2006年 05月 25日 ( 2 )

 

下野新聞の印刷別会社でも労組結成

 このブログでは、栃木県の地方紙「下野新聞」の印刷部門別会社化・社員転籍をめぐる全下野新聞労組の争議を報告してきた(初めての方には「全下野新聞労組の闘争」カテゴリーの過去エントリーをご覧いただきたい)。最終的に栃木県労働委員会のあっせんを経て、全下野労組は会社の計画を受け入れ4月に争議状態は終結、4月中旬に新印刷会社「下野新聞印刷センター」が設立され、新工場が稼働している。その新印刷会社にきょう(25日)、新しい労働組合「下野新聞印刷センター労働組合」が発足した。
 会社計画の受け入れと同時に、全下野新聞労組は争議総括と並行して、苦い経験を教訓として生かすために、新会社での労働組合組織化に取り組んできた。下野新聞社を退職して新会社に転籍した組合員5人が中核になり、新会社採用の従業員らに組合結成を働きかけてきた。その努力が新会社発足からわずか1カ月で実を結び、役員、管理職をのぞく対象者の大半を組織化した。
 きょうの午後、新工場がある栃木県鹿沼市で開かれた新組合の結成大会にわたしも出席した。あいさつでは「新聞は多くの人の手でつくられ、読者に届けられている。仮に会社は別になっても、皆さんも『新聞をつくって読者に届ける』仕事をしている。わたしたちと同じ立場だ。その皆さんが、労働組合という共通の権利を手にしたことの意義は大きい。いい新聞を読者に届けるために、労働組合という権利を正当に行使し、労働条件の向上を目指してともにがんばろう」という趣旨の話をした。わがことのように嬉しかった。

 「結果を出せずに争議は終わるが、それで終わりではない」。ことし2月、全下野労組が会社計画を受け入れるほかないとの判断に至ったときのことを思い出し、そしてきょうの新組合結成を目の当たりにして、正直、胸が熱くなった。2月には全下野労組の方々と「この争議にどんな意味があったのかは、5年後、10年後に下野新聞がどんな新聞になっているかで定まる」と話していた。負け惜しみではない。5年後、10年後のための第一歩が、きょうの新組合の結成だと思う。短期間で立ち上げにこぎつけた5人の転籍者の方々、彼らを支えた全下野労組の方々に敬意を表したい。

 新組合は規約に、正社員だけでなく嘱託者やアルバイトにも組合員資格があることを明記している。同じように新聞の仕事に携わっている者同士が、雇用形態にかかわらず団結する、団結できる。そのことによって、労働組合という〝権利〟はいよいよ輝く。あの長く苦しい争議があったからこそ到達できた先進性だ。
 「職場をよくしたい、いい新聞を出したい」という要求の切実さで団結した宮古毎日新聞労組と共通の先進性だと思う。
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by news-worker | 2006-05-25 22:48 | 全下野新聞労組の闘争  

「共謀」の概念は既に拡大解釈が行われている~東京新聞記事

 先週の強行採決見送り以来、動きが止まっているように見える共謀罪新設関連法案。そんな中でも、東京新聞は24日付けの朝刊特報面で、「『共謀』の概念 既に拡大」との見出しで、重要な視点を指摘している。取材に答えているのは、元東京地検公安部検事で、一連のオウム真理教の事件捜査を担当した経験を持つ落合洋司弁護士。
(一部引用開始)
 共謀罪と似た法律用語に「共謀共同正犯」がある。犯罪を謀議した仲間の誰かが実行行為に踏み切れば、他の仲間は実行しなくても共犯になるものだが、落合氏は、捜査・裁判実務で共謀共同正犯の拡大解釈が進んでいると指摘する。
 暴力団組長が泊まったホテルのロビーに拳銃を携帯していた組員がいた。組員は銃刀法違反罪、組長も同罪の共謀共同正犯に問われ、昨年末、最高裁で組長も有罪とされた。「共謀」の事実が詳細に証明されないまま共謀共同正犯が認定されたため「常識を打ち破った判決」と、法曹関係者に波紋を広げている。
 「共謀罪」の共謀と「共謀共同正犯」の共謀が同一概念であることは政府も認めている。法務省は「目くばせでも共謀が成立する」と国会答弁したが、現実は、もっと先を行っている。
 「共謀罪は共謀だけで成立するから、ある意味、怖いことだ」と落合氏。「相手が暴力団だから、いいじゃないか」と思うか、「明日はわが身。拡大解釈は危険」と感じるかは国民しだいだが、落合氏は言う。「日本では起訴されなくても逮捕、家宅捜索されるだけで大打撃だ。共謀罪には、起訴に持ち込めない相手を社会的に葬る手段として、十分過ぎる力がある」
(引用終わり)

 以前のエントリーで指摘したが、組織犯罪処罰法では、たった2人の間でも〝組織犯罪〟として起訴された西村真悟衆院議員の前例がある。もう少し拡大解釈が進めば、親子や兄弟でも〝犯罪組織〟として立件されかねない。
 共謀共同正犯にせよ、組織犯罪の概念にせよ、こうした前例が出ていることに対して、メディアはきちんと検証してこなかった。それは、今のメディアがあまりにも「落としどころ報道」に片寄っているからだと思う。今からでも遅くはない。共謀罪が国民的な関心事に高まってきた今こそ、新聞や放送メディアは今日の東京新聞記事のように、今、社会で起きていることを掘り下げ、その意味を指摘する報道を始めるべきだ。
 
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by news-worker | 2006-05-25 00:18 | 平和・憲法~共謀罪