宮古島への陸自配備と下地島空港の軍事基地化で懸念されること

 他メディアでは報道されていないが、沖縄の県紙の琉球新報にこんな記事があった。
宮古島に陸自新基地 09年度に200人配備
 中期防衛力整備計画(中期防、2005-09年度)で明記された陸上自衛隊第一混成団(那覇、約2000人)の旅団化(3千-4千人)の一環として、09年度をめどに、宮古島に新たに約200人規模の部隊を配備させ、新たな基地建設も検討していることが3日までに分かった。将来的には600人規模まで増強する見通し。複数の政府関係者が明らかにした。陸上幕僚幹部(陸幕)も南西諸島への部隊配備検討を始めた。宮古島市には打診はないが、伊志嶺亮市長は自衛隊増強に反対する姿勢を示しており、今後地元を中心に波紋が広がりそうだ。

 今は合併で宮古島市になっているが、宮古島から船で20分ほどの伊良部島と隣接する下地島(旧伊良部町)には、民間パイロットの訓練に使われている3000メートル級滑走路を備えた下地島空港がある。同空港をめぐってはこんなことも起きている(沖縄タイムス記事)。
11日に下地島使用/米軍が届け出
 在沖米海兵隊外交政策部(G5)は六日、フィリピンでの合同演習に参加するため、普天間飛行場所属のヘリなどが県管理の下地島空港(宮古島市)を十一日に給油目的で使用する、と県空港課に届け出た。
 使用機種は、KC130空中給油機一機とCH46ヘリ八機。県の花城順孝知事公室長は六日、同外交政策部に対し「県民に大きな不安を与えており、県民は恒常化につながることを大変懸念している」と使用中止を申し入れた。

宮古島市民一斉に反発/「住民意思を無視」
 【宮古島】米軍が下地島空港を十一日に使用すると県に届け出たことに対し、宮古島市では六日、保革を超えて一斉に反発した。同空港の平和利用を検討するため、四月に推進室を立ち上げた伊志嶺亮市長は「なし崩し的な米軍の姿勢に憤りを感じる」と反対の姿勢を示し、伊良部島からも「自衛隊も含め、軍事利用は認められない」と一方的な米軍の通告を批判する声が上がった。
 「住民意思を無視した米軍の使用届に憤りを感じる」。「軍事利用に反対する伊良部住民委員会」の福島正晴委員長は怒りを抑えるような口調で語った。二〇〇五年三月に市町村合併の賛否と絡めて旧伊良部町で自衛隊誘致案が浮上した際に住民が示した反対の意思は変わらないと訴えた。

 宮古島は第二次大戦では、沖縄本島のような地上戦こそなかったものの、米軍による艦砲射撃と空襲で大きな被害を受けた。しかし、米軍基地のフェンスが延々と続く本島のような直接的な基地の圧迫がないためか、基地問題への市民の意識は本島に比べて低い、という話を聞いたことがある。それでも下地島空港の軍事利用には反対の根強い市民感情がある。
 宮古島への陸自配備は下地島空港の恒常的な軍事利用の構想とセットになったものだろう。日米の軍事一体化の一環とみていいと思う。台湾からほど近いところに、そんな軍事拠点を構えればどうなるか。日米が自ら周辺の軍事的緊張を高めるだけではないだろうか。あるいは、琉球新報記事が指摘しているように、尖閣諸島をめぐって直接、中国を刺激する。
 仮に有事になったとして、そもそも200人の陸自隊員で宮古島の市民を守りきれるわけがない。下地島〝基地〟の警備、防衛で手いっぱいだ。戦時下で軍が住民を守らない、時には住民を殺害しさえすることは、沖縄戦の歴史が証明している。
 石垣島や周辺の島々をも含めて、市民の生命財産を守るためには、いらぬ軍事的緊張を排除するしかないはず。「基地のない沖縄」「基地のない日本」へのロードマップが必要だと思う。
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by news-worker | 2006-10-08 01:40 | 平和・憲法~沖縄  

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