違いない。

 自民党議員が酷似したメールを独自に入手し、公表したこともあり、メールの信ぴょう性は日に日に失われるばかりだ。対する民主党は、本物と立証するのを既にあきらめた様子である。無論、大事なのはメールの真偽以上に、本当に武部氏の二男に資金提供されたかどうかだ。だが、これも、前原氏は「さまざまな情報から確証を持っている」と他にも情報があるように、におわせるだけで具体的には全く示せなかった。

 前原氏は一方で、国政調査権を発動して調査すると与党が約束するなら、資金提供に使われたとされる銀行の口座名などを明かすと主張した。その約束がないと、口座名を明らかにしても、その後、厳密な調査が行われなくなる恐れがあるというわけだ。

 しかし、前原氏が「この約束がないと我々にはカードがなくなる」と思わず漏らしたように、実際に口座が存在し、金銭の授受があったかどうか、これまでの説明では何ともおぼつかない。だから、できれば自民党に国政調査権の発動を拒否してもらいたい。それを理由に、あいまいなまま幕引きする……。それが民主党の本音ではないかとさえ見えるのだ。

 もし、そうでないというなら、民主党が、まず口座名などを明かせばいいだけの話だ。もはや、民主党が動かないと次の段階には進まない。そして、早急に白か黒かの決着をつけるべきである。

 今回の一件は、仮に真実だとすれば、武部氏の進退に直結する問題だ。小泉政権を直撃する重大事だというのに、党をあげて情報を収集し、精査するなど、果たして戦略的に対応してきたものだったのかどうか。疑問視する声が早くも出てきている。党内には前原氏ら執行部批判ももたげてきた。いつものお家騒動に、小泉首相から「ご苦労も多いと思う」と前原氏が同情される始末だ。

 加えて、耐震データ偽造事件や米牛肉輸入問題、官製談合事件など、まだ解明されていない数々の問題が、メール騒動で結果的に消し飛んでしまった罪も大きい。

 メールのみならず、民主党そのものへの信用が失われる事態だ。うやむやにして、ごまかそうなどとは夢にも思わぬ方がいい。

毎日新聞 2006年2月23日 0時10分
(引用終わり)

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by news-worker | 2006-02-23 21:40 | 社会経済  

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