2006年 02月 15日 ( 1 )

 

共謀罪に民主党は取り込まれるな

 現代版の治安維持法とも呼ばれ、昨年秋の特別国会から継続審議となっている共謀罪をめぐり、与党側が修正の動きを始めたことを15日付けの朝刊各紙が伝えている。以下、朝日新聞の記事を引用する。

(引用開始)
共謀罪、対象は犯罪集団に限定 与党修正、民主に提示
2006年02月15日06時16分

 犯罪の実行を話し合っただけで罪となる共謀罪の創設を盛り込んだ組織的犯罪処罰法などの改正案について、自民・公明の両党は14日までに、初めての修正案をまとめ、民主党側に協議を打診した。(1)共謀罪の適用が暴力団など組織的犯罪集団に限られることを明確にする(2)客観的な準備行為があることを共謀罪の構成要件に加える――の2点が柱。民主党内には、「修正案は不十分で対象をさらに絞るべきだ」との声も強く、同党の対応が今後の焦点となる。

 法案は、00年に国連で採択された国際組織犯罪防止条約に伴うもの。政府は「国際的な組織犯罪対策に必要」と力説したが、与野党から「組織犯罪と関係ない市民生活にまで対象が広がりすぎる」と、問題点が指摘され続けてきた。

 このため、政府・与党は条約加入のために必要な範囲に対象を絞る修正は避けられないと判断。「組織犯罪と関係ない、市民団体や会社も対象になるのではないか」といった懸念を消すために(1)の点を、「客観的な行為なしに犯罪の成立を認めると、捜査当局が乱用するおそれがある」といった不安にこたえて(2)の点を、修正案に盛り込むことにした模様だ。

 これまで同種の規定は極めて例外的な犯罪にしか適用されなかったが、共謀罪は615もの罪種に適用される。「適用罪種が広すぎる」という問題点も指摘されているが、この点は今回の修正案では解消されない。

 また、民主党内には、対象をさらに絞り、条約の趣旨通り、国境を越えた犯罪に限定すべきだなどとする意見も根強い。
(引用終わり)

 社民、共産は最初から眼中になく、何とか民主党の賛成を取り付けて今国会での可決成立を目指すということだろうが、いかに修正を加えようとも、わたしは共謀罪新設には反対する。共謀罪をめぐる問題の本質の一つは、処罰・取締りの対象を犯罪の実行行為から共謀行為に広げることにある。まさに人間の内面、精神の営みを取り締まるものにほかならない。思想信条、信仰、言論、表現などの自由と真っ向から対立する。
 また、共謀行為は密室で行われるものだから、摘発しようとすれば必然的に監視、盗聴、信書やメールの検閲が合法化され、密告も奨励される。つまり何もモノが言えない監視社会だ。
 関連法案に修正を施して「そんな心配は杞憂ですよ」と言われても、いったん成立してしまえば、拡大解釈と運用が繰り返され、いずれ改悪が重ねられていきかねない。それは治安維持法がたどった歴史を振り返れば明らかだ。
 先日の横浜事件の再審判決で注目された治安維持法は、戦時下の社会で言論思想弾圧に猛威を振るった。戦争中に作られた印象が強いと思うけれども、実はできたのは1925年だ。法律ができた当時にその危険性を見抜いていた人はわずかだっただろう。
 共謀罪には日弁連も猛反対している。「日本の刑事司法の根本を変えるのに、こんなやり方でいいのか」というその主張は正しい。
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by news-worker | 2006-02-15 10:00 | 平和・憲法