2005年 11月 26日 ( 1 )

 

書評「ブログ・ジャーナリズム」

 c0070855_041815.jpgマスコミ業界の専門紙「文化通信」編集部から依頼を受け、同紙の新年特集の書評で、時事通信編集委員の湯川鶴章さん、北海道新聞記者の高田昌幸さん、元徳島新聞記者の藤代裕之さんの共著「ブログ・ジャーナリズム」野良舎刊、定価1500円)を担当した。
 実を言うと本は藤代さんから贈呈を受けていた。非常におもしろく、興味深く読ませていただいたので「ニュースワーカーで紹介しなければ」と思っていたところに、文化通信から依頼があった。どんなことを書いたかは、文化通信の発行を待っていただきたいが、湯川さん、高田さん、藤代さんの座談会で、今のマスメディアが抱える構造的な病理が多角的、多面的に浮かび上がっていることがこの本の真髄だと思う。
 湯川さんは新聞労連の産業研究学習会に講師として来ていただいたことがある。湯川さんのように、編集委員としてネット時代のマスメディアを専門にしている方がいる時事通信という組織に、実はあらためて驚いている。わたしも同じ「通信社」の名がつく組織に所属している(現在は休職中)けれども、湯川さんのような存在は望むべくもない。時事通信の度量の広さというか、湯川さんに社外での活発な活動を許していることも、わたしの所属組織と比較すれば特筆ものだ。
 高田さんは、北海道警の裏金問題を追及した北海道新聞の取材班を率いた。新聞労連の若手記者研修に講師として来ていただいたこともあるが、豊富な取材経験、現場経験から、本当にマスメディアの現状を憂慮されている。わたしとは同年代で、フィールドは違うものの同じ時代を記者として過ごしている。高田さんと話していると、わたし自身、彼の考え方と近いな、と感じるし、色々な発想も得られて刺激を受けている。
 藤代さんは新聞労連の青年部活動の経験もあり、労働組合運動の現状にも手厳しい。新聞産業から離れたのはある意味では残念だったけれども、彼は新聞(新聞社ではない)は好きだから、今後も外から色々と手厳しく言ってもらえるならば、新聞にとっては悪いことではない。新聞(あるいは新聞業界)の側で、それを受け止められるかどうかが問題だと思う。実はこのブログ「ニュース・ワーカー」も藤代さんに勧められて始めた。

 3人それぞれに今のマスメディアの内情に詳しいから、座談会の内容も濃い。ぜひ、購入して一読を。藤代さん、ありがとうございました。
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by news-worker | 2005-11-26 10:10 | 読書