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共謀罪審議はどうなるだろうか

 きょう2日付けの朝日新聞朝刊と東京新聞朝刊のそれぞれ1面に、共謀罪についての日本政府の基本的なスタンスが問われる記事が掲載されていた(東京新聞)。
(東京新聞記事より)
政府、国連で『共謀罪』批判
 「国際組織犯罪防止条約を批准するには、共謀罪創設が不可欠」とする政府が、実は、国連で「共謀罪は日本の法体系になじまない」と主張し、共謀罪を導入せず条約に加わろうとしていたことが、一日、民主党や日本弁護士連合会の調査で明らかになった。共謀罪必要論を根底から揺さぶる事実だけに、臨時国会で野党の厳しい追及を受けるのは必至の情勢だ。
 国連審議を伝える外務省公電の分析で分かった。国連条約は第五条(原案当時の三条)で共謀罪や参加罪の導入に触れている。導入は義務づけではないとの条文解釈もあるが、政府は「同条で義務づけられた」と解釈している。共謀罪は英米法、参加罪は独仏などの大陸法になじむといわれ、最も狭義の参加罪は「犯罪を行わなくとも、単に犯罪組織に加入すれば罪になる」結社罪を指す。条約原案は共謀罪や結社罪の導入を促していた。

 きょうの記事が言わんとしていることの重みは、保坂展人衆院議員のブログ「どこどこ日記」の解説が分かりやすい。

「どこどこ日記」-共謀罪、驚きの「条約起草時の日本政府の主張」
 保坂議員も指摘の通り、臨時国会の衆院法務委員会の審議から目が離せなくなりそうだ。
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by news-worker | 2006-10-02 22:38 | 平和・憲法~共謀罪  

日弁連が共謀罪反対の意見書

 自民党総裁選が近い。もはや次期総裁は安倍晋三氏に決まったも同然の雰囲気で、半ば自動的に臨時国会では首相に選出されることになるのだろう。この臨時国会では教育基本法改正案、国民投票法案、共謀罪新設関連法案の審議が再開される。いずれもまったく別々の法案であり、国会で審議される委員会も異なるが、日本の社会がどういう道に進むのかとの観点からは、相互に深いつながりを持っていると思う。教育を国家の統制の下に置き(教育基本法改正)、反国家的な不穏な言論は厳しく取り締まらなければ(共謀罪新設)、日本は戦争国家になる(憲法「改正」)ことができない。

 日弁連が9月14日、「共謀罪新設に関する意見書」をまとめ、ホームページ上でも公開している。「法案の立法は、我が国の刑事法体系の基本原則に矛盾し、基本的人権の保障と深刻な対立を引き起こすおそれが高く、また、導入の根拠とされている国連越境組織犯罪防止条約の批准にも、この導入は不可欠とは言い得ないことから、認めることはできない」が骨子。4-5月の通常国会の衆院法務委員会で採決できなかったのは、共謀罪新設に世論が反対したからだとの指摘も盛り込んでいる。
 共謀罪の危険性は忘れられていない、と信じたい。
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by news-worker | 2006-09-16 18:59 | 平和・憲法~共謀罪  

「新聞記者=ジャーナリスト」ではない~名古屋で市民集会に参加

 きょう(30日)は名古屋市の市民団体「第9条の会なごや」の招きで、「『ジャーナリズムの危機』をこえるために市民はジャーナリストといかに連携すべきか!」と題した集会に、日帰りで参加した。
 4月に東京で開かれた市民集会で新聞労連の「しんけん平和新聞」を紹介しながら、自由な言論と自由な表現活動を守り、平和と民主主義に貢献していくためには、メディアの内側にいるわたしたちが、情報の受け手である市民とどう向き合っていくのか、交流していくのかが問われる、という主旨の話をした。その場に「第9条の会なごや」のメンバーの方も参加しており、今回、わたしに声が掛かった。
 最初に基調報告という主旨だと思うが、わたしが1時間余り講演した。タイトルは「危機の自覚が問われるメディアとジャーナリズム~『わたしたちのメディア』『わたしたちの新聞』のために~」。このブログでも書いてきた「共謀罪」をめぐる大手メディアの感度の鈍さイラクからの自衛隊撤収の際の〝報道管制〟などを紹介した。また、「言論・表現の自由」「知る権利」にかかわる重大なテーマであっても、メディアの足並みはそろわず自らの首を絞め続けている実態も報告した。
 サブタイトルの「わたしたちのメディア」「わたしたちの新聞」には、主催側の問題提起に呼応して、市民とともにあるメディア、読者とともに歩む新聞をどう実現させるかを参加者の皆さんと考えたい、という思いを込めた。この点に関してわたしからは、記者の一人ひとりが〝会社員〟意識を脱却して、ジャーナリストとしての職能意識を持つ場が必要であることを話した。つまり、新聞記者は「記者」の肩書きを持つ新聞社の社員に過ぎないのであり、ただちに「新聞記者=ジャーナリスト」になるのではない、ということだ。
 そしてジャーナリストたりうるためには、憲法の精神を体感する記者教育、記者研修が必要だと思っていることを話した。憲法の精神とは9条だけのことではない。現憲法の精神は個の尊重と人権の擁護に貫かれており、その観点からはジャーナリズムに必要なのは「権利が守られているのか」という視点を常に維持していることだと思う。だからジャーナリストは権利の侵害にだれよりも敏感でなければならない。そうなるには、なるべく早くそういう現場に身を置くしかないのではないか。そんな話もした。
 最後に、いい記事にはぜひ激励の声を届けてほしいとお願いした。市民・読者からの激励の声こそ、わたしたちの最大の励みだ、と。
 わたしの後には、地元紙名古屋タイムスのベテラン記者の方も発言。「第9条の会なごや」の会員の1人もメディア・ウオッチャーとして発言に立った。
 この方は、現在のメディアの問題点の一つに「表現からのエンベット(埋め込み)」を挙げた。例えば北朝鮮のミサイル騒動では圧倒多数のメディアは政府の言うとおり「ミサイル発射」と報じた。ごく一部のメディアだけが「ミサイル発射実験」とした。「ミサイル発射」という用語を選択した時点で、そこに特定の思惑が埋め込まれているというわけだ。また、市民としてメディアとの連帯とは、メディアの報道を自分なりに評価して、それをメディアに伝えることだと強調した。実践の経験談も話した。
 会場には30-40人ほどの参加者がいた。会場との質疑応答も活発だったし、わたし自身も思うところは多々あった。名古屋の皆さん、本当にありがとうございました。
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by news-worker | 2006-07-31 02:34 | 平和・憲法  

新聞は〝じゃんけん後出し〟しかできなかったのではないか

 廃案となるまでは気を抜くわけにはいかない共謀罪だが、この1カ月余を振り返って、ブログの力というか、weblogosphereの世論形成力、社会運動としてのブログの可能性について考えている。言い方を変えれば、新聞、放送といった既存の大手メディアが、共謀罪をめぐる報道ぶりでこの間に露呈したのは、ごく一部の例外を除いて〝じゃんけん後出し〟のような報道しかできなくなってしまっている実情だ。
 綿密な検証をしたわけではなく、どちらかと言えば直感に近いことをあらかじめお断りした上で、この1カ月余の経緯を簡単におさらいしておきたい。

 衆院法務委員会で自民・公明両党が野党の反対を押し切り、審議入りを決めたのが4月1918日。同21日に始まった審議では、当初から与党側はゴールデン・ウイーク(GW)前の採決方針を表明。いきなり、強行採決が危ぐされる事態となった。

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by news-worker | 2006-06-07 20:56 | メディア  

【速報】「共謀罪の今国会の成立なし」が確定

 保坂展人衆院議員のブログによると、6日の衆院法務委員会で「共謀罪の今国会の成立なし」が確定した。よほどの異常事態、例えば突然、会期の大幅延長が浮上する、といったことでもない限り、という前提付きだが。
 政府、与党は継続審議とするようだが、さらに廃案を求めて世論の高まりを図っていきたい。
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by news-worker | 2006-06-06 19:21 | 平和・憲法~共謀罪  

メモ・共謀罪に反対する理由

 どうやら共謀罪をめぐる与党の民主党修正案丸呑みの〝奇策〟は、2日は不発に終わった。しかし、今国会閉会までは気が抜けない。
 前回のエントリーでは民主党修正案の問題点をまとめたが、いずれも共謀罪が抱える危険性そのものでもある。なぜ共謀罪が認められないのか、前回のエントリーをもとに、わたしなりに論点をまとめておく。

①未遂を含めて犯罪の実行行為を処罰対象とする日本の刑法の大原則の転換である。現行刑法の中にも、例外的に予備行為を処罰する罪もあるが、それぞれの罪ごとの〝個別規定〟になっている。共謀罪新設は〝包括規定〟であり憲法改正に匹敵する大問題。広く国民的な議論が必要。

②共謀は密室で行われるのが常。共謀行為を立証するために、必ず監視や盗聴、信書・メールの無断(当事者に知られないうちに、という意味で)チェックが広く合法化される。憲法が保障する思想・信条、集会・結社、言論、表現その他の自由と真っ向から対立する。密告の奨励(共謀に加わっても自首すれば刑が減免される)により、相互監視社会が出来上がる。

③団体の概念があいまい。「国境を越えた犯罪を実行するのが当団体の目的です」などと名乗る団体などありえない。2人きりの人間関係でも「団体」として、どしどし立件される。既に西村真悟衆院議員の非弁護士活動事件でも、非弁活動を行っていた男と西村議員のたった2人の関係が「団体」とされ、組織犯罪処罰法を適用して追起訴した前例がある。

④最終的に起訴→有罪とならなくても逮捕されれば、当事者の社会生命は大打撃を受ける。家宅捜索だけでも同じ。恣意的な運用の余地はあまりにも大きい。「共謀」とは、極論すればある2人の人間の間につながりがあることさえ立証できればいい。家宅捜索令状なら、今の裁判所は間違いなく出す。

⑤悪法はひとたび成立してしまえば、改悪を重ねて肥大していく。戦前の治安維持法を見れば明らかだ。与党側の思惑はまさにそういうことだ。

【追記】2016年8月28日
 後継ブログ「ニュース・ワーカー2」にこの記事を引用しました。
▽「共謀罪新設は憲法改正に匹敵する大きな問題~2006年当時の反対運動の経験から」
 http://d.hatena.ne.jp/news-worker/20131213/1386901589
▽「『共謀罪』の危うさは変わらない~2006年当時の経験から(再掲)」
 http://d.hatena.ne.jp/news-worker/20160828/1472349294
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by news-worker | 2006-06-03 03:41 | 平和・憲法~共謀罪  

与党の共謀罪ウルトラCは、だまし討ちそのもの~ゲーム台をひっくり返せ

 共謀罪新設関連法案の今国会成立に向けた与党のウルトラC策の全容が、一夜明けてほぼ判明した。新聞各紙の政治記事も、さすがにこういう展開になってくると、得意の〝落としどころ報道〟で詳しい。要するに「いったんは民主党案を〝丸呑み〟して成立→秋の臨時国会以降で〝ありうべき姿〟に戻す」ということに尽きる。保坂展人衆院議員はブログでこう指摘している。

 おいしい話には裏がある。さっそく、「なるほど」と思える納得情報が飛び込んできた。いったん無理に口をこじ開けて「丸飲み」をした民主党案(再修正案)を秋の臨時国会で「吐き出す」(再び与党が修正=元に戻す)という噂だ。「肉を切らせて骨を切る。メンツも何も関係ない。とにかく一回は民主党も含めて国会を通してしまうことが大事だ。その後で、条約批准が出来ないから修正したいと言う話なら民主党も強く反対出来ないだろう」と読んでいるのではないか。ドテン返しで、切られたふりして、オセロの大逆転の如く秋にやり返す。その時には、メンツを重んじる小泉総理は官邸を去っているという仕掛けだ。

 仮に今国会で成立してしまえば、今度は秋以降、関係法の改正案の強行採決劇が展開されかねない。きょう午後の衆院法務委員会では、事態の全貌と今後の展開をも見据え、与党が「だまし討ち」にかかってきていることを見抜き、民主党は採決に応じないでほしい。

 民主党修正案の考え方は①対象となる罪を減らすため最高刑5年以上の罪にする(政府案、与党修正案は4年以上)②国際的な犯罪行為に限定する-というものだ。今日中に提出するとされる再修正案の考え方も、そう大きくは変わらないだろう。しかし、それでも問題点を多々含んでいる。

 1 未遂を含めて犯罪の実行行為を処罰対象とする日本の刑法の大原則の転換であることに変わりはない。例外的に予備行為を処罰する罪もあるが、それぞれの罪ごとの〝個別規定〟になっている。共謀罪新設は〝包括規定〟であり憲法改正に匹敵する大問題

 2 共謀は密室で行われるのが常。共謀行為を立証するために、必ず監視や盗聴、信書・メールの無断(当事者に知られないうちに、という意味で)チェックが広く合法化される。密告の奨励(共謀に加わっても自首すれば刑が減免される)により、相互監視社会が出来上がる

 3 団体の概念があいまい。「国境を越えた犯罪を実行するのが当団体の目的です」などと名乗る団体などありえない。2人きりの人間関係でも「団体」として、どしどし立件される(以前のエントリーで指摘したが、既に西村真悟衆院議員の非弁護士活動事件でも組織犯罪処罰法が適用されている)。

 4 最終的に起訴→有罪とならなくても逮捕されれば、当事者の社会生命は大打撃を受ける。家宅捜索だけでも同じ。恣意的な運用の余地はあまりにも大きい。「共謀」とは、極論すればある2人の人間の間につながりがあることさえ立証できればいい。家宅捜索令状なら、今の裁判所は間違いなく出す。

 加えて、悪法はひとたび成立してしまえば、改悪を重ねて肥大していく。戦前の治安維持法を見れば明らかだ。与党側の思惑はまさにそういうことだ。
 さらに加えて言うなら、与党も政府も「民主党案では国連条約の用件を満たさない」と再三、批判してきた。とにもかくにも共謀罪を新設させたい一心で、この前言をわずか1日かそこらで翻すのだとしたら、国会や政府とはいったい何なのか、ということになる。日本の民主主義は終わりだ。

 与党のやり方は「だまし討ち」そのものだ。そもそも民主党の修正案は、与党の数をたのんだ強行採決をとにもかくにも止めるために大急ぎで作った経緯があったはずだ。言葉は厳しいかもしれないが、「粗製乱造の急ごしらえの欠陥対案」だった。きょうの衆院法務委員会では、民主党は堂々とそのことを主張し、やはり共謀罪は今国会では廃案しかないことを訴えればいい。与党は反発するだろうが、だまし討ちにかかってきているのは向こうなのだ。気にする必要などない。
 「踊る新聞屋-」さんが掲げている通り、今必要なのは「ゲーム台をひっくり返せ」だ。
 しかし、それでも民主党が採決に応じてしまったら? このブログで何度か書いてきたが、それでもわたしたちはあきらめるわけにはいかない。

追記 6月2日午前11時40分
 今しがたの民放ニュースによれば、民主党は今日午後の衆院法務委の審議を拒否する方針とのこと。さすがに与党の「だまし討ち」を見抜いているようだ。民主党の審議拒否方針を支持したい。

追記 6月2日午後0時25分
 夕刊の締め切りが近づき、新聞各紙の記事がサイトにアップされ始めた。民主は審議を拒否。読売によると自民・公明の両党は今国会の成立を断念し継続審議を確認。共同通信によると、麻生外相は、民主党修正案では国際組織犯罪防止条約は批准できないと記者会見で述べている。事態は沈静化か。

追記 6月2日午後6時30分
 出張で移動中。テレビの夕方ニュースでは、民主党が審議拒否を貫き大混乱と報じていた。何とか今日をしのいでほしい、と切に願う。
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by news-worker | 2006-06-02 10:37 | 平和・憲法~共謀罪  

共謀罪で最後のウルトラCが?

 先ほど、午後7時のNHKニュースが「共謀罪をめぐり、与党側が民主党案を受け入れてもいい、との意向を民主党に伝えた」と流したらしい(NHKオンライン)。
 今国会の会期延長は見送られ、共謀罪新設関連法案の審議も継続に、という観測が決定事項のように報道されている中で、与党が今国会会期中の成立に向けて、最後のウルトラCを放とうとしているということだろうか。民主党は修正案を提出しながらも、衆院法務委員会では「審議にもっと時間が必要」と表明してきた。与党の誘いに乗らないように望む。メディアも、与党内部の動きに鋭く切り込んでほしい。

追記 6月1日午後9時15分
 NHKオンラインによると、ニュース内容は微妙に変化している。「民主党に伝えた」から「民主党案を受け入れる方向で調整中」に差し替えたようだ(ここ)。いずれにせよ、ウルトラCを狙っているのか。

追記 6月1日午後10時10分
 朝日新聞サイトに詳しい記事がアップされた(ここ)。やはり与党側のウルトラC狙い。急転直下、衆院法務委員会で2日にも採決が行われそうな雲行きとなった。朝日記事によれば「民主党の鳩山由紀夫幹事長は1日夜、国会内で記者団に『我が党案に協力してくれるなら、(民主党が)反対するのはおかしい。ただ、政府答弁などで(批准できる)確約を取れなければ話にならない』と語った」という。
 民主党案では共謀罪が適用される罪数が大幅に減るとされるが、それでも恣意的な運用の恐れがあることは変わらない。共謀罪は、やはり廃案でなければならない。
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by news-worker | 2006-06-01 21:12 | 平和・憲法~共謀罪  

「共謀」の概念は既に拡大解釈が行われている~東京新聞記事

 先週の強行採決見送り以来、動きが止まっているように見える共謀罪新設関連法案。そんな中でも、東京新聞は24日付けの朝刊特報面で、「『共謀』の概念 既に拡大」との見出しで、重要な視点を指摘している。取材に答えているのは、元東京地検公安部検事で、一連のオウム真理教の事件捜査を担当した経験を持つ落合洋司弁護士。
(一部引用開始)
 共謀罪と似た法律用語に「共謀共同正犯」がある。犯罪を謀議した仲間の誰かが実行行為に踏み切れば、他の仲間は実行しなくても共犯になるものだが、落合氏は、捜査・裁判実務で共謀共同正犯の拡大解釈が進んでいると指摘する。
 暴力団組長が泊まったホテルのロビーに拳銃を携帯していた組員がいた。組員は銃刀法違反罪、組長も同罪の共謀共同正犯に問われ、昨年末、最高裁で組長も有罪とされた。「共謀」の事実が詳細に証明されないまま共謀共同正犯が認定されたため「常識を打ち破った判決」と、法曹関係者に波紋を広げている。
 「共謀罪」の共謀と「共謀共同正犯」の共謀が同一概念であることは政府も認めている。法務省は「目くばせでも共謀が成立する」と国会答弁したが、現実は、もっと先を行っている。
 「共謀罪は共謀だけで成立するから、ある意味、怖いことだ」と落合氏。「相手が暴力団だから、いいじゃないか」と思うか、「明日はわが身。拡大解釈は危険」と感じるかは国民しだいだが、落合氏は言う。「日本では起訴されなくても逮捕、家宅捜索されるだけで大打撃だ。共謀罪には、起訴に持ち込めない相手を社会的に葬る手段として、十分過ぎる力がある」
(引用終わり)

 以前のエントリーで指摘したが、組織犯罪処罰法では、たった2人の間でも〝組織犯罪〟として起訴された西村真悟衆院議員の前例がある。もう少し拡大解釈が進めば、親子や兄弟でも〝犯罪組織〟として立件されかねない。
 共謀共同正犯にせよ、組織犯罪の概念にせよ、こうした前例が出ていることに対して、メディアはきちんと検証してこなかった。それは、今のメディアがあまりにも「落としどころ報道」に片寄っているからだと思う。今からでも遅くはない。共謀罪が国民的な関心事に高まってきた今こそ、新聞や放送メディアは今日の東京新聞記事のように、今、社会で起きていることを掘り下げ、その意味を指摘する報道を始めるべきだ。
 
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by news-worker | 2006-05-25 00:18 | 平和・憲法~共謀罪  

共謀罪の採決回避は首相判断?~朝日新聞記事から

 共謀罪をめぐりきのう(19日)、衆院法務委員会の採決が土壇場で見送られた舞台裏の経緯を、朝日新聞が20日付朝刊の1面トップ記事として掲載している。
 同紙のサイトに見当たらないので、一部引用すると、見出しは「共謀罪法案 成立は困難」「議長仲裁 背後に首相の指示」「強行回避『鶴の一声』」。
(引用開始)
 自民、公明の与党は19日、「共謀罪」創設を含む組織的犯罪処罰法改正案の衆院法務委員会での採決を先送りした。国会が空転し、審議停滞を懸念する小泉首相の意向を受けた自民党側が河野洋平衆院議長と調整。議長の要請を受け入れる形をとったものだが、大幅な会期延長がない限り、同法案の今国会中の成立は困難な情勢となった。
 与党と民主党は再び修正協議に入る構えだが、共謀罪が適用される対象犯罪などで隔たりは大きく、政府・与党側では「もはや歩み寄る余地はない」という見方が体勢。首相は会期延長には依然、否定的だ。議長を巻き込んだ収拾策をとったことで与党は採決を強行しにくくなり会期内成立の見通しは立たなくなった。
(引用終わり)

 この後、記事は、強行採決断念の背後に首相の「鶴の一声」があり、19日午前中には、自民党の細田博之国対委員長が「きょうの採決はしない」と公明党に伝えていたこと、自民党側から仲裁役を求められた河野議長は乗り気ではなかったことなどを指摘している。
 政治面では、政局の解説記事を掲載。それをあわせ読むと、今国会の終盤戦で自民党は、首相の関心が高い医療制度改革関連法案と行政改革推進法案の成立に全力を挙げ、国会審議の停滞を招くような事態は避けたい、という判断に傾いたと指摘している。

 ゴールデン・ウイークに入るまでは、一般の関心が低かった共謀罪が、ここにきて巨大与党の国会対策に大きな比重を占めるに至ったのは、まさに世論の高まりがあったからだろう。
 しかし、バーター取引、「こっちは譲るから、あれを通せ」は国対政治の常だった。共謀罪の代わりに民主党が何かを、例えば教育基本法改悪を水面下で譲歩しているのだとしたら、喜んでばかりもいられない。
 今まで共謀罪の報道には腰が引けていたように見える朝日新聞のきょうの記事は、典型的な“後出し落としどころ報道”ではあるけれども、引き続き、精力的な政治報道をお願いしたい。
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by news-worker | 2006-05-20 08:49 | 平和・憲法~共謀罪