2006年 10月 08日 ( 2 )

 

宮古島への陸自配備と下地島空港の軍事基地化で懸念されること

 他メディアでは報道されていないが、沖縄の県紙の琉球新報にこんな記事があった。
宮古島に陸自新基地 09年度に200人配備
 中期防衛力整備計画(中期防、2005-09年度)で明記された陸上自衛隊第一混成団(那覇、約2000人)の旅団化(3千-4千人)の一環として、09年度をめどに、宮古島に新たに約200人規模の部隊を配備させ、新たな基地建設も検討していることが3日までに分かった。将来的には600人規模まで増強する見通し。複数の政府関係者が明らかにした。陸上幕僚幹部(陸幕)も南西諸島への部隊配備検討を始めた。宮古島市には打診はないが、伊志嶺亮市長は自衛隊増強に反対する姿勢を示しており、今後地元を中心に波紋が広がりそうだ。

 今は合併で宮古島市になっているが、宮古島から船で20分ほどの伊良部島と隣接する下地島(旧伊良部町)には、民間パイロットの訓練に使われている3000メートル級滑走路を備えた下地島空港がある。同空港をめぐってはこんなことも起きている(沖縄タイムス記事)。
11日に下地島使用/米軍が届け出
 在沖米海兵隊外交政策部(G5)は六日、フィリピンでの合同演習に参加するため、普天間飛行場所属のヘリなどが県管理の下地島空港(宮古島市)を十一日に給油目的で使用する、と県空港課に届け出た。
 使用機種は、KC130空中給油機一機とCH46ヘリ八機。県の花城順孝知事公室長は六日、同外交政策部に対し「県民に大きな不安を与えており、県民は恒常化につながることを大変懸念している」と使用中止を申し入れた。

宮古島市民一斉に反発/「住民意思を無視」
 【宮古島】米軍が下地島空港を十一日に使用すると県に届け出たことに対し、宮古島市では六日、保革を超えて一斉に反発した。同空港の平和利用を検討するため、四月に推進室を立ち上げた伊志嶺亮市長は「なし崩し的な米軍の姿勢に憤りを感じる」と反対の姿勢を示し、伊良部島からも「自衛隊も含め、軍事利用は認められない」と一方的な米軍の通告を批判する声が上がった。
 「住民意思を無視した米軍の使用届に憤りを感じる」。「軍事利用に反対する伊良部住民委員会」の福島正晴委員長は怒りを抑えるような口調で語った。二〇〇五年三月に市町村合併の賛否と絡めて旧伊良部町で自衛隊誘致案が浮上した際に住民が示した反対の意思は変わらないと訴えた。

 宮古島は第二次大戦では、沖縄本島のような地上戦こそなかったものの、米軍による艦砲射撃と空襲で大きな被害を受けた。しかし、米軍基地のフェンスが延々と続く本島のような直接的な基地の圧迫がないためか、基地問題への市民の意識は本島に比べて低い、という話を聞いたことがある。それでも下地島空港の軍事利用には反対の根強い市民感情がある。
 宮古島への陸自配備は下地島空港の恒常的な軍事利用の構想とセットになったものだろう。日米の軍事一体化の一環とみていいと思う。台湾からほど近いところに、そんな軍事拠点を構えればどうなるか。日米が自ら周辺の軍事的緊張を高めるだけではないだろうか。あるいは、琉球新報記事が指摘しているように、尖閣諸島をめぐって直接、中国を刺激する。
 仮に有事になったとして、そもそも200人の陸自隊員で宮古島の市民を守りきれるわけがない。下地島〝基地〟の警備、防衛で手いっぱいだ。戦時下で軍が住民を守らない、時には住民を殺害しさえすることは、沖縄戦の歴史が証明している。
 石垣島や周辺の島々をも含めて、市民の生命財産を守るためには、いらぬ軍事的緊張を排除するしかないはず。「基地のない沖縄」「基地のない日本」へのロードマップが必要だと思う。
[PR]

by news-worker | 2006-10-08 01:40 | 平和・憲法~沖縄  

MIC定期総会の報告

 9月30日に開かれた日本マスコミ文化情報労組会議(MIC)の定期総会の報告。わたしが所属する共同通信労組の機関紙に掲載されたレポートを、同労組執行部の了解を得て転載する。一部を加筆修正しているが、MICの活動ぶりもお分かりいただけると思う。
労働組合は平和のための権利
 新聞労連をはじめ民放労連や出版労連など、マスコミ関連や文化、情報産業の単産(単位産業別組合)でつくる日本マスコミ文化情報労組会議(略称MIC=ミック)の第45回定期総会が9月30日、東京・お茶の水の全労連会館で開かれ、筆者(美浦)が2年間務めてきた議長職を退任、新議長に新聞労連委員長の嵯峨仁朗さん(北海道新聞労組)ら新執行部を選出した。総会では、「労働組合は平和のための権利」として、「労働組合という権利を広め、そして高め、働く者の権利の侵害を許さず、自由にモノが言える社会を守り、憲法改悪と戦争を許さないために、広範な連帯と共同の先頭にわたしたちMICが立とう」とする2007年度の運動の基本方向を採択した。
 MICに加盟しているのは新聞労連、民放労連、出版労連、全印総連(印刷)、映演共闘(映画演劇)、映演労連(同)、広告労協、音楽ユニオン、電算労(IT関連)の8産業9団体。組合員数は計6万人余に上る。1963年発足のマスコミ共闘が前身で40年以上の歴史を持ち、最大組織の新聞労連委員長が議長を務めるのが慣行になっている。「MIC」の略称はマスメディア(M)、情報(I)、文化(C)にちなむ。
 近年は「NO WAR!MORE JUSTICE!(平和と正義のために)」をスローガンに掲げ、平和と憲法、争議支援などを中心に活発な活動を展開。春闘や秋年末闘争(冬季一時金闘争)では、決起集会や争議組合支援行動のほか、出版社や印刷業者が集中する神保町地区の昼デモ、銀座の夜のデモ行進が恒例となっている。憲法改悪反対の取り組みでは日本ジャーナリスト会議(JCJ)と共同で昨年4月、WEBサイト「憲法メディアフォーラム」を立ち上げ、インターネット上で情報発信を続けている。
 国際交流にも力を入れており、一昨年10月にスイス・ジュネーブのILO本部で開催されたメディア産業などの国際会議に筆者ら3人を日本の労働側代表団として派遣。韓国の全国言論労組とは2年に1度、日本と韓国で交互にシンポジウムを開催しており、戦後60年の昨年は8月15日を挟んでMICの代表団40人余がソウルを訪問し、韓国のマスコミ労働者と交流を深めた。
 MIC定期総会では、執行部が1年間の活動を報告し新年度の運動方針を提起。討論では各団体から計27人が登壇した。
 教育基本法「改正」を当面の最重点課題に掲げ、憲法「改正」も公言してはばからない安倍政権の発足に対し、対抗して労働運動として平和と憲法を守る取り組みの強化を訴える発言が相次いだほか、解雇の金銭解決や労働時間規制の撤廃が焦点になっている労働契約法制論議、労働組合の組織拡大と非正規雇用の労働者の支援と組織化、労働組合の経営監視機能、メンタルヘルスの取り組みなどをめぐって活発な発言が続いた。 
 MIC総会の討論を振り返って、筆者の印象に残っているのは、団塊世代の大量退職(いわゆる「07年問題」)を控えている中で、若手組合員に対する労働組合の求心力の低下を指摘した発言だ。
  「今の若い人たちは、労働組合にうさん臭さを感じている。一方で、賃金や労働条件は会社が善意で用意してくれていると思っている。事実はそうではない。わたしたちの労働条件の一つひとつは、組合が職場の要求を吸い上げ、会社と交渉し勝ち取ってきた。組合が果たしてきたそうした役割が、組合員の意識の中に引き継がれていない」。
 この2年間、単組も含めれば計3年間、組合専従職にあった者として、内心じくじたるものを感じている。同時に、職場の一人ひとりが参加する労働組合運動をどう再構築するのかが、今や最大と言ってもいいわたしたちの課題になっていることを痛感している。
(参考)
MICホームページ
http://www.union-net.or.jp/mic/
憲法メディアフォーラム
http://www.kenpou-media.jp/

[PR]

by news-worker | 2006-10-08 00:33 | 労働組合