2006年 09月 17日 ( 1 )

 

那覇地裁でこんな判決が出ている

 新聞労連を通じてのmixi友だちの日記で気が付いたのだが、沖縄の那覇地裁でこんな判決が出ていた(沖縄タイムス記事)。
基地の爆音 常識?
 老後の生活を静かに送ろうと大阪から沖縄に移住した夫婦が、嘉手納基地の爆音の実態を知らされないまま滑走路から約二キロにある土地を買わされそうになったとして、土地所有者と仲介した不動産業者に手付金の百万円を返還するよう求めた訴訟の判決が十四日、那覇地裁であった。大野和明裁判官は「極東最大の空軍基地と、その騒音被害は容易に知り得た」として、業者には説明義務があったと主張した夫婦の訴えを退けた。(粟国雄一郎)
 判決は、基地の存在や騒音被害を仮に知らなかったとすれば、「米軍基地が社会問題となっている沖縄に移住を決めた者の態度として極めて遺憾」と述べた。
 夫婦側は「沖縄に転居したばかりで、基地や爆音の実態を知る由もなかった」と主張。業者側は「本島中部は米軍機の通過地帯で、業界の慣行として騒音問題をあらためて説明はしていない。基地の存在や騒音は十分に把握していたはずだ」などと反論していた。

 記事によると、夫婦は宜野湾市の借家に住み、終の棲家を探していたらしい。宜野湾市と言えば、市の中心部に住宅に取り囲まれるように米海兵隊の普天間飛行場があり、2年前には米軍ヘリが隣接する沖縄国際大に墜落して危険性があらためて実証された。判決は、そういうところに住んでいれば、極東最大と言われる空軍基地の嘉手納基地の周辺がどんな状態かは容易に分かるはず、分からない方がおかしいと言わんばかりで、相当に厳しい。
 この判決に二つのことを思った。
 一つは、沖縄の基地被害は、まだまだ県外(ヤマト)の人たちの間には知られていないのだな、ということだ。現にこの判決のことはヤマトのメディアでは報じられていない。
 近年の沖縄の観光ブームは凄まじい。週末ともなれば、ハイシーズンでなくとも東京-沖縄の航空便は満席になる。大勢の人が沖縄を訪れるが、いったいどれだけの人が滞在中に「基地」に気付いているだろうか。試しに、どれでもいい、沖縄の観光ガイドブックを開いてみれば分かる。どこにも「基地」の説明はない。地図に「キャンプ××」の表記があるだけ。「沖縄にはキャンプ場がたくさんあるのですね」という笑い話があるくらいだ。
 もう一つは、この大野和明裁判官の心意気だ。記事には「基地の存在や騒音被害を仮に知らなかったとすれば、『米軍基地が社会問題となっている沖縄に移住を決めた者の態度として極めて遺憾』と述べた」とある。裁判官は転勤族なので、恐らく大野裁判官もヤマトからの赴任だと思うが、「沖縄の基地問題を軽く見るな」とここまで厳しい言葉を使ったことに、沖縄の「今」にやましさを感じているヤマトンチューの一人としては、何と言えばいいだろうか、共感を覚える。
 原告の夫婦は気の毒と言えば気の毒だが、沖縄は過酷な歴史を経験し、今も過酷な時が流れている。そのことにヤマトのわたしたちはもっと敏感でなければならないと思う。
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by news-worker | 2006-09-17 23:11 | 平和・憲法~沖縄