初めての賃金交渉が本格化~台風接近の宮古島で

 昨日(12日)から沖縄・宮古島に来ている。台風4号が接近する中で、昨日は何とか飛行機は飛んだのだが、きょう(13日)は宮古島も暴風域に入り朝から大荒れ。外では激しい雨が横なぐりに降っている。いや「降る」という感じではない。水滴が突風にあおられ、もてあそばれながら水煙となって吹き飛ばされていく。
 午前8時19分には、35・9メートルの最大瞬間風速を観測したと、NHK沖縄放送局のテロップ・ニュースが伝えている。もちろん、飛行機も船も全便欠航。予定を変更して延泊せざるをえない。
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 宮古島入りの用件は、宮古毎日新聞労組の3回目となる団体交渉への出席。台風の中で、団交は予定通りきょうの午後、開かれた(初めて読まれる方は、カテゴリー「宮古毎日新聞労組の挑戦」の過去エントリーを参照いただきたい)。中心的な議題は夏の一時金。同労組には初めての経験となる本格的な賃金交渉が始まった。



 5月の労組結成通知とともに提出した要求書に、一時金も盛り込んでいた。その要求は、正社員は「一律25万円プラス基本給1・5カ月」、パート社員は「一律25万円プラス平均月額1・5カ月」となっている。基本的に正社員と非正社員を同じ体系で要求したところに、宮古毎日労組の基本的な姿勢が表れている。それは「正社員であろうと契約社員、パート社員であろうと、『宮古毎日新聞』をつくって発行している同じ仲間だ」ということだ。
 正社員はともかく、パート社員で「一律25万円」は宮古島の地域社会では前例のないことらしい。全国的にみても、多分、異例の要求だろう。そもそも非正規雇用に一時金の概念はない。この要求自体、雇用形態の違いを超えて団結する宮古毎日労組の挑戦と言っていい。
 さて、きょうの団交では具体的な数値回答はなかった。代わりに「この夏の一時金は、昨年通りの方法で支給したい」として、昨年はどういうふうに支給額を決めていたかを説明した。簡単に言うと、正社員の場合は、勤続年数に応じた一定の係数を基本給に掛け合わせて算出するベース部と、「実績給」すなわち査定給の合計ということになる。ベース部は、例えば勤続半年未満なら基本給の30%、1年以上2年未満なら70%、2年以上3年未満は85%といった具合で、最高は勤続10年以上の115%。これに査定給が上乗せされるのだが、査定給については基準があるのかないのか、社長自身も多分、系統的な説明はできないだろう。「管理職の意見も参考に」とは言うものの、詰まるところは社長の主観で決めていたらしい。
 非正規雇用の従業員については、1日の労働時間が7時間の人は、正社員の8割をめどに支給。パート勤務の社員は採用時に「ボーナスはなし」を通告しているが、実際は勤続年数に応じて最高で5万円を支給していると説明した。
 一見して、それなりの支給の基準があるように思えるが、こうした方式も昨年だけのこと。それ以前は、要するに社長の一存の「どんぶり勘定(感情?)」で一時金は決まっていた。
 営業職(広告担当)だけは、歩合制を取り入れた全く別の支給体系になっているが、これについては「歩合給」の概念をめぐって、会社と職場に受け止め方に大きな温度差があることが明らかになった。この点は一時金交渉が決着した後も、今後の労使交渉で大きな論点になっていくだろう。

 きょうの団交では、会社が具体的な回答を19日をめどに示すことを約束した。社長は、前年よりも個々人の支給額が下がることはないことを匂わせていた。ともあれ、次のステップは、その回答を組合がどう評価するか、ということになる。組合の側ももちろん賃金交渉は初めてであり、試行錯誤が続いている。
 わたしからは宮古毎日労組の皆さんには「ことは交渉であり、要求通りの満額回答でなければ妥結できない、というものではない。賃金は労働条件の最たるものであり、肝腎なのは会社だけでは決めさせない、ということ。組合が納得して同意を与えなければ、賃金は決められない、ということを会社に分からせること」とアドバイスしている。
 出てくる回答は、要求とはかけ離れた内容になることが予想されるが、だからと言って悲観する必要はない。要求は一歩ずつ実現させていけばいい。少なくとも労働組合がなかった今までは、どんな基準で自分達の賃金が決まっているのかも分からなかった。労働組合をつくったことの意義は大きいし、着実に職場はよくなってきている。
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by news-worker | 2006-07-13 19:16 | 宮古毎日新聞労組の挑戦  

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