カテゴリ:労働組合( 38 )

 

年間出張103日

 昨年の新聞労連委員長就任からことし7月までの出張を数えたら、46回、のべ57泊103日だった。平均すると月に4回近く。確かに多い。よく「出張が多くて大変ですね」と言われるが、実はそれほど苦にならない。むしろ進んで外に出て、一人でも多くの組合員と話をすることが、委員長のもっとも大事な仕事だと思っている。
 書記局に閉じこもっていては、職場が見えなくなる。そうなると、ついつい古い教科書に頼ろうとしてしまう。自分が理解できないことを受け入れられなくなる。いっそう職場が見えなくなる。悪循環の始まりだ。
 今、必要なのはうんちくではなく具体的な行動だ。何をしなければならないか、その答えは職場にあると思っている。
[PR]

by news-worker | 2005-08-01 09:05 | 労働組合  

あと1年

 26、27の両日開かれた新聞労連の第106回定期大会で委員長に再任された。早いもので任期も折り返し点。これからの1年は、時間の流れをさらに早く感じるだろう。「少年老い易く学成りがたし」。そんな言葉が頭に浮かんだりする。
 これから1年の運動方針のメインスローガンは「新聞を守り平和と民主主義を守ろう」とした。労働組合は何のためにあるのか、とりわけ新聞産業の労組は。そのことを考え続けてきたわたしなりのキーワードが「新聞の強さ」「強い新聞」だ。どんな圧力、弾圧にも屈せず書くべきことを書き、伝えるべきことを伝える、そしてそのジャーナリズムが社会に確実に届くこと。それが新聞に求められる「強さ」だろう。
 その「強さ」を守るためにこそ、わたしたちは自らの生活を守り、いのちと健康を守らなければならない。なぜなら、新聞を発行しているのは「新聞社」という企業かもしれないが、日々、新聞をつくり、社会に届けているのはわたしたち一人ひとりだからだ。
 産業としての新聞の未来は厳しい。部数は増えず、広告も将来展望が持てない。その中で合理化、人減らしだけが進み、職場は疲弊している。経営者たちが守ろうとしているのは「新聞」ではなく「会社」ではないのか。そうした経営者たちへの対抗軸を打ち出さなければならない。そのキーワードが「強い新聞」「新聞の強さ」ではないかと考えている。
 あと1年。一歩でも二歩でも、前へ。
[PR]

by news-worker | 2005-07-27 19:44 | 労働組合  

労働運動と報道

 大阪でのJR脱線事故シンポでは、開会までの空き時間や終了後の交流会で、国労の方々とも色々と話ができた。印象に残ったのは、メディアの勉強不足だ。
 事故ではJR西日本の労務政策も焦点になっている。会社の利益追求方針に唯々諾々としていた労組側のスタンスも、事故の背景事情として取材・報道テーマになった。JR西日本社内には4つの労組がある。それぞれに歴史的経緯があるのだが、国労の方から聞かされたのは、取材者の側にその経緯の知識がまったくない、と思われるケースが多々あったという話だった。
 JR各社の労組分裂の状況は、旧国鉄時代にさかのぼる。分割民営化のひとつの目的は、JR新会社への再雇用を契機として、労使対決路線を取る国労などを弱体化させることにあったのは明白だ。いまだに解決していない国労組合員1040人余りの採用差別問題がその象徴だろう。しかし、その採用差別問題すら、メディアの取材現場では十分に理解されていないのが実情だろう。無理もないかもしれない。もう20年近く前のことなのだから。
 だが、そうした経緯の一つひとつを理解していないと、JR西日本がなぜ、極端な利益追求路線をひた走ったか、正確な理解もできないだろう。ことはJRだけの問題ではない。今のメディアの中で、「労働運動」「雇用」のニュースバリューはどんどん低下しているように思われてならない。記者の配置も、(新聞なら)紙面のスペースもだ。
 労働組合は憲法で保障された「権利」であり、一人ひとりでは弱い立場に置かれている労働者に、「団結」によって使用者と対等の立場を保障するものだ。今、自分自身が労働運動に身を置いていて、そのことをどれだけの記者(新聞であれテレビであれ)が理解できているかと、疑問にかられることがある。
[PR]

by news-worker | 2005-07-24 20:47 | 労働組合  

安住の後に来るもの

 7-8日と新聞労連九州地連の行事「サマーフェスタ」に参加して奄美大島に出張。8日は鹿児島経由で羽田、そのまま1泊2日で新聞労連関東地連の定期大会に出席するため、群馬県・伊香保温泉に。それぞれに加盟組合の皆さんと色々とお話ができて、充実した3日間だった(奄美名物の「鶏飯=ケイハンと読む」はとてもおいしかった)。
 奄美には、定年退職された九州各地のOBの方々も参加しており、労働組合運動の貴重な経験談や教訓を聞かせていただいた。そのうちのひとつ。「権利は勝ち取るもの。実際にわたしたちは、労働組合活動を通じて様々な権利を勝ち取ってきた。しかし、その後には、勝ち取った権利への安住がある。安住が続くと、その後に何が来るか。それが怖い」。新聞産業に限らず、今の労働組合のあり方の根幹にかかわる指摘だと思った。
 〝正社員〟という働き方の場合、入社すると当たり前のように組合があって、当たり前のように加入する。賃金も諸制度も当たり前のように整備されていて、それでもなお、わたしたちは「労働条件の向上が必要だ」とブーブー言っている。しかし、一方で同じ会社の中で働いていても、それ自体が働く者の正当な権利である「労働組合」に守られていない人たちがいることを、わたしたちはどれほど自覚できているだろうか。有期契約やアルバイト、パート、派遣など〝非正社員〟の人たちのことだ。
 正社員に伍して働いていても、賃金、労働条件は低劣なまま。わたしたちにとっては「当たり前」の労働組合がなく、作ろうとすれば、会社が何だかんだと理屈を付けて解雇してしまう。結局のところ、どんなに不満があっても「仕事があるだけマシ」として黙って従うしかない。
 そういう人たちが隣にいるのに、〝正社員である〟組合員の利益だけを議論していないか。労働組合があること自体を含めて、先輩たちが勝ち取ってきた権利への〝安住〟がないだろうか。
 かつては〝非正社員〟という働き方が一般的ではなかった。だから、労働組合は「正社員」で構成することを前提にしていた。労働組合が正社員で構成されなければならない必然性も、会社ごとに組織されなければならない必然性も、実はまったくない。
 「安住の後に何が来るか」。OBの話をうかがいながら、「直面するのはわたしたち自身だ」と思った。
[PR]

by news-worker | 2005-07-09 18:55 | 労働組合  

労働組合の役薦・役選

 まだ熱は引かないのだが、昨日は欠席するわけに行かない重要会議があったので、熱に浮かされた頭のまま、書記局に出勤した。
 重要会議とは、役薦がテーマ。「役薦=役員推薦」、場合によっては「役選=役員選考」のことで、平たく言えば労働組合の委員長や書記長など、役員の人事問題ということになる。
 新聞労連の専従役員は現在、委員長、書記長、副委員長が東京の書記局に1人ずつ、大阪に副委員長が1人の計4人態勢となっている。任期は在京組が2年、大阪は1年。これは、産別労働組合としてはかなり珍しいと思う。どこの産別でも委員長、書記長クラスは、企業籍を切ったいわゆる「プロ専」の活動家が5年、10年と務めることが多い。しかし、新聞労連は律義に、2年ごとに交代している。
 律義に2年ごとに交代、といっても、なかなか容易ではない。かつては委員長、書記長は在京の大手紙労組を中心にローテーションを組んだが、新聞社の合理化による組合員数の減少、職場の繁忙度の激化などから、今やどこの在京労組も、おいそれと職場に欠員が生じる専従者選出を引き受けるわけには行かなくなっている。地方紙労組からも、積極的な人材登用を求めなければ間に合わなくなっている。
 今や、新聞労連にとって役薦活動は年間を通じた重要活動のひとつになり、そこに割かれるエネルギーもバカにならないが、それでもメリットのひとつは、決して「ボス支配」の構造にはならないことだ。「プロ専」が長くポストを独占しているケースでは、そういうことも起こりうる。ものごとが決まるのはボスの一声。決して職場からの議論の積み重ねではない。新聞労連の良さのひとつは、決してそんな風にはならない、なりえないことだ。
[PR]

by news-worker | 2005-07-02 08:01 | 労働組合  

脱線転覆事故に思うこと

 尼崎市のJR脱線転覆事故には思うことが多い。中でもJR西日本の効率最優先の経営方針と、その方針に基づく人事労務政策、乗務員教育の在り方は、労働組合の存在意義ともあいまって、いろいろと考えさせられる。
 死亡した運転士は車掌乗務の時期も含めて2年の間にオーバーランその他で社内処分を3回受け、再教育を受けていた。JR西日本の再教育がいじめ同然の過酷なものであったことも労組などが明らかにしている。しかし、わたしがまず素朴に疑問に思う、あるいは不安を覚えるのは、短期間にミスを繰り返していた社員が、ラッシュ時間帯の快速電車を運転士として運転していたそのこと自体だ。
 現在までに判明している客観事実は、死亡した運転士が事故直前にオーバーランをやってしまい、現場付近では時速100キロ超のスピードを出していたとみられる、ということまでだ。事故原因の解明は終わっておらず、スピード超過とその後の急ブレーキが脱線を招いたのか、運転士が遅れを取り戻そうと焦っていたのかなども、現時点では推測の域を出ない。しかし、そういうことを抜きにしても、もし自分が乗客としてラッシュ時に乗っている電車の運転士がミスのリピーターだとしたら、やはり不安に思う。一人前の運転士とみなして乗務させるのなら、まず適正を見極め、初期教育から実践教育に至るまで十分に手間とヒマをかけ、実務に就いた後もベテラン運転士が適宜、同乗して技能の向上に努める、ぐらいのことがなされているだろうと、多くの乗客は思っているのではないか。わたしはそう思っていた。
 問題は、JR西日本の再教育の過酷さではなく、ミスのリピーターであることを承知の上で乗務させていたことだ。「絶対安全運行」のためには、運転士の習熟にどれだけの時間と労力が必要か、あるいは運転士の絶対数はどれだけ必要か、といったような発想が果たしてJR西日本の経営陣にあったのかどうか、そのことを疑問に思う。要は「安全のためにこそ『社員=人』を大事に育てる」という発想があるかどうかだ。その意味で、死亡した運転士がかわいそうでならない。
 ダイヤの過密化なども報道では指摘されているが、暴論を承知で言えば「人」は「慣れる」生き物だ。十分に経験を積んでいけば技量は上がる。多少の過密ダイヤでも、運転をこなすことは可能だ。だからダイヤ編成自体は本質的な問題ではない。過密ダイヤを組むときに、運転士の技能の習熟という人間的な要素が加味されていたかどうかが問われるべきだ。
 経営陣にも言い分はあるだろう。私鉄との競争に打ち勝ちつつ、利益を確保しなければならないのが至上の課題だからだ。想い起こせば、そのためにこそ、旧国鉄は分割され民営化されたのだった。
 その昔、旧国鉄時代に「順法闘争」という労組の闘争戦術があったことを思い出す。例えば電車の運転士が発車の際、安全確認を念には念を入れて繰り返す。制限速度もきっちりと守って走らせる。ラッシュ時には当然、遅れが出る。しかし、安全第一というわけで、ストと並ぶ有効な戦術だったと記憶している。直接的には「要求獲得」の手段であり、利用客には迷惑なことだったかもしれないが、そうしたやり方で労働組合が現場から「安全」をアピールできた時代だったとも言える。
 経済効率最優先の元では、モノを言う労働組合はじゃまでしかない。国鉄の分割民営に伴い現場の労働組合も再編され、JR各社への採用をめぐっては、経営側に協調的な組合とそうでない組合の間に露骨な組合間差別が行われた。以後、JR各社の中で、「安全」に対する現場の良心がどこまで守られていただろうか。そのことがめぐりめぐって今日、このような事故が起きる一因になったと思えてならない。今になって労組が会社の非人間的な労務管理を批判しても遅い。
 競争に勝ち、利益を確保するためには安全面でも多少のことには目をつぶったまま突っ走る経営陣。それをとめるのは労働組合の役割のはずだ。「絶対安全」の確保に必要な人員を要求する、常にベストの状態で乗務できるよう労働条件の改善を要求する。それらの要求を実現させるためにあらゆる努力をする。それは現場をいちばんよく知っているプロフェッショナルとしての職業倫理であり、社会的責任でもあるはずだ。現場の一人ひとりは組織の中では弱い立場にある。だから労働組合が必要だ。労働組合はあっても、経営者に迎合するだけで現場の良心を汲み取ることができないのでは、それは労働組合ではない。そのことは強調したい。自戒を込めて。
[PR]

by news-worker | 2005-05-04 00:22 | 労働組合  

メーデー

 5月1日は“労働者の祭典”メーデー。東京・代々木公園の全労連系中央集会に参加した。
 会場にはシートが敷かれ、あちこちで職場のグループが弁当やビールを広げる。子供連れの人も多く、組合の赤い旗やのぼりが林立していなければ、花見かピクニックか、という雰囲気だ。そうした中の式典で舞台に上った全労連議長や共産党委員長のあいさつは、内容自体は悪くはなく、力もこもっているのだが、どうにも会場の雰囲気とチグハグ。いったい何割がまじめに聞いていたやら。c0070855_1136687.jpg
 さて、恵比寿までデモの後は、参加者とビアホールで交流会。久しぶりに顔を合わせた旧知の組合員もいて話は尽きなかった。新聞労連の書記によると、ふだんは忙しかったりしてなかなか労連に顔を出さない組合も、メーデーにはよく集まってくるという。数少ないせっかくの機会。来年は、交流会にも趣向を凝らすか、と書記と相談。
[PR]

by news-worker | 2005-05-02 07:33 | 労働組合  

エイプリルフール

ちょっと古い話題だが、新聞労連もエイプリルフールをやった。組合員向けのメールマガジン「番外編」に配信した。われながらうまくできたと気に入っているのだが、いかがですか。

§イラク駐留各国軍に労組結成の動き
   「有志連合労連」構想に発展か

 イラクに駐留する米英など各国軍部隊の間に、労働組合結成の動きが高まっていることが4月1日、明らかになった。著名なフリージャーナリストのダイ・ライヤー記者が信頼できる軍事筋情報として伝えている。それによると、労組結成にもっとも熱意を持っているのは米軍の兵士たちで、イラク戦争とその後の占領に根本的な疑問を持ち、「早期の占領終結」と「自分たちの早期帰国」「米軍の解体・国際救助隊への転換」を当面の重点要求3項目として掲げる方向とされる。英軍や豪州軍、韓国軍にも既にオルグが始まっているもようで、「有志連合労連」構想も浮上するとみられる。南部サマワの自衛隊派遣部隊は宿営地に閉じこもっているため、この動きに呼応するかどうか不明とされる。

 美浦克教・新聞労連委員長の話 事実とすれば画期的なことだ。自衛隊や警察など権力組織に働く者こそ「個人」が尊重されなければならない。一人ひとりは弱い立場でも、団結して大きな力にしていくのが労働組合だ。どこの国の部隊であれ、支援要請があれば新聞労連としても全面的に協力していきたい。
[PR]

by news-worker | 2005-04-07 11:44 | 労働組合