2006年 01月 11日 ( 1 )

 

東京新聞特集記事「ネット時代の『報道協定』」

 東京新聞の11日付朝刊に特報面見開きで「ネット時代の『報道協定』」の記事が掲載されている。わたしの前回のエントリーを読んだ同紙の取材班から取材があり、わたしのコメントもチラッと紹介されている。
 記事ではネット社会の犯罪に詳しい紀藤正樹弁護士、中京大学の飯室勝彦教授(ジャーナリズム論)のコメントが紹介されている。一部だが、紹介すると「ネット情報は無責任な情報も多く、あれこれと憶測しても意味がない」(飯室教授)、「ブログを知らない世代ほど過剰反応するきらいがあるが、あくまでも情報の一つにすぎないととらえるべきだ」(紀藤弁護士)とある。言ってみれば「2チャンネル=便所の落書き論」だろう。しかし、ブロガーのネットワークが大きな情報発信力を持ちつつある中で、いつまでも既存マスメディアが情報発信を止めれば社会にそれが届かない、つまり誘拐事件で言えば現行の報道協定が効力を発揮し続けることができることにはならないと思う。
 仙台の事件では、このブログにも「続報が止まったのでおかしいと思い、エントリーは控えた」というブロガーおかにゃんさんからTBをいただいた。逆に、ブログで、憶測であれ報道協定締結を取り上げた例がどれくらいあったのか分からないけれども、東京新聞の記事にもある通り、自分のブログという「定住所」を持つブロガーと、まったくの匿名で掲示板に書き込みをするネットユーザーとは、おのずとスタンスが異なっているのかもしれない。
 しかし、それでも、特に既存のマスメディアの側が押さえておかなければならないことがあると思う。報道協定は社会の大方の理解を得ているとわたしも思うけれども、その仕組みは記者クラブ制度の枠組みに乗っかっている、ということだ。その記者クラブ制度に大きな批判があるのもまた事実だ。報道協定はまさに記者クラブの「情報独占」の一形態でもある。そういった記者クラブ制度そのものが抱える矛盾を一つひとつ、既存マスメディアが解決していく努力をしていかないといけない。まず既存マスメディアの信頼再構築の努力がないと、報道協定の「人命尊重」の精神をネットユーザーにもあまねく共有してもらうことは難しいと思う。
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by news-worker | 2006-01-11 09:36 | メディア