沖縄の放送5社が有事法制に組み込まれた

 本土(ヤマト)では新聞もテレビも報じていないが、沖縄県の民間放送5社(琉球放送、沖縄テレビ放送、琉球朝日放送、ラジオ沖縄、エフエム沖縄)が27日、国民保護法2条に基づく指定地方公共機関に指定された。
 国民保護法は有事法制の一環をなすもので、有事、つまり外国による武力侵攻や大規模テロの際に国民を避難させる枠組みを定めたものだ。「指定(地方)公共機関」とは、あらかじめ運輸、通信、電気・ガス・水道など広範な範囲の事業者が政府によって「指定公共機関」に、地方の場合は都道府県によって「指定地方公共機関」に指定を受け、有事の場合は政府・自治体に協力して住民避難に当たる枠組みのことだ。
 指定された事業者は平時から有事の際の行動計画を政府や自治体に提出し、訓練を求められる。政府や都道府県が中心に行う計画策定、訓練には自衛隊も参加する。戦時体制づくりにほかならない。
 メディアでは既にNHK、民放キー局、準キー局が政府から「指定公共機関」に指定され、地方でも自治体による地方民放局の「指定地方公共機関」指定が進んでいる。唯一、沖縄だけが全局が足並みを揃え、これまで指定を受諾していなかった。沖縄のマスコミ労組も指定には強く反対してきた。その最大の要因は第2次大戦での沖縄戦の歴史だ。軍隊は決して住民を守らないことを、沖縄の人たちは身をもって体験した。
 しかし、沖縄県は昨年8月に放送局を除く公共機関21法人の指定を済ませた後も、指定受諾を迫り、2月17日には5社のうち4社が、24日には残る琉球放送も受け入れを表明した。
  「指定(地方)公共機関」へのメディアの取り込みは、現代の「大本営発表」につながりかねない。米軍や自衛隊が自らの行動に不都合だと判断すれば、報道を制限しようとするだろう。自らの行動に有利な情報だけを報じるよう要求するだろう。それが軍事組織と軍事行動の常識だ。
 第2次大戦では、報道は軍の厳重な検閲を受け統制された。当時、代表的メディアであった新聞は、いわゆる「大本営発表」記事しか掲載せず、戦争の実相を知らせないまま多くの人々を戦場に送り出す役割を負った。沖縄戦のさなかに、当時の地方紙「沖縄新報」が掲載した記事は戦意高揚一色だったと聞く。その結果、おびただしい住民が犠牲になった。日本軍が守ろうとしたのは沖縄の住民ではなかった。
 今後は、有事法制を発動させず、メディアの指定公共機関の指定を返上させなければならない。

 *このブログのカテゴリーに「憲法・平和~沖縄」を新設した。2月11-12日の経験から、わたしなりにこのブログを通じた情報発信を試みることにした。
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by news-worker | 2006-02-28 18:14 | 平和・憲法~沖縄  

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