2006年 05月 12日 ( 2 )

 

共謀罪は16日にヤマ場か~踏ん張りどころが来た、もっと世論の高まりを

 共謀罪の国会審議はきょう(12日)、また動きがあった。与党側は再修正案を野党側に提示し、来週16日の採決を提案したという(共同通信読売新聞朝日新聞)。社民党の保坂展人衆院議員のブログによると、16日は衆院本会議で午後1時から、教育基本法改正(改悪)案の趣旨説明がある。その後、衆議院法務委員会で、午後3時30分から5時30分まで2時間(野党のみ)の審議が予定されている。保坂議員は「本会議などへの波及をさけるため不正常な採決(強行採決)は、夕刻が多い。教育基本法審議入りの条件を整えて、17日は『小泉対小沢』党首討論という舞台もセットされた。裏を返して考えると民主党が17日に徹底抗戦をしにくいようにという意図も感じられる。医療法案の採決は伸びるかもしれない。と考えると、実は16日は共謀罪の修正協議が整わなければ、強行採決の危険も相当にあるというのが私の見方だ」と書いている。
 強行採決をさせないために必要なのはなお一層の世論の高まりだ。ゴールデン・ウイークが明けて、メディアはようやく、共謀罪をめぐる動きを連続して取り上げるようになってきた。それとともに、間違いなく世論も高まってきている。今まで知られていなかった共謀罪の危険性と、法務省、与党の説明の欺瞞性に気付く人が増え続けている。

 新聞労連のほか、民放や出版、印刷、映画演劇などマスコミ関連産業の産業別組合が集まって結成している日本マスコミ文化情報労組会議(略称MIC)という共闘会議がある(議長はわたしが務めている)。いわば表現活動を仕事にする者の労働運動である。
 MICとしても「共謀罪反対」「共謀罪を廃案に」との世論を高める運動を強めることを先日の代表者会議で決めた。MIC傘下の労働組合が、衆院法務委員会のメンバーや法務省など関係先へ、廃案を求める要請文や抗議文を次々にファクスやメールで送る緊急行動をきょう発議した。週明けの15日から、審議ヤマ場の16日にかけ、わたしたちの怒りの声を全国から途切れることなく突きつけていきたい。
 新聞労連としても、このMIC緊急行動に合流しようと、加盟の各新聞の労組に呼びかけた。あわせて、共謀罪をめぐる動きを新聞紙面でも途切れることなく報道するよう、編集職場に働きかけてほしい旨を要請した。

 4月28日に、社会の多くの人が知らないうちに強行採決される恐れが高まっていたことを思えば、この短期間のうちに世論が急速に盛り上がってきたことの意味は大きい。これからが本当の踏ん張りどころだと思う。
 
 あす(13日)から3日間、沖縄に出張する。きょうからはじまった恒例の「5・15平和行進」に、MICもことし初めて合流する。その一員としてだ。前回のエントリーでも書いたが、今回の在日米軍再編の日米合意は、沖縄の基地負担を軽減させるものでは決してない。本質的には、沖縄に基地の永久化を迫り、さらには日本全体を米軍基地化するのに等しい。
 そういうことも、今ならだれにはばかることもなく口にすることができる。しかし、ひとたび共謀罪ができてしまったらどうだろうか。平和と民主主義を守るということは、自由にモノが言える社会を守ることにほかならない。
 沖縄で、沖縄の人々の怒りに触れ、そしてその怒りを共有して帰ってきたい。
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by news-worker | 2006-05-12 21:53 | 平和・憲法~共謀罪  

なぜ基地の「県外移設」が実現されないのか

 ゴールデン・ウイークを挟み、共謀罪をめぐって緊迫した状況が続いているこの時期に、もうひとつ「在日米軍再編」問題も大きく動いている。
 5月1日に日米両政府が「最終報告」をまとめ公表。昨日は、沖縄の米海兵隊普天間基地の移設問題で、名護市辺野古地区に代替施設を建設するとした「沿岸案V字滑走路」案に、沖縄県の稲嶺恵一知事が〝反対しない〟方針を表明して、国と県の間で確認書を交わした。
 政府にしてみれば、「これで沖縄(地元)の了解は取り付けた」ということになるのだろう。稲嶺知事は「防衛問題は政府の専管事項だ」と口にしたという。「地元首長ができる抵抗はここまで」という心情なのだろうか。
 普天間基地をめぐっては、沖縄の世論は「県外移設」「国外移設」が圧倒多数なのに、それは実現されない。海兵隊の要員8000人とその家族がグアムに移駐するとして「沖縄の負担軽減」が盛んに喧伝されているが、それも「辺野古新基地建設」とパッケージだ。仮にこの再編計画が完全に実施されたとしたら、沖縄本島は中部以北が強固な永久基地となる。そして沖縄ばかりでなく、日本中の空を米軍機が自由に飛び交い、自衛隊は米軍のエスコート役として、ピタリと寄り添うことになる(今でもそうなのだが)。
 在日米軍再編の本質は、日米の軍事一体化だ。沖縄、日本の別を問わず、基地機能は格段に強化される。それでも憲法9条によって、日本が交戦権を放棄し、戦力を放棄すると定められている状況下ならば、自衛隊が戦場で直接の戦闘に加わることはないかもしれない。しかし、9条が改悪されて自衛隊が自衛軍に変われば、自衛軍は米軍配下の捨てゴマも同然となるだろう。そうなることを米国は日本に求めてきている。

 沖縄の基地問題は、沖縄の問題ではない。日本(ヤマト)の問題だ。米軍基地は沖縄の人々が望んでいるのではない。必要だと言っているのはヤマトの側だ。なのになぜ、沖縄に負担の押し付けが続くのか。「県外移設」が実現されないのか。
 日米同盟は今や、米ブッシュ大統領と小泉首相が「世界の中の日米同盟」と声を揃える状況だ。よくよく考えれば、これは在日米軍の活動を極東地域に限定している日米安保条約からの逸脱を、開き直って公言しているも同然ではないか。なぜ、もっと「おかしい」という声が上がらないのか。
 日米安保、在日米軍は何のためにあるのか。本当に必要なのか。
 いったいだれの利益を守るために、だれの権利が侵害されているのか。それは許されることなのか。仕方がないことなのか。

 辺野古には、海を守り続けるために、代替基地建設に反対し続けてきた人たちがいる。彼らのたたかいは今も、これからも続く。ささやかながらでも、連帯していきたい。

 参考
 以前のエントリー「沖縄で『在日米軍再編』報道を考えた」(06年2月13日)

 ジュゴンの家日誌
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by news-worker | 2006-05-12 10:44 | 平和・憲法~沖縄