カテゴリ:労働組合( 38 )

 

議案書の季節

 宮古島から12日夜に帰京後、きのう(13日)午後からきょうの午前中までは、新聞労連の中央執行委員会だった。労働組合は夏に年に1回の定期大会を開くところが多い。1年間の活動を総括し、次の1年間の運動方針を決める。役員の交代もある。新聞労連も7月25、26日の両日に定期大会を予定しており、今回の中執委はその議案づくりが主な議題だった。
 この1年の活動総括と情勢報告では、新聞の特殊指定問題と販売正常化、別会社化合理化と労働組合の組織強化・拡大が重点項目となる。後者はわたしが執筆を担当。他にも新聞ジャーナリズムや平和・憲法、在日米軍再編と沖縄の基地問題などを担当するのだが、原稿が遅れている。来週半ばの最終締め切りに向けて、今日以降は議案書書きの日々が続きそうだ。どこでも労働組合の役員は似たような状況だろう。
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by news-worker | 2006-06-14 12:29 | 労働組合  

回答引き延ばしは、権利の侵害にほかならない

 以前のエントリーで紹介した日本マクドナルドの労働組合「日本マクドナルドユニオン」のその後。
 マックユニオンのHPによると、組合結成通告と同時に提出していた要求への回答の期限は今月6日だったが、会社側は、「社内関係部署にて精査検討を要する事項が多々ございますので6月6日の回答期限には対応しかねます」と回答先送りを通告してきたという。組合側は要求について「会社が精査・検討する間でもなく、基本的な労使関係の確認と今後交渉を進めていく枠組みを求める内容」とし、「会社の回答内容には、業界のリーディング企業としての労使関係の重要性と職場の深刻度に著しく認識を欠いています」との見解を明らかにしている。まったくその通りだ。
マックユニオンHPトップ

 このブログで報告した(ここここここ)宮古毎日新聞でも労使のせめぎ合いが続いている。社長は5月30日の初団交(団体交渉)後も、一部の組合員を個別に呼び出し、組合敵視の発言を行っていた。組合執行部が厳重に抗議し、2回目の団交開催を申し入れているが、なかなか日程を組もうとしない。団交に応じないと言っているわけではないから、不当労働行為には当たらない、と思っているのだとしたら、大きな間違いである。
 組合結成通告と要求提出から既に2週間以上が経っている。なのに、労働組合という権利の行使に必要不可欠な最低限の要求(職場での組合文書の配布など)にすら、会社は応えていない。このまま時間だけが経過するなら、客観的にみて権利の侵害であり、すなわち不当労働行為である。「検討に時間が必要」というのは会社側の事情であって、言い訳にすぎない。実際には、ぐずぐずと時間だけが経っている。いったい、何をどう検討しているというのか。
 労働組合は会社と別人格を持つ社会的に独立した存在だ。自分の使用人に社内サークル活動を認めるかどうか、という問題ではないのだ。社長、会社側はそのことを学ばなければならない。
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by news-worker | 2006-06-09 09:45 | 労働組合  

マクドナルドで労組結成

 ハンバーガーの「マクドナルド」に5月29日、労働組合「日本マクドナルドユニオン」が結成された。ホームページも開設しており、ネットから加入申し込みもできる。ナショナルセンターの連合が直接、バックについているだけのことはある。
 マクドナルドは世界中どこでも、若い労働力を低賃金の非正規雇用で大量に働かせる点が共通している。低価格と利便性を支えているのは、そうした労働者たちだ。それもまた〝企業の経営努力〟かもしれないが、企業としての成功物語が喧伝される影で、働く者の権利の侵害が日常化していたのではないか。それが労組結成につながったのだと思う。同じ労働運動に身を置くものの一人として、応援したい。

 マクドナルド労組のホームページをのぞいてみると、結成通告と同時に会社に提出した要求書もアップされている。その中には、労働組合の権利に関する項目もある。引用する。
(1) 組合の結成により、以下の各号について労働協約として確認することを要求します。
1 会社は、日本国憲法・労働組合法・労働基準法にさだめたれた労働者と労働組合の諸権利を認め、一切の不当労働行為を行わないこと。
2 会社は、組合役員の就業時間中の組合活動を認め、賃金カットを行わないこと。
3 会社は、組合活動のための複写機などの事務機器の使用を認めること。また、職場内での組合員の話し合いなどのために会社施設の利用を認めること。
4 会社は、組合費の給与天引き(チェックオフ)を認めること。
5 会社は、組合役員の人事異動および配置転換を組合の同意を得た後に行うこと。
6 会社は、組合役員の組合専従休職を認めること。
(2) 暫定労働協約に関する要求
前号(1)における内容の確認後、会社・組合間でその他の労使確認を含めて、「暫定労働協約」を早期に締結すること。

 回答は6月6日とのこと。宮古毎日新聞の経営者はぜひ、注目して欲しい。 
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by news-worker | 2006-06-01 12:49 | 労働組合  

メーデー

 c0070855_21395678.jpg5月1日はメーデー。東京・代々木公園で開かれた全労連系の中央集会に参加した。
 既に連合系のメーデー中央集会は4月29日に開かれている。ナショナル・センターが分裂状態にあることで、メーデーもずっと別々の開催が続いている。「連合系」「全労連系」と書いたが、わたしの受け止め方は「連合系」と「非連合系」だ(もうひとつ、日本の労働運動には全労協という団体もあるが、一般にナショナル・センターとは認知されていない。こちらは今日、日比谷公園で集会を開いている)。
 新聞労連を例に取ると、連合にも全労連にも加盟していない中立系の産業別(産別)組合だが、下部ブロック組織の東京地連は東京地評という地域共闘会議に参加している。東京地評は全労連と一緒に春闘をやったりメーデーをやったりするので、新聞労連東京地連もそこに加わるということになっている。同じような中立系組合は少なくない。連合非加盟の主だった産別組合が、全労連加盟か否かを問わず集まるので「非連合系」の方が実態に即していると思う。
 さて、代々木公園に集まったのは主催者発表で4万7000人。主催者代表の全労連・熊谷議長、来賓の日本共産党・志位委員長とも、あいさつでは、小泉政権の新自由主義政策が格差の拡大、若年層の貧困化を招いていると指摘。憲法改悪・国民投票法制定、教育基本法改悪、日米の軍事一体化に反対し、安心、安定して生活できる社会を目指そうと訴えた。
 気になったのは、登壇者から共謀罪新設の動きに言及がなかったこと。共謀罪ができてしまえば、労働組合の執行委員会は間違いなく適用対象になる(恐らくどこの組合執行部でも「社長の首を絞めてやる」ぐらいのことは日常的に口にしているはず)。それぐらい労働組合にとっては由々しき事態なのだが…。うがった見方かもしれないが、一般に連合は民主党を、全労連は共産党を支持している。共謀罪は衆院法務委員会では民主党が反対の先頭に立っているが、共産党は委員会に理事のポストすらない。もしそうした事情が共謀罪への〝無関心〟ぶりに関係しているとしたら、残念なことだ。

 メーデー会場では、「共謀罪に反対する表現者たちの会」のフリージャーナリスト・三宅勝久さんと西村仁美さんが、ハンディムービーとマイクを手に、共謀罪に反対のひと言を集会参加者に取材して回っていた。先日から、各界の反対の声を取材し、ネット上で「共謀罪TV(ティーブイ)」として公開している(ジャーナリスト寺澤有さんのブログで閲覧できる)。わたしも「共謀罪の記事が毎日紙面に掲載されるよう、現場の新聞記者にがんばってほしい」と話した。三宅さん、西村さん、お疲れ様です。
 
 集会終了後は、参加者が3ルートに別れてデモ行進。新聞労連東京地連の参加者は、西新宿の副都心まで元気よくシュプレヒコールを上げながら歩いた。
 きょうの東京は快晴で、気温も最高気温は30度。汗もかいたし、陽にも焼けたが、大きな声を出して歩くのは気持ちがいい。思えば、最初に街頭デモに参加したのは5年前、単組の執行部にいたときだったか。最初は恥ずかしいのだが、一度やってしまえば精神的な葛藤はすぐに消えてなくなる。
 歩きながら、先日のフランスのCPE撤廃劇のことが頭に浮かんだ。街頭に出て、デモをして、大きな声を上げること。これもまた市民の表現の自由であり、権利だと思う。今日のデモでは、欧米系の子ども連れの一家が通りの反対側から手を振ってくれたことが印象に残っている。
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by news-worker | 2006-05-01 21:48 | 労働組合  

新入社員の皆さんへ~労働組合に入ろう

労働組合は何のためにあるのか
 わたしたち一人ひとりは、会社の中や職場の中では弱い存在だ。会社から理不尽な命令を受けても逆らえない。残業しても残業手当が出ないかもしれないし、入社前に受けた説明と違って、意にそぐわない仕事を押し付けられたり、行きたくない職場に異動させられるかもしれない。そうなっても、文句も言えないし、逆らったら解雇されることだってある。だから、弱い立場のわたしたちは、団結することで会社と対等の立場に立ち、わたしたちの働き方を、わたしたち自身も加わった場で決めていく。それが労働組合だ。

労働組合は何によって守られるのか
 憲法28条はいわゆる労働三権を保障している。団結権(労働組合をつくる権利)、団体交渉権(使用者と交渉する権利)、団体行動権(ストライキなど)。その上で、労働組合法など、働く者の権利としての労働組合を保障する諸々の法律が定められている。

労働組合は何をするのか
 組合員の要求をくみ上げ、会社に提出して交渉し、要求を実現させる。賃上げによって組合員の生活を守り、労働条件の向上によって、組合員の健康を守る。そうすることで、わたしたちはわたしたちの仕事が社会に負っている責任を果たすことができる。だから、会社が法令違反や反社会的な行為をしているのなら、わたしたちはそれを見逃すわけにはいかない。

労働組合はなぜ戦争に反対し、平和を求めるのか
 戦争になれば、戦場に行って殺し殺され合いをさせられるのはわたしたち自身。たとえ、わたしたち自身が戦場に行かずに済んでも、わたしたちの仕事が戦争遂行を支えることになれば、わたしたちは殺人行為に手を貸すことになる。そうなれば、わたしたちは自分の仕事に誇りを持てない。社会に貧困がはびこり、貧富の差が広がって矛盾が増大すれば、戦争が引き起こされることは歴史が示している。そうならないために、働く者の生活と地位の向上が必要であり、労働組合が重要な役割を担う。

労働組合はだれのものか
 労働組合は、労働者であれば、だれもが等しく手にできるはずの権利。しかし、社会には、入りたくても入れる労働組合が身近にない人たちが大勢いる。身近に労働組合があるのなら、あなたは幸運だ。労働組合に入ったら、次は労働組合という権利を手にしていない人たちが、どうやったらその権利を手にできるのか、そのためにわたしたちが何をすることができるか、考えなければならない。それもまた団結であり、連帯だ。

 さあ、労働組合に入ろう。
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by news-worker | 2006-04-06 01:40 | 労働組合  

福岡銀行が派遣社員を正社員化~経営者の見識か

 労働組合運動の分野にも情報紙のような媒体があって、きょうの昼間、書記局で書記さんの一人が目を通していて気が付いたのだが、福岡県の地方銀行の福岡銀行が今月から、派遣社員400人を行員としての直接雇用に切り替えた。派遣社員の〝正社員化〟だ。ネットで福岡銀行のホームページをチェックしたら、3月3日に公表していた。
 それによると、対象は「福銀オフィスサービス株式会社」から受け入れている派遣社員。同社は恐らく、派遣先をグループ内企業に限定した、いわゆる「もっぱら派遣」だろう。「営業現場における従業員の一体感醸成と組織基盤の強化による更なるサービス品質の向上を目的として実施」ということらしい。本年度に「福銀オフィスサービス」が採用する社員156人も、また来年度以降採用する社員も、同様に行員として直接雇用するという。
 大きなニュースになった記憶がなかったので、あらためてネットで検索したら、日経新聞が九州・沖縄の地域ニュースとして報じていた。あと共同通信も配信したようだ。ニュース・バリューは高いと思うのだが、どうして全国ニュースにならなかったのか。

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by news-worker | 2006-04-03 22:59 | 労働組合  

春闘で「東京総行動」

 13、14の両日は、新聞労連と新聞労連東京地連が「東京総行動」を共催した。例年、春闘のこの時期に合わせて、全国の新聞社の労働組合から代表が上京し、在京の新聞社労組の組合員とともに、時々のテーマに即して学習会や関係省庁への申し入れを行う。30年以上の歴史があると聞いたことがある。
 ことしは、初日の学習会のメインテーマは「共謀罪」。講師に招いた弁護士に、いかに共謀罪が危険か、みっちり話をしてもらった。2日目の14日は、ちょっと早起きして霞が関の官庁街に集合。日本マスコミ文化情報労組会議(略称MIC、わたしが議長を務めている)が作成した「憲法改悪反対」「共謀罪反対、言論・表現の自由を守れ」「日米の軍事一体化反対」を訴えるリーフレットを、街頭で配布した。その後、班ごとに分かれ、共謀罪関連法案の廃案を求める要請書を法務省に提出したり、新聞販売をめぐる独禁法上の「特殊指定」見直し問題で公取委に意見交換に出向いたりと、申し入れ行動を行った。

 新聞労連がかつて総評に加盟していたころ、1980年代まで、新聞産業は今からは想像がつかないくらいの成長産業だった。新聞労連は春闘の先陣を切って賃上げ回答を引き出し、後に続く他産業の労使交渉に弾みをつける、いわば「切り込み隊」の役割を担っていたという。そのころの新聞労連の東京総行動では、春闘の最前線でがんばる在京の各労組を、全国から集まったオルグ団が順に訪ね、激励して回ったという。
 そうやって、産業内でも、産業を超えても、働く者の団結が実感できる時代、みんなで力を合わせて生活を向上させていくことができた時代だったのかもしれない。
 時代は変わり、労働運動もかつてとは様変わりした。契約社員や派遣社員など、雇用形態、働き方も多様化している。しかし、労働組合はそれ自体が時代を超えた働く者の「権利」だし、働く者の「共通言語」でもあると思う。
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by news-worker | 2006-03-15 22:03 | 労働組合  

連合会長の「正社員賃下げ」に疑問

 連合の高木正剛会長の3日のインタビューをめぐって、あざらしサラダさんからTBとコメントをいただいた。わたしも基本的には同意見なので、エントリーを立てることにした。まずは、問題のインタビューの中日新聞の記事

(引用開始)
連合会長「正社員賃下げも」
パート格差是正で
 連合の高木剛会長は3日のインタビューで、今春闘について「所得などで広がる社会格差を少しでも改善するという目標もあるので、ぜひ成果を上げたい」と賃上げ実現に意欲を表明。その上でパート社員と正社員の賃金格差是正のため、正社員の賃下げや昇給の抑制でパート社員の賃上げを図ることも「論理の上では必要」との考えを明らかにした。
 連合は今春闘から「パート共闘」を打ち出し、パート社員の能力や働き方に応じた待遇改善を求めている。高木会長はパートの賃上げ要求について「成果が出なかったら労組の存在意義が問われる」と強調。格差是正のため今後、正社員の賃上げが犠牲になることも必要との考えを初めて示した。
 高木会長は「現在は正社員組合であるため、そのような(正社員を賃下げして格差を是正するような)発想に入り込めない。しかし将来的にはそうしないと(より多くの人で仕事を分け合う)ワークシェアリングの実現もできない」と訴えた。
 正社員からは賃金配分が減るとの強い反発も予想されるが、「賃金の安いパートがどんどん増えていくことはあなたの働く場所がなくなることだ、と言いたい」と反論した。
(引用終わり)

 あざらしサラダさんは「まずはパート社員などの『時給』を正社員並みに引き上げることこそ、労働組合が目指すべき『賃金格差是正』要求だと思うのだが、春闘が始まったばかりだというのに正社員の賃下げを視野に入れるなど、経営者にエールを贈る以外のなにものでもないではないか」と指摘されている。わたしも基本的には同じ意見だ。
 高木会長の物言いは、団交での経営側の言い方そのものだ。わたしにも経験があるが、労使交渉で人員増、あるいは退職者の補充を要求する際などに、経営側は今では必ずと言っていいほど、こういう言い方をする。いわく「正社員での増員、補充はできない。派遣社員なら考慮の余地がある」「もし正社員で増員、補充しようとすれば、今、皆さんに支払っている給与は払えなくなる。賃下げするしかないが、それでも組合はいいというのか」。
 契約社員や派遣社員、パート、アルバイトなど非正規、不安定雇用の人たちと、正社員との間の格差の問題を労組が考えるとき「企業は利益をどう配分するのか」の問題意識が前提になければならないと思う。もちろん、企業の個々の経営事情は異なるので、必ずしも一般論というわけではないが、一定の利益を出しているのなら、それに応じて人件費の総枠を増やすべきだ。その中で、正社員も賃上げを獲得し、一方でそれ以上に非正社員の賃上げを図り、両社の格差を縮めていく道筋を取るべきだと思う。正社員を賃下げし、その分の人件費原資を非正社員の賃上げに当てるのでは、喜ぶのは経営者だ。人件費の総枠は変えずに済み、利益はまるごと企業のものになるからだ。百歩譲って、正社員が賃上げをある程度我慢することはありうるかもしれないが、賃下げは論外だと思う。
 もうひとつ、高木会長のインタビューでの発言で気になるのは、正社員が置かれている境遇への認識だ。労働市場の規制緩和が進み、安い非正社員労働力が増えて、それまで正社員が担っていた業務の非正社員への置き換えが進んだ。つまり正社員の側では人員削減が進んでいる。しかし、一定の判断や責任を伴う業務は正社員しか担えないから、正社員一人当たりの労働負荷は高まり、長時間過密労働が進んでいる。勤労者のうつ自殺の増加が社会問題になって久しいが、その背景にはこうした事情がある。
 格差の拡大阻止、格差の縮小を考えるならば、弱いもの同士が争わなければいけないやり方ではなく、弱いもの同士だからこそ、団結してともに待遇改善を求めていかなければならないと思う。

 例外は、企業の業績が赤字、あるいは思わしくないときだろうが、それなら多分、高木会長は「賃上げ」を前提にした物言いはしないだろう。
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by news-worker | 2006-02-05 16:08 | 労働組合  

「格差の拡大は許さない」~新聞労連の春闘方針

 新聞労連の春闘臨時大会は2日、執行部提案の春闘方針案を原案通り採択し、2日間の日程を無事に終えた。春闘方針のスローガンは「格差の拡大は許さない-生活といのち、権利と平和を守ろう」とした。
 ちょっと前のエントリー(ココココ)でも触れたが、年が明け、ここに来て世論も「格差社会」「格差拡大」に、じわりと反応してきていると感じる。今春闘で、わたしたち労働組合の訴えのやり方によっては、さらに大きなうねりを世論に、社会に作り出していけるのではないかと思っている。それは、再三書いてきたけれども既得権益を守ろうとする訴えではなく、働く者の権利を守ろうという訴えだ。新聞労連の春闘スローガンに「権利」の2文字を盛り込んだのは、その思いからだ。
 その権利とは、基本は労働組合それ自体だ。団結して、会社や経営者と対等の立場で交渉し、わたしたち自身の働き方をわたし自身も関与して決めていく、その権利だ。経営が思わしくないのなら、時に賃金ダウンも受け入れざるを得ない。しかし、それは本当に経営者たちがあらゆる努力を尽くした上でのことなのか。わたしたちは労働組合を武器に、そうした点にも目を光らせていかなければいけない。
 わたしたちは労働組合という権利を行使して生活を守り、いのちと健康を守っていくのだが、大事なのは、それは何のためか、ということだ。わたしは、それはひとえに「新聞」というわたしたちの仕事を守るためだ、と考えている。新聞の題字、新聞社の経営権は経営者たちの手にあるのかもしれない。しかし、記事も広告も含めて、その製作過程も含めて、日々新聞をつくり社会に送り出しているのは、ほかならぬわたしたち一人ひとりだ。そのわたしたちの生活が安定し、健康が守られてこそ、わたしたちは仕事を全うできる。新聞が社会に負っている責任を果たすことができる。そのことさえ、揺らぎがなければ、賃上げでも労働条件の向上でも、わたしたちの要求は正当なものになると思う。

 今春闘では初めて、新聞労連は賃上げの統一要求基準の設定を見送った。ベア断念ではない。いくらのベアを要求するかは、ひとつの数値指標を示すのではなく、それぞれの組合が自らの足元を点検し、それぞれの職場事情に応じて決定してほしいと思っている。
 代わりに、産業別労働組合としての新聞労連が力を入れなければならないのは、会社が経営難に陥り、組合員が低水準の賃金にあえいでいる、そういう労組への強力な支援だ。また、同じ新聞社内でも、正社員と契約社員や派遣社員との間には、大幅な待遇格差がある。そういった不安定雇用の人たちには多くの場合、加入できる労働組合がない。彼らとわたしたち正社員の労働組合がどう向き合っていくのかも大きな課題だ。それが、わたしたちの新聞産業で格差の拡大を許さない取り組みだ。今春闘では、そういった課題に全力で取り組みたい。

 臨時大会では最後に、印刷部門別会社化に反対している全下野新聞労働組合への全面支援の特別決議も採択された。既にたびたび報告してきているが、この闘争はまさに労働組合という権利をかけた闘いになっている。何としても負けられない。
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by news-worker | 2006-02-03 00:56 | 労働組合  

航空労組連絡会の皆さんに教わること

 8日は航空関係労組の懇談会、言ってみれば労働組合同士の新年会に出席した。航空産業では、最大手の日本航空の分裂労務政策が山崎豊子さんの小説「沈まぬ太陽」などで知られているが、労働組合運動は2つの潮流に分かれている。会社の経営方針に同調する組合と、そうではない組合だ。後者は「航空労組連絡会(航空連)」(HP)をつくっている。懇談会は、その航空連関係の集まりだった。新聞労連は航空連とここ数年来、憲法改悪反対や有事法制反対の運動で共闘している。
 ちなみに、「会社の経営方針に同調する組合」は「航空連合」(HP)をつくっているのだが、そう決め付け風に言うと、航空連合からは怒られるかもしれない。航空連合に参加している労働組合の方とは面識がないので、正直、「会社の経営方針に同調」と言ってしまっていいのかどうか分からないところもあるが、航空連合と航空連のそれぞれのホームページをご覧いただくと、労働組合あるいは労働運動に対する両者のスタンスの違いがよく分かると思う。

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by news-worker | 2006-01-09 01:14 | 労働組合