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宮古毎日労組が初の団体交渉

 5月26日からの沖縄出張を終え、先ほど帰宅した。
 宮古島で日刊紙約1万6千部を発行している宮古毎日新聞社の従業員が労働組合を結成したことは、以前のエントリーで紹介した。きのう(5月30日)、初の団体交渉が開かれ、新聞労連からわたし、沖縄県マスコミ労組協議会から2人の計3人も、宮古毎日労組の上部団体としての立場で出席した。宮古毎日労組は委員長、副委員長、書記長の3人。会社側は社長ら役員3人が出席した。
団交は予定時間を大幅に上回って2時間以上に及んだ。要求への回答という観点から見るなら、初団交の成果は満足のいくレベルのものではなかったかもしれない。組合は結成通告と同時に大きく分けて6項目の要求書も会社に提出していたが、回答の大半は「検討中」「考えさせてくれ」だった。しかし、社長はいくつか、重要なことを口にした。

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by news-worker | 2006-05-31 22:18 | 宮古毎日新聞労組の挑戦  

「著作物再販、特殊指定は必要。でも今の新聞を残すかどうかは別の問題」~新聞労連販売集会

 もう1週間前のことになってしまったが、新聞労連は5月23、24の両日、東京で販売問題中央集会を開催した。メインテーマは公取委が進めている「新聞特殊指定」の見直し問題だが、特殊指定の存続をただ訴えるだけではなく、特殊指定問題と表裏一体の販売正常化の実現に向けて、新聞労連として意思統一を図る場にするために「特殊指定維持集会」ではなく「販売問題中央集会」とした。
 基調報告では、新聞販売会社の労組委員長である「今だけ委員長」さんに、新聞産業の労働組合は何をなすべきかの問題提起も含めて、販売問題の実情を報告してもらった。「今だけ委員長」さんがご自分のブログにエントリーを立てておられるので、そちらも参照されたい。

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by news-worker | 2006-05-29 17:01 | メディア  

〝平時の有事化〟が始まっている

 ホテルの部屋で前回のエントリーを書いた後、朝食を取って新聞を読んでいたら「政府が周辺事態法の改正へ」の記事が沖縄タイムスと琉球新報に。共同通信の配信記事
(引用開始)
自治体の協力を義務化 周辺事態法改正を検討
2006年 5月28日 (日) 02:00
 政府は27日までに、朝鮮半島はじめ日本周辺で武力紛争などの「周辺事態」が発生した際、空港や港湾の提供など国への協力を地方自治体に義務付ける周辺事態法改正の検討に入った。在日米軍再編が最終合意されたのを受け、日本が直接攻撃される日本有事の場合と同様に自治体の協力を「責務」とし、米軍への支援をより円滑化することが目的。ただ自治体側の反発は必至で法改正は難航が予想される。
(引用終わり)

 在日米軍再編は沖縄だけの問題でなければ、米軍だけの問題でもない。憲法改悪、9条改憲を待たずして、日米の軍事一体化は、日本の社会を戦争社会に回帰させることを意味する。その動きが具体的に始まろうとしていることを示している。自治体と政府の関係は大きく変容する。自治体は政府に逆らえなくなる。政府は自治体の意向に縛られなくなる。そういう意味でも、今、在日米軍再編をめぐって沖縄で起きていることが、日本全体に拡大する。
 これが「格差社会」化と「監視社会」化とともに、日本社会で進んでいる「戦争社会」化だ。周辺事態法が想定しているのは、日本が武力攻撃を受けるケースではない。地理的に限定されているわけでもない。世界中のどこであってもいい。要は米国が起こした戦争に、日本が全面支援できるようにしたい、ということだ。〝周辺〟とは日米一体の軍事的利害関係の周辺、という意味だ。これは日本の市民生活から見れば、〝平時の有事化〟にほかならない。
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by news-worker | 2006-05-28 13:19 | 平和・憲法  

沖縄の人々の怒りを共有する

 26日から沖縄に来ている。那覇市で新聞労連の青年女性部学習集会に参加し、きのう(27日)、宮古島に入った。3週間続けて週末は沖縄で過ごしている。沖縄は梅雨で、宮古島でも今、雨が降っている。天気予報ではきょう一日、雨が続く。宮古毎日労組の初団交を挟んで、31日まで滞在する予定だ。

 26日は「太平洋・島サミット」に参加する小泉首相も沖縄入りした。「沖縄の負担軽減」を強調しているものの、内実は「沖縄の恒久要塞化」にほかならない在日米軍再編の最終報告が公表されて間もない。いったいどの顔を下げて来たのか、と思う。
 米軍普天間飛行場の辺野古沿岸部移設をめぐっては、沿岸案反対を公約に掲げていた島袋・名護市長がいち早く受け入れに〝転向〟、外堀を埋められた稲嶺恵一・県知事も「政府案を基本とする」ことを認め、事実上、容認した。基地の県外移設を求める県内世論を一顧だにせず、政府はひたすら日米の軍事一体化に突き進む。日本全体が〝オキナワ化〟することでもあるのに、沖縄に比べ県外の世論はあまりにも鈍いことを感じる。

 小泉首相の沖縄入り前日の25日夜、これに抗議する市民団体や労組の緊急集会、デモが開かれ、激しい雨にもかかわらず1200人が参加したことを沖縄タイムス、琉球新報とも、26日付け朝刊の社会面で大きく伝えていた。沖縄の地元紙や放送局の労組でつくる「沖縄県マスコミ労組協議会(マスコミ労協)」も、集会とデモに参加した。
 5月14日に平和行進に参加した(過去エントリー)際にも、沿道では多くの人が行進団に手を振ってくれた。移動のタクシーの中でも、ある女性の運転手さんは「難しいことは分からないけど、どうしてこうなってしまうのかと思う。まったく納得できない」と話していた。決して爆発的ではないかもしれないが、沖縄の人々の怒りは高まっていることを来るたびに感じる。

 全国から70人近くが参加した新聞労連の26日の集会では、25歳のときに沖縄戦を体験し、家族・親族11人を失った安里要江さんを迎え、体験談を聞いた。その体験は、「沖縄戦 ある母の記録」(高文研)として一冊の本にもまとめられている。若い組合員たちはみな、涙とともに安里さんの話を聞いた。
 「わたしは沖縄戦で生かされた。わたしにとって、沖縄戦を語り継ぐことは、生きている限り続けなければいけない務め、生かされた者の務めです」という安里さんは「沖縄は日本に復帰したけれども、基地がある限り、本当に復帰したとは言えない。それどころか、さらに新しい基地ができようとしている」と激しい口調で怒りを口にした。そして「皆さんは新聞という本当に大事な仕事をされている。わたしみたいな者のつたない話を、皆さんに聞いてもらうのは失礼かもしれないと思った。でも皆さんの仕事は本当に大事な仕事。基地をなくし、二度と戦争をしない、世界中から戦争をなくすために大事な仕事。だからわたしの話を聞いてもらおうと思って、きょうは来ました」と話した。この言葉を胸に刻んでおきたい。
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by news-worker | 2006-05-28 08:34 | 平和・憲法~沖縄  

下野新聞の印刷別会社でも労組結成

 このブログでは、栃木県の地方紙「下野新聞」の印刷部門別会社化・社員転籍をめぐる全下野新聞労組の争議を報告してきた(初めての方には「全下野新聞労組の闘争」カテゴリーの過去エントリーをご覧いただきたい)。最終的に栃木県労働委員会のあっせんを経て、全下野労組は会社の計画を受け入れ4月に争議状態は終結、4月中旬に新印刷会社「下野新聞印刷センター」が設立され、新工場が稼働している。その新印刷会社にきょう(25日)、新しい労働組合「下野新聞印刷センター労働組合」が発足した。
 会社計画の受け入れと同時に、全下野新聞労組は争議総括と並行して、苦い経験を教訓として生かすために、新会社での労働組合組織化に取り組んできた。下野新聞社を退職して新会社に転籍した組合員5人が中核になり、新会社採用の従業員らに組合結成を働きかけてきた。その努力が新会社発足からわずか1カ月で実を結び、役員、管理職をのぞく対象者の大半を組織化した。
 きょうの午後、新工場がある栃木県鹿沼市で開かれた新組合の結成大会にわたしも出席した。あいさつでは「新聞は多くの人の手でつくられ、読者に届けられている。仮に会社は別になっても、皆さんも『新聞をつくって読者に届ける』仕事をしている。わたしたちと同じ立場だ。その皆さんが、労働組合という共通の権利を手にしたことの意義は大きい。いい新聞を読者に届けるために、労働組合という権利を正当に行使し、労働条件の向上を目指してともにがんばろう」という趣旨の話をした。わがことのように嬉しかった。

 「結果を出せずに争議は終わるが、それで終わりではない」。ことし2月、全下野労組が会社計画を受け入れるほかないとの判断に至ったときのことを思い出し、そしてきょうの新組合結成を目の当たりにして、正直、胸が熱くなった。2月には全下野労組の方々と「この争議にどんな意味があったのかは、5年後、10年後に下野新聞がどんな新聞になっているかで定まる」と話していた。負け惜しみではない。5年後、10年後のための第一歩が、きょうの新組合の結成だと思う。短期間で立ち上げにこぎつけた5人の転籍者の方々、彼らを支えた全下野労組の方々に敬意を表したい。

 新組合は規約に、正社員だけでなく嘱託者やアルバイトにも組合員資格があることを明記している。同じように新聞の仕事に携わっている者同士が、雇用形態にかかわらず団結する、団結できる。そのことによって、労働組合という〝権利〟はいよいよ輝く。あの長く苦しい争議があったからこそ到達できた先進性だ。
 「職場をよくしたい、いい新聞を出したい」という要求の切実さで団結した宮古毎日新聞労組と共通の先進性だと思う。
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by news-worker | 2006-05-25 22:48 | 全下野新聞労組の闘争  

「共謀」の概念は既に拡大解釈が行われている~東京新聞記事

 先週の強行採決見送り以来、動きが止まっているように見える共謀罪新設関連法案。そんな中でも、東京新聞は24日付けの朝刊特報面で、「『共謀』の概念 既に拡大」との見出しで、重要な視点を指摘している。取材に答えているのは、元東京地検公安部検事で、一連のオウム真理教の事件捜査を担当した経験を持つ落合洋司弁護士。
(一部引用開始)
 共謀罪と似た法律用語に「共謀共同正犯」がある。犯罪を謀議した仲間の誰かが実行行為に踏み切れば、他の仲間は実行しなくても共犯になるものだが、落合氏は、捜査・裁判実務で共謀共同正犯の拡大解釈が進んでいると指摘する。
 暴力団組長が泊まったホテルのロビーに拳銃を携帯していた組員がいた。組員は銃刀法違反罪、組長も同罪の共謀共同正犯に問われ、昨年末、最高裁で組長も有罪とされた。「共謀」の事実が詳細に証明されないまま共謀共同正犯が認定されたため「常識を打ち破った判決」と、法曹関係者に波紋を広げている。
 「共謀罪」の共謀と「共謀共同正犯」の共謀が同一概念であることは政府も認めている。法務省は「目くばせでも共謀が成立する」と国会答弁したが、現実は、もっと先を行っている。
 「共謀罪は共謀だけで成立するから、ある意味、怖いことだ」と落合氏。「相手が暴力団だから、いいじゃないか」と思うか、「明日はわが身。拡大解釈は危険」と感じるかは国民しだいだが、落合氏は言う。「日本では起訴されなくても逮捕、家宅捜索されるだけで大打撃だ。共謀罪には、起訴に持ち込めない相手を社会的に葬る手段として、十分過ぎる力がある」
(引用終わり)

 以前のエントリーで指摘したが、組織犯罪処罰法では、たった2人の間でも〝組織犯罪〟として起訴された西村真悟衆院議員の前例がある。もう少し拡大解釈が進めば、親子や兄弟でも〝犯罪組織〟として立件されかねない。
 共謀共同正犯にせよ、組織犯罪の概念にせよ、こうした前例が出ていることに対して、メディアはきちんと検証してこなかった。それは、今のメディアがあまりにも「落としどころ報道」に片寄っているからだと思う。今からでも遅くはない。共謀罪が国民的な関心事に高まってきた今こそ、新聞や放送メディアは今日の東京新聞記事のように、今、社会で起きていることを掘り下げ、その意味を指摘する報道を始めるべきだ。
 
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by news-worker | 2006-05-25 00:18 | 平和・憲法~共謀罪  

早くも成果~宮古毎日新聞労組

 前回のエントリーで紹介した沖縄・宮古島の宮古毎日新聞労組は、完全に社長を圧倒し、早くも要求実現の成果を挙げつつある。毎週金曜日、勤務時間外の早朝に開かれていた(つまり無給だった)ミーティングの時間変更を会社側が提案してきた。
 同労組の結成は、島内で意義のあるニュースとして受け止められている。官公庁や島外資本の民間企業にはいくつか労組があったが、純然たる島内企業に労組が結成されたのは初めてであり、島内の社会経済に大きなインパクトを与えているようだ。
 沖縄タイムス、琉球新報の県紙2紙、地元ケーブルテレビなどが相次いで報道したのに続き、宮古毎日新聞も23日付けの紙面に写真入りで記事を掲載。同社のホームページにも掲載されている。

 宮古毎日新聞HPトップ
 従業員が労働組合結成/宮古の報道機関では初 宮古毎日新聞
 
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by news-worker | 2006-05-24 14:09 | 宮古毎日新聞労組の挑戦  

委員長は契約社員~沖縄・宮古島の地域紙で労組結成

 沖縄県には「県紙」と呼ばれる沖縄タイムス、琉球新報の2紙のほかに、離島で発行されている新聞がいくつかある。そのうちの一つ、宮古島で「宮古毎日新聞」を発行する宮古毎日新聞社の従業員らが21日、労働組合を結成した。わたしも20日に宮古島市に入り、結成大会に出席。きょう22日朝には社長への労組結成通告に同行した。新組合は新聞労連、および新聞労連沖縄地連、沖縄県マスコミ労組協議会(沖縄県内の新聞、放送の労組8者で構成)への加盟を決めている。新聞労連では86番目の加盟組合になる。
 宮古毎日新聞は1955年に創刊。朝刊単独紙で12ページ、約1万6000部を発行している。地域に根ざした地元ニュースに強い。全国ニュースは時事通信の配信を受けている。
 宮古毎日労組は離島の新聞に誕生した労働組合という意味で朗報だが、それ以上に組織方針が極めて画期的、先進的だ。正社員だけでなく契約社員、パート社員のいわゆる非正社員、関連会社のパート社員をも最初から組合員としている。企業別労組としてはまだ圧倒的に少数派だ。正社員と、雇用が不安定な非正社員の〝格差〟をいかに縮め解消するかが労働運動の大きな課題になっている今、宮古毎日労組が最初から「正社員であろうが契約社員、パート社員であろうが、みな同じ職場で働く仲間」との意識を共有して活動をスタートしたことは、大きな意義を持っていると思う。
 もう一点、宮古毎日労組は、役員以外の全従業員を組織対象にしている点も画期的だ。局長も部長も組合員としている。少なくとも新聞労連の加盟組合の中では、初めてのケースではないかと思う。
 実際に、委員長は契約社員の30代前半の記者、書記長は編集局次長兼報道部長の肩書きを持つ記者である。

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by news-worker | 2006-05-23 01:21 | 宮古毎日新聞労組の挑戦  

宮古島に滞在中

きのうから沖縄・宮古島に来ている。軍事利用化が取り沙汰されている下地島空港も見て来た。
ネット環境が周りにないので、詳しい報告は帰京後に。
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by news-worker | 2006-05-21 16:50 | 身辺雑事  

共謀罪の採決回避は首相判断?~朝日新聞記事から

 共謀罪をめぐりきのう(19日)、衆院法務委員会の採決が土壇場で見送られた舞台裏の経緯を、朝日新聞が20日付朝刊の1面トップ記事として掲載している。
 同紙のサイトに見当たらないので、一部引用すると、見出しは「共謀罪法案 成立は困難」「議長仲裁 背後に首相の指示」「強行回避『鶴の一声』」。
(引用開始)
 自民、公明の与党は19日、「共謀罪」創設を含む組織的犯罪処罰法改正案の衆院法務委員会での採決を先送りした。国会が空転し、審議停滞を懸念する小泉首相の意向を受けた自民党側が河野洋平衆院議長と調整。議長の要請を受け入れる形をとったものだが、大幅な会期延長がない限り、同法案の今国会中の成立は困難な情勢となった。
 与党と民主党は再び修正協議に入る構えだが、共謀罪が適用される対象犯罪などで隔たりは大きく、政府・与党側では「もはや歩み寄る余地はない」という見方が体勢。首相は会期延長には依然、否定的だ。議長を巻き込んだ収拾策をとったことで与党は採決を強行しにくくなり会期内成立の見通しは立たなくなった。
(引用終わり)

 この後、記事は、強行採決断念の背後に首相の「鶴の一声」があり、19日午前中には、自民党の細田博之国対委員長が「きょうの採決はしない」と公明党に伝えていたこと、自民党側から仲裁役を求められた河野議長は乗り気ではなかったことなどを指摘している。
 政治面では、政局の解説記事を掲載。それをあわせ読むと、今国会の終盤戦で自民党は、首相の関心が高い医療制度改革関連法案と行政改革推進法案の成立に全力を挙げ、国会審議の停滞を招くような事態は避けたい、という判断に傾いたと指摘している。

 ゴールデン・ウイークに入るまでは、一般の関心が低かった共謀罪が、ここにきて巨大与党の国会対策に大きな比重を占めるに至ったのは、まさに世論の高まりがあったからだろう。
 しかし、バーター取引、「こっちは譲るから、あれを通せ」は国対政治の常だった。共謀罪の代わりに民主党が何かを、例えば教育基本法改悪を水面下で譲歩しているのだとしたら、喜んでばかりもいられない。
 今まで共謀罪の報道には腰が引けていたように見える朝日新聞のきょうの記事は、典型的な“後出し落としどころ報道”ではあるけれども、引き続き、精力的な政治報道をお願いしたい。
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by news-worker | 2006-05-20 08:49 | 平和・憲法~共謀罪