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共謀罪採決また見送り、衆院議長も世論を重視【速報】

 共謀罪の新設関連法案を審議している衆院法務委員会のきょう(19日)の審議は、午後3時すぎ、散会した。報道によると、「河野洋平衆院議長は19日午後、自民党の細田博之、公明党の東順治両国対委員長と会談し、共謀罪について『マスコミの大関心事で、私も事態を心配している』と述べ、慎重な対応を求めた」(中国新聞=共同)ことも一因らしい。
 前日から与党は強行採決の構えを今までになく強く示していた。その中のギリギリの状況での採決見送りは、大きな意味を持つ。世論の力だと思う。
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by news-worker | 2006-05-19 15:43 | 平和・憲法~共謀罪  

きょう? しかし、それで終わりではない

 共謀罪新設をめぐる国会情勢はいよいよ緊迫してきた。朝日新聞のけさ(19日)の朝刊は1面準トップで「共謀罪法案きょう採決」「衆院委与党方針 民主は徹底抗戦」の見出し。
(引用開始)
共謀罪創設法案、19日採決へ
2006年05月18日23時47分
 犯罪の企てを話し合ったとみなされただけで罰せられる「共謀罪」を創設する法案をめぐり、衆院法務委員会の理事会が18日開かれ、石原伸晃委員長は19日午後に委員会を開くことを職権で決めた。与党側は「法案の審議は十分尽くした」としており、19日に採決する方針だ。民主党との修正協議を同日昼まで続け、不調に終われば、4月末の与党修正案を取り下げた上で、与党単独で「再修正案」を提案するという。与党が強行採決に踏み切れば、民主党は19日以降、すべての国会審議を拒否する方針だ。
 与党が18日公表した「再修正案」では、共謀罪の対象となる「組織的犯罪集団」を「共同の目的が5年以上の懲役・禁固となる罪を実行することにある団体」と定義。「共同の目的」とは「団体の結合関係の基礎になっているもの」としている。当初の与党修正案では「4年以上」とされており、適用対象を絞るべきだとする民主党の意見に配慮した形だ。
(引用終わり)

 衆院予算委に所属する保坂展人議員のブログ「どこどこ日記」は、18日の法務委員会の理事会のもようを次のように報告している。
教育基本法特別委員会の開催は見送られたが、次に法務委員会理事会は異様な空気に包まれて始まった。「民主党との修正協議は続けているが、その協議が実っても実らなくても、明日の委員会日程を立てたい」と強硬な提案が与党側からあった。昨日の厚生労働委員会での強行採決を受けて、今後の日程協議には応じられないという野党の立場だが、与党側は明日の朝、9時20分理事会・9時30分委員会で2時間審議で質疑終局・採決を提案した。「明日の委員会の内容の協議は出来ない。質疑終局・採決などもっての他だ」と反発。平行線のまま、いったん休憩となった。このままだと、与党単独で法案を修正の上、採決に突入する危険性が高まってきた。

追記 まことに不安定な状況となった。6時半から始まった法務理事会では、自民ー民主の国対間のやりとりを相互に確認し、日程協議には応じられないという野党側に委員長が職権で11時理事会、13時委員会を立てた。明日の朝にならないと何とも言えない事態だが危険性は先刻書いたとおりだ。

 けさ、新聞労連加盟の全組合に、再度、共謀罪新設関連法案の廃案を求める要請文、抗議文を衆院予算委メンバー、法務省などにファクスやメールで集中送信するよう呼びかけた。先週末に続き2度目の呼びかけだ。
 以前のエントリーでも書いたが、仮にきょう、衆院法務委で強行可決されたとしても、それで終わりではない。それでももし共謀罪が成立してしまったら?→適用を許さない。適用されてしまったら?→有罪にさせない。有罪になったら?→最高裁まで争って確定させない。どんなに状況が悪くなっても、決してあきらめない。あきらめたら本当に終わりだ。
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by news-worker | 2006-05-19 11:35 | 平和・憲法~共謀罪  

たった2人で「犯罪組織」の前例が既にある

 ヤメ蚊さんのブログ「情報流通促進計画byヤメ記者弁護士」によると、共謀罪をめぐって民主党が17日、さらに適用される団体の範囲を限定する再修正案を発表した。ポイントは「共謀罪が適用される団体を,『構成員の継続的な結合関係の基礎となっている根本の目的が罪を実行することにある団体』と定義したもので,普通の意味での『組織的犯罪集団』に近いものになってきた」(上記エントリーから引用)という点。思い起こすのは、西村真悟・元衆院議員・衆院議員(民主党除籍)の非弁(非弁護士)活動の立件だ。
 この事件では以前のエントリー(「西村議員の再逮捕の意味」)でも問題点を指摘したが、西村氏の弁護士資格を借用して、弁護士以外にやってはいけない弁護士活動をモグリでやっていた男の共犯として、西村氏は当初、弁護士法違反容疑で逮捕された。ここまではいいのだが、その後に何と組織犯罪処罰法違反容疑で再逮捕、追起訴されている。そう、共謀罪が新設されようとしているのは、まさにこの「組織犯罪処罰法」だ。
 非弁活動をやっていた男と、この男に弁護士名義を貸して謝礼をもらっていた西村氏。この2人の関係が「犯罪組織」と認定されてしまっている。たった2人きりの共犯関係で、既に「犯罪組織」とみなして立件した前例が出ている。政治家としてはわたしは西村氏の信条その他はまったく支持できないが、ことこの事件のこの追起訴に限っては、何としても無罪を主張し、無罪を勝ち取ってほしいと思う。

 強行採決をさせないための戦術として、修正案を次々に繰り出して対抗することは必要だ。しかし、本質的には共謀罪は新設させてはならない。日本の刑法体系の根本を変えてしまう。いったん新設されれば、一人歩きをはじめ、やがて恣意的に運用できる余地が広がっていく。観念論ではない。わずか60余年前に、日本社会はその過ちを治安維持法で経験している。

 東京新聞が共謀罪の記事を書き続けている。18日付け朝刊には、「刑減免より犯罪組織が怖い共謀罪 刑事が反対する理由」との興味深い記事を見開きで掲載。捜査現場を知り尽くした元捜査員らは、共謀罪の効用を疑問視しているというルポだ。切り口はいくらでもある、という好例の記事だと思う。
 相手が国際犯罪組織であれ、処罰・取締りの本質的な問題は、捜査能力だ。捜査の能力、力量を高め、現行法体系で既遂犯をどしどし検挙できるようにすることが基本のはずだ。能力が足りないから、要件のハードルを下げた新しい法律を、というのは本末転倒でしかない。

 参加できなかったが、17日夜に都内で開催された超党派の反対集会には500人が参加し、立ち見が出たという。世論は高まっている。踏ん張りところが続く。報道は、この世論に応えなければならない。

追記(5月18日)
 西村真悟氏は民主党を除籍になったものの、今日現在、衆院議員を務めている。関係部分を訂正しました。
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by news-worker | 2006-05-18 09:28 | 平和・憲法~共謀罪  

民団と朝鮮総連が和解したことの重み

 「民団(在日本大韓民国民団)」と「朝鮮総連(在日本朝鮮人総連合会)」のトップ同士が17日、初めて会談した。共同声明は「民族的団結と統一に向かう流れに沿って、両団体間で長い間続いてきた反目と対立を、和解と和合に確固として転換させることを確認した」(朝日新聞17日付夕刊に掲載の「声明の要旨」より)と宣言している。まさに歴史的な出来事と言っていい。
 60年以上にわたって民族分断が続いている朝鮮半島は、2000年の韓国・金大中前大統領の訪朝以後、融和が進んでいる。昨年8月、MIC(日本マスコミ文化情報労組会議)とNUM(韓国言論労組)がソウルで共催したシンポジウムを思い出す。「南北はここに至って武力統一指向を捨てている。経済力のある韓国が北朝鮮を支援し、北朝鮮に体力が付くのを待って、緩やかな連邦制を組むやり方でもいい。歴史上、武力による統一は次の武力衝突を生み出している。例えば秀吉の朝鮮出兵のように。今、そこにいる相手を敵として排除するのではなく、同胞として融和に向かうことが大事だ」。韓国側の報告の大筋は、そういうことだった。
 一昨年秋にソウルを訪問した際にも、NUMの委員長は言っていた。「恐らく、日本から見れば、南北は北朝鮮の核開発疑惑で緊張しているように見えるかもしれない。しかし、実態は、今までにないくらいうまくいっている」と。
 朝鮮半島の南北分断を機に始まった民団と朝鮮総連の対立も、朝鮮半島での融和が進んだことで和解と和合に至った。在日も3世、4世の時代になって、祖父母、父母たちの〝南北意識〟から離れ、自らを「在日コリアン」と呼ぶなど、新しい流れはもう少し前から出てきていた。
 同じ民族が単一の共同体に向かうのは、世界史的に当然の流れだろう。分断の60年余こそ、イレギュラーな時間だったと思う。
 分断は、それ以前に日本が朝鮮半島を植民地支配していたからこそ生じた。その意味で、分断の60年余の時間は、日本にとって決して他人事ではない、日本と日本人も共有しなければならない現代史であるはずだ。そして、南北の平和的統一を目指し、さらには北東アジアの安定的な共存関係を築きあげる上で、日本は大きな責任を負っているはずだ。
 なのに日本は今、拉致問題がネックとなって北朝鮮との国交回復を進めることができない。北朝鮮がミサイルを日本に向けている、との政治宣伝にも等しい言説が世論の不安をあおり、それに乗じて日米の軍事一体化が進む。韓国との間も、サッカーW杯の共催や「冬のソナタ」以降の韓流ブームによって民間交流が高まっている一方で、小泉首相の靖国参拝、「つくる会」教科書の検定通過と採択キャンペーンなどによって、政府間の関係は冷え切っている。
 考えてもみてほしい。友好をつなごうと思っている相手に、一体だれがミサイルを発射させるだろうか。確かに北朝鮮はひどい独裁国家かもしれないが、しかし武力で体制を変革しようとしても失敗することは、イラクで証明済みだ。
 今は、日本も南北の平和的統一に向けて何ができるかを考え、行動していかなければならない時期のはずだと思う。今の韓国と融合するのは、今の北朝鮮しか考えられない。日本も南北統一にどう支援するかを通じて、拉致問題の解決もまた図っていく。それしかないと思う。

*参考(関連する過去のエントリー)
「長崎での日韓交流」
「ソウルの8月15日」
「日韓言論シンポ」

 
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by news-worker | 2006-05-18 00:37 | 平和・憲法~アジア  

共謀罪の16日の強行採決はなし~「ブログ・デモクラシー」も世論の高まりに一役か

 きょう(16日)も夕方まで、共謀罪をめぐってジリジリする思いで過ごしたが、衆院法務委員会での強行採決はなかった。社民党の保坂展人議員のブログによると、次は19日(金)に委員会が開かれるという。
 気が抜けない日が続くが、とにもかくにも、数をたのんだ与党の強行採決はここまで防いできている。それは世論の力だろう。ゴールデンウイーク明け後の世論の高まりが与党をして慎重姿勢に転じさせ、マスメディアをして報道頻度を高めさせた。世論の高まりを最初に実現させたものは何だろうか。ちゃんとした検証が必要だと思うが、そのうちの一つに、わたしはブログを挙げることができる気がしている。少なくとも、新聞よりはブロガーたちの反応の方が早かったことは間違いがない。
 「ブログ・ジャーナリズム」よりも先に、ブログを介した社会運動の方が実現しつつあるのかもしれない。「ブログ・デモクラシー」とでも呼べようか。
 以前のエントリーでも触れたが、それにしても法務省ホームページの慌てぶりはどうだろうか。
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by news-worker | 2006-05-17 01:31 | 平和・憲法~共謀罪  

「基地の負担減らない」が66%

 16日付けの朝日新聞朝刊に、沖縄タイムスとの合同世論調査が掲載されている(朝日新聞サイト)。在日米軍再編の日米合意で、沖縄の基地負担は「減らない」とみている県民が66%に上り一方、「減る」と考えている県民は30%にとどまった、との内容。普天間飛行場移設の辺野古沿岸案について、稲嶺恵一知事が「基本とする」と事実上、容認したことも、「評価しない」とする県民は46%に上った。
 沖縄の民意は明らか、というべきだろう。
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by news-worker | 2006-05-16 09:13 | 平和・憲法~沖縄  

沖縄で歩き考えた「戦争と平和」

c0070855_1185118.jpg 13日(土)からの3日間を沖縄で過ごした。きょう15日は、沖縄が米軍政下から日本に復帰して34年目の日に当たる。今、沖縄は5月1日に日米両政府が合意した「在日米軍再編」の最終報告によって、永久的な「軍事要塞」にされようとしている。この日の朝刊で、沖縄に2つある県紙の沖縄タイムス、琉球新報とも、1面トップで「再編混迷 痛みなお」(沖縄タイムス)、「『基地なき島』遠く」(琉球新報)と、34年前に望んだ「基地なし本土並み」の復帰とは程遠い実情を、怒りとともに大きく報じていた。
 以前のエントリーで触れた通り、今回の沖縄行きは新聞労連などメディア関連の産別組合でつくる「日本マスコミ文化情報労組会議(MIC)」と「沖縄県マスコミ労組協議会(マスコミ労協)」の連帯行動として企画された。13日はMIC参加者は米軍普天間飛行場と嘉手納基地を視察し、14日は朝から「5・15平和行進」に合流。地元メディアの労組員とともに16キロを歩いた。MIC側は新聞労連、民放労連、出版労連、全印総連の4団体から計29人が参加した。

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by news-worker | 2006-05-16 01:32 | 平和・憲法~沖縄  

法務省ホームページに「!!」の思いがする

 共謀罪に関して、12日から法務省がHPに「法務大臣記者会見ダイジェスト」をアップしている。
法務大臣記者会見ダイジェスト
-共謀罪-
「ともかく犯罪集団に対して適用する問題で,一般の国民に全く関係はありません。」
「むしろ,犯罪集団を制圧して多くの国民の生活を安心・安全なものに導いていくための条約であり,国内法です。」
「一般市民の方が目配せしただけで成立するというのは大変な誤解。法案の正しい理解を!!」

 ゴチックの大きなフォントが中央官庁のHPとしては極めて異様に映る。しかも中央官庁がトップの言葉を紹介するのに、「!!」とは…。「一般の国民に全く関係はありません」とあるが、「一般の国民」かどうか、レッテル張りを容易にする効果が共謀罪にはある。共謀罪の運用によって、〝権力〟に逆らわないのが「一般の国民」ということになってしまうのは明らかだ。

 土曜日(13日)から沖縄で過ごしている。きょうは沖縄が日本に復帰して34年目の日。昨日(14日)は恒例の「5・15平和行進」に沖縄のマスコミ労組の方々とともに参加し、米空軍嘉手納基地のある嘉手納町から、米海兵隊普天間飛行場がある宜野湾市まで約16キロを歩いた。
 地元のマスコミ労組の方々と色々な話をし、また行進中のミニ集会、行進終了後の県民大会で多くの方の〝肉声〟を聞く事ができた。帰京後、あらためてエントリーを立てたいが、共謀罪は、沖縄の基地の矛盾、日本国憲法の矛盾とも直結していることを実感している。
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by news-worker | 2006-05-15 09:17 | 平和・憲法~共謀罪  

共謀罪は16日にヤマ場か~踏ん張りどころが来た、もっと世論の高まりを

 共謀罪の国会審議はきょう(12日)、また動きがあった。与党側は再修正案を野党側に提示し、来週16日の採決を提案したという(共同通信読売新聞朝日新聞)。社民党の保坂展人衆院議員のブログによると、16日は衆院本会議で午後1時から、教育基本法改正(改悪)案の趣旨説明がある。その後、衆議院法務委員会で、午後3時30分から5時30分まで2時間(野党のみ)の審議が予定されている。保坂議員は「本会議などへの波及をさけるため不正常な採決(強行採決)は、夕刻が多い。教育基本法審議入りの条件を整えて、17日は『小泉対小沢』党首討論という舞台もセットされた。裏を返して考えると民主党が17日に徹底抗戦をしにくいようにという意図も感じられる。医療法案の採決は伸びるかもしれない。と考えると、実は16日は共謀罪の修正協議が整わなければ、強行採決の危険も相当にあるというのが私の見方だ」と書いている。
 強行採決をさせないために必要なのはなお一層の世論の高まりだ。ゴールデン・ウイークが明けて、メディアはようやく、共謀罪をめぐる動きを連続して取り上げるようになってきた。それとともに、間違いなく世論も高まってきている。今まで知られていなかった共謀罪の危険性と、法務省、与党の説明の欺瞞性に気付く人が増え続けている。

 新聞労連のほか、民放や出版、印刷、映画演劇などマスコミ関連産業の産業別組合が集まって結成している日本マスコミ文化情報労組会議(略称MIC)という共闘会議がある(議長はわたしが務めている)。いわば表現活動を仕事にする者の労働運動である。
 MICとしても「共謀罪反対」「共謀罪を廃案に」との世論を高める運動を強めることを先日の代表者会議で決めた。MIC傘下の労働組合が、衆院法務委員会のメンバーや法務省など関係先へ、廃案を求める要請文や抗議文を次々にファクスやメールで送る緊急行動をきょう発議した。週明けの15日から、審議ヤマ場の16日にかけ、わたしたちの怒りの声を全国から途切れることなく突きつけていきたい。
 新聞労連としても、このMIC緊急行動に合流しようと、加盟の各新聞の労組に呼びかけた。あわせて、共謀罪をめぐる動きを新聞紙面でも途切れることなく報道するよう、編集職場に働きかけてほしい旨を要請した。

 4月28日に、社会の多くの人が知らないうちに強行採決される恐れが高まっていたことを思えば、この短期間のうちに世論が急速に盛り上がってきたことの意味は大きい。これからが本当の踏ん張りどころだと思う。
 
 あす(13日)から3日間、沖縄に出張する。きょうからはじまった恒例の「5・15平和行進」に、MICもことし初めて合流する。その一員としてだ。前回のエントリーでも書いたが、今回の在日米軍再編の日米合意は、沖縄の基地負担を軽減させるものでは決してない。本質的には、沖縄に基地の永久化を迫り、さらには日本全体を米軍基地化するのに等しい。
 そういうことも、今ならだれにはばかることもなく口にすることができる。しかし、ひとたび共謀罪ができてしまったらどうだろうか。平和と民主主義を守るということは、自由にモノが言える社会を守ることにほかならない。
 沖縄で、沖縄の人々の怒りに触れ、そしてその怒りを共有して帰ってきたい。
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by news-worker | 2006-05-12 21:53 | 平和・憲法~共謀罪  

なぜ基地の「県外移設」が実現されないのか

 ゴールデン・ウイークを挟み、共謀罪をめぐって緊迫した状況が続いているこの時期に、もうひとつ「在日米軍再編」問題も大きく動いている。
 5月1日に日米両政府が「最終報告」をまとめ公表。昨日は、沖縄の米海兵隊普天間基地の移設問題で、名護市辺野古地区に代替施設を建設するとした「沿岸案V字滑走路」案に、沖縄県の稲嶺恵一知事が〝反対しない〟方針を表明して、国と県の間で確認書を交わした。
 政府にしてみれば、「これで沖縄(地元)の了解は取り付けた」ということになるのだろう。稲嶺知事は「防衛問題は政府の専管事項だ」と口にしたという。「地元首長ができる抵抗はここまで」という心情なのだろうか。
 普天間基地をめぐっては、沖縄の世論は「県外移設」「国外移設」が圧倒多数なのに、それは実現されない。海兵隊の要員8000人とその家族がグアムに移駐するとして「沖縄の負担軽減」が盛んに喧伝されているが、それも「辺野古新基地建設」とパッケージだ。仮にこの再編計画が完全に実施されたとしたら、沖縄本島は中部以北が強固な永久基地となる。そして沖縄ばかりでなく、日本中の空を米軍機が自由に飛び交い、自衛隊は米軍のエスコート役として、ピタリと寄り添うことになる(今でもそうなのだが)。
 在日米軍再編の本質は、日米の軍事一体化だ。沖縄、日本の別を問わず、基地機能は格段に強化される。それでも憲法9条によって、日本が交戦権を放棄し、戦力を放棄すると定められている状況下ならば、自衛隊が戦場で直接の戦闘に加わることはないかもしれない。しかし、9条が改悪されて自衛隊が自衛軍に変われば、自衛軍は米軍配下の捨てゴマも同然となるだろう。そうなることを米国は日本に求めてきている。

 沖縄の基地問題は、沖縄の問題ではない。日本(ヤマト)の問題だ。米軍基地は沖縄の人々が望んでいるのではない。必要だと言っているのはヤマトの側だ。なのになぜ、沖縄に負担の押し付けが続くのか。「県外移設」が実現されないのか。
 日米同盟は今や、米ブッシュ大統領と小泉首相が「世界の中の日米同盟」と声を揃える状況だ。よくよく考えれば、これは在日米軍の活動を極東地域に限定している日米安保条約からの逸脱を、開き直って公言しているも同然ではないか。なぜ、もっと「おかしい」という声が上がらないのか。
 日米安保、在日米軍は何のためにあるのか。本当に必要なのか。
 いったいだれの利益を守るために、だれの権利が侵害されているのか。それは許されることなのか。仕方がないことなのか。

 辺野古には、海を守り続けるために、代替基地建設に反対し続けてきた人たちがいる。彼らのたたかいは今も、これからも続く。ささやかながらでも、連帯していきたい。

 参考
 以前のエントリー「沖縄で『在日米軍再編』報道を考えた」(06年2月13日)

 ジュゴンの家日誌
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by news-worker | 2006-05-12 10:44 | 平和・憲法~沖縄