「共謀」の概念は既に拡大解釈が行われている~東京新聞記事

 先週の強行採決見送り以来、動きが止まっているように見える共謀罪新設関連法案。そんな中でも、東京新聞は24日付けの朝刊特報面で、「『共謀』の概念 既に拡大」との見出しで、重要な視点を指摘している。取材に答えているのは、元東京地検公安部検事で、一連のオウム真理教の事件捜査を担当した経験を持つ落合洋司弁護士。
(一部引用開始)
 共謀罪と似た法律用語に「共謀共同正犯」がある。犯罪を謀議した仲間の誰かが実行行為に踏み切れば、他の仲間は実行しなくても共犯になるものだが、落合氏は、捜査・裁判実務で共謀共同正犯の拡大解釈が進んでいると指摘する。
 暴力団組長が泊まったホテルのロビーに拳銃を携帯していた組員がいた。組員は銃刀法違反罪、組長も同罪の共謀共同正犯に問われ、昨年末、最高裁で組長も有罪とされた。「共謀」の事実が詳細に証明されないまま共謀共同正犯が認定されたため「常識を打ち破った判決」と、法曹関係者に波紋を広げている。
 「共謀罪」の共謀と「共謀共同正犯」の共謀が同一概念であることは政府も認めている。法務省は「目くばせでも共謀が成立する」と国会答弁したが、現実は、もっと先を行っている。
 「共謀罪は共謀だけで成立するから、ある意味、怖いことだ」と落合氏。「相手が暴力団だから、いいじゃないか」と思うか、「明日はわが身。拡大解釈は危険」と感じるかは国民しだいだが、落合氏は言う。「日本では起訴されなくても逮捕、家宅捜索されるだけで大打撃だ。共謀罪には、起訴に持ち込めない相手を社会的に葬る手段として、十分過ぎる力がある」
(引用終わり)

 以前のエントリーで指摘したが、組織犯罪処罰法では、たった2人の間でも〝組織犯罪〟として起訴された西村真悟衆院議員の前例がある。もう少し拡大解釈が進めば、親子や兄弟でも〝犯罪組織〟として立件されかねない。
 共謀共同正犯にせよ、組織犯罪の概念にせよ、こうした前例が出ていることに対して、メディアはきちんと検証してこなかった。それは、今のメディアがあまりにも「落としどころ報道」に片寄っているからだと思う。今からでも遅くはない。共謀罪が国民的な関心事に高まってきた今こそ、新聞や放送メディアは今日の東京新聞記事のように、今、社会で起きていることを掘り下げ、その意味を指摘する報道を始めるべきだ。
 
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by news-worker | 2006-05-25 00:18 | 平和・憲法~共謀罪  

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