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退任

 25-26日の両日、新聞労連の第108回定期大会が東京都内で開かれた。議事の最後(26日)の役員改選で、わたしは2年の任期を終えて新聞労連委員長職を退任した。これまで多くの方に支えていただき、ここまで来ることができた。本当にありがとうございました。

 さて、大会の冒頭あいさつでは、新聞産業の労働運動は2つの側面から存在意義と責任が問われている、という趣旨の話をした。
 ひとつは「新聞」というメディアを守っていく責任だ。新聞はかつて戦争遂行に加担した。そのことへの反省から戦後の新聞労働は出発した。だから、新聞の労働運動の究極の目的は、戦争を止めることができる新聞を守っていくことだ。そのためにこそ、わたしたちは「労働組合」という権利を行使して、わたしたち自身の生活と、いのちと健康を守っていかなければならない。
 2つ目は「労働組合」という働く者の固有の権利を拡大し、高めていく責任だ。この権利をいまだ手にできていない人たち、とりわけ非正規雇用の人たちにも広げていかなければならない。その努力を不断に重ねていかなければ、やがてはわたしたちが今、手にしている権利すら守ることができなくなるだろう。これは全下野新聞労組の争議の総括を踏まえた教訓でもあるし、「格差社会」が指摘されている今日、新聞産業に限らず、労働組合であれば等しく負うべき責任でもあると思う。
 以前にも紹介したが、ことし5月、宮古毎日新聞労組と下野新聞の印刷別会社(下野印刷労組)が相次いで発足した。ともに、組合員資格を正社員に限定していない。雇用形態の違いや労働条件の差異を乗り越えて、同じ働く仲間として一緒にやっていこうとしている。この2つの組合は、新聞労連の新たな挑戦でもあると思う。

 労組専従を離れ、職場に復帰するのは8月中旬の見通しだ。ただし、9月30日までは日本マスコミ文化情報労組会議(MIC)の議長職は継続する。

 *新聞労連の委員長職退任に伴い、本ブログの主旨説明などを加筆・修正した
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by news-worker | 2006-07-27 04:54 | 身辺雑事  

あすから定期大会、そして退任

 きょう(24日)は新聞労連の中央執行委員会、あす、あさっては定期大会が開かれる。この定期大会をもって、2年間の新聞労連委員長の任期を終え退任する。退任にあたって思うこと、感じることはおいおい書き残していきたい。8月中旬には共同通信の職場に復帰する。このブログの今後のことも思案中だ。
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by news-worker | 2006-07-24 09:20 | 身辺雑事  

「権利を手にするために~労働組合づくりの手引き」

 間もなく新聞労連委員長の任期を終える。今週、7月25-26日に開催される定期大会で退任する。2年間の任期を通じて、自分なりに力を入れて取り組んできたことの一つに、労働組合の組織の強化、拡大がある。単に組合員数を増やす、ということではない。正社員だけでなく、契約社員や派遣社員など不安定な雇用形態の人たちも含めて、「労働組合」という権利を手にできていない人たちに、この権利をどう広げていくのか、という意味での「強化」「拡大」だ。「組織」の強化、拡大は同時に「権利」の強化、拡大でもあると考えてきた。印刷別会社化など経営側の合理化政策と表裏一体の課題でもある。
 全下野新聞労組の争議のように、労働条件の切り下げを飲まされ、労働者の権利を守りきることができなかった苦い出来事もあった。わたしたちの主張が裁判所に受け入れられなかったことの背景には、わたしたち自身の「権利」への感覚のマヒがあったかもしれないと、今は考えている。どこかに「勝ち組労働者」の驕りはなかっただろうか。わたしたちが享受している「権利」を、他の人にも広め、そうすることで権利を高める運動をわたしたちは疎かにしていなかっただろうか。実際に、未組織の新聞社従業員の方から「新聞労連は勝ち組労組の集まりだと思っていました」と聞かされたこともある。
 わたし自身のそんな思い、反省も込めて、労働組合づくりのマニュアル冊子を新聞労連でつくった。タイトルは「権利を手にするために~労働組合づくりの手引き」。25日からの定期大会にあわせて、加盟の各労組に配布する。一般の方でも、興味のある方にはお譲りしたい。

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by news-worker | 2006-07-23 11:00 | 労働組合  

「過労死大国」と労働組合

 c0070855_1023037.jpgもはや先週号ということになるが、週刊エコノミスト(毎日新聞社発行)の7月25日号が「過労死大国」の特集を掲載した。企業の業績が向上しても、従業員に還元されない「新自由主義」「構造改革」の現状が多面的、多角的に報告されている。
 正社員は人員削減とともに、成果主義や裁量労働の導入が進み、企業は労働時間管理の責任から解放されていく。その一方で、契約社員、派遣社員など、企業にとっては安価でいつでも解雇(雇い止め)できる雇用形態が増大。雇用面の格差(もはや差別とすら言える)は拡大の一方だ。
 エコノミストの特集には、日本マクドナルドユニオンの栗原弘昭委員長、日本ケンタッキーフライドチキン労働組合の濱口徳之委員長のインタビュー記事も並べて掲載。連合のバックアップを受けるマックユニオンと、かたや手作り労組のケンタッキー労組と手法は対照的だが、サービス残業など、従業員を踏み付けるようにして利益を確保している外資(米国資本)系外食チェーンの労務の実態が簡潔に紹介されている。
 もうひとつ、特集ではトヨタの従業員12人で組織されている「全トヨタ労働組合」の若月忠夫委員長のインタビューも掲載されている。既存の労組への批判から、圧倒少数ながら立ち上がった企業内2番目の組合として注目されている。
 若月委員長のコメント要旨を幾つか紹介。
 「1990年代に入ってから、経済のグローバル化などにより労働者を取り巻く環境は様変わりした。それなのに、既存の労組はそこから発生する問題にきちんと対応せず、労働条件悪化が進んでしまった」
 「トヨタは4年間、ベースアップがゼロだった。企業の業績が上がっているのに、労働者の労働条件が向上しない矛盾があった。トヨタをはじめとする自動車産業は、本来は日本経済を牽引しなければいけないのに、逆に労働条件を抑制、あるいは引き下げにより日本全体の労働条件を悪化させている」
 「今は雇用の流動化が起こっている。賃金も成果主義への移行で不安定になった。経験も実績も技能もない人たちが、不安定な雇用形態の中で自動車をつくれば、良いものができるわけがない」

 労働組合がいくら堕落していても、現状を変えようとすれば、結局は労働者が団結するしかない。経営者が変えてくれるわけではないし、政府が変えてくれるわけでもない。労働組合は〝企業〟の殻に閉じこもっていてはならない。
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by news-worker | 2006-07-22 10:31 | 労働組合  

正社員組合の意識が変わらない~厚労省の労組調査から

 沖縄から帰京の途中、沖縄の地元紙2紙に掲載された「労組は依然、正社員重視」の記事を読んだ。共同通信の出稿だった。
(引用開始)
労組は依然、正社員重視 組織化の取り組みも進まず [ 07月14日 17時15分 ] 共同通信
 パートや派遣社員が増える中、多くの労働組合はその処遇改善よりも、正社員の雇用や労働条件の確保を優先して考えていることが厚生労働省の調査で14日分かった。
 組織率が低下し非正社員の組織化が課題とされる労組だが、組織化の強化などに取り組んでいるのは30%以下。正社員重視の傾向が変わらないことが浮かび上がった。
 調査は昨年、組合員が100人以上いる全国の労組から約2700を抽出してパート、契約社員、派遣社員についての実態や意識を聞いた。
(引用終わり)

 厚労省が毎年実施している「労働組合活動実態調査結果」で、その概要は厚労省のHPにアップされている。その中に「就業形態の多様化と労働組合の対応に関する事項」という項目があって、共同通信の記事はこれを元にしている。

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by news-worker | 2006-07-16 11:37 | 労働組合  

初めての賃金交渉が本格化~台風接近の宮古島で

 昨日(12日)から沖縄・宮古島に来ている。台風4号が接近する中で、昨日は何とか飛行機は飛んだのだが、きょう(13日)は宮古島も暴風域に入り朝から大荒れ。外では激しい雨が横なぐりに降っている。いや「降る」という感じではない。水滴が突風にあおられ、もてあそばれながら水煙となって吹き飛ばされていく。
 午前8時19分には、35・9メートルの最大瞬間風速を観測したと、NHK沖縄放送局のテロップ・ニュースが伝えている。もちろん、飛行機も船も全便欠航。予定を変更して延泊せざるをえない。
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 宮古島入りの用件は、宮古毎日新聞労組の3回目となる団体交渉への出席。台風の中で、団交は予定通りきょうの午後、開かれた(初めて読まれる方は、カテゴリー「宮古毎日新聞労組の挑戦」の過去エントリーを参照いただきたい)。中心的な議題は夏の一時金。同労組には初めての経験となる本格的な賃金交渉が始まった。

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by news-worker | 2006-07-13 19:16 | 宮古毎日新聞労組の挑戦  

定期大会のシーズン

 7月に入って、労働組合はどこも、年に1回の定期大会のシーズンを迎えている。新聞労連でも地方ブロック組織が相次いで定期大会を開催。きょう(10日)は近畿地連の定期総会が大阪市で開かれ、わたしも出席した。
 進行は大抵はどこも同じ。1年間の活動の報告、これから1年間の運動方針ときて、最語に新執行部の選出となる。この1年、苦楽をともにしてきた地連委員長らが退任し、次の人と交代していく。
 新聞労連の定期大会も今月25-26日に開催する。新聞労連の役薦活動、つまり役員選考については、去年の今ごろのエントリーでも触れたが、もはや在京の大手紙労組からの選出だけでは間に合わなくなっており、わたしの後任の委員長は、ブロック紙から選出される見通しだ。
 わたし自身の任期は残り2週間。悔いが残らないように全うしたい。
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by news-worker | 2006-07-11 02:47 | 労働組合  

派遣労働をめぐる争議で敗訴~司法は現状追認しかできないのか

 この2年間、支援にかかわってきた派遣労働をめぐる争議の民事訴訟で昨日(29日)、東京高裁の判決があり、一審の東京地裁に続いて原告側の敗訴となった。全国的にみても先駆的なケースなのだが、一、二審連敗ではニュースになるわけもなく一行も報じられていないが、雇用と労働の現場で実際に何が進行しているか、その実態に虚心に向き合おうとしない司法には怒りを覚える。
 原告は加藤園子さん。被告は教科書出版社である「一橋出版」(東京都杉並区)と人材派遣会社「マイスタッフ」(同)。裁判で求めているのは、加藤さんを一橋出版の教科書編集の現場に戻すことだ。争議は出版労連が中心になって取り組み、わたしが支援共闘会議の議長を務めている。
 加藤さんはマイスタッフから一橋出版に派遣され、高校の家庭科教科書と副教材の作成を2年間にわたって一人で担当。教科書が検定を通過した後の03年5月、本人に雇用継続の意思があったにもかかわらず、一橋出版から雇い止めが通告された。これだけなら「どこがおかしいの」と思われるかもしれない。しかし、加藤さんが経験したことの一つひとつが、実は「派遣」を隠れ蓑として、一橋出版が違法な労働者使い捨て策をとっていたことを示している。

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by news-worker | 2006-06-30 10:05 | 格差社会  

新しい労組にとって後ろ盾は重要だ~「ケンタッキー・フライド・チキンにも労組誕生」で思うこと

 きのう(22日)の報道になるが、ファスト・フード大手の一つ「日本ケンタッキー・フライド・チキン」(KFC)の店長らが、同社初の労働組合を立ち上げた(朝日新聞の記事)。
(引用開始)
 現在のメンバーは20人で、横浜市の店舗で店長を務める濱口徳之委員長(45)をはじめ神奈川県内の店長が中心。背景には、サービス残業や休日出勤を事実上余儀なくされる店長らの負担増があるという。
 濱口委員長は「会社が成長した最大の理由はカーネル・サンダース秘伝のスパイスではなく、現場で働く社員のサービス残業。現場の様々な問題を会社側と対話し解決するには労組をつくるしかないと考えた」と話す。
 同社の直営店では約1万3000人の非正社員が働いている。だが、誕生間もない労組がどれだけの成果を上げられるか見通しがつかないので、当面は約1000人の正社員を対象に加入を呼びかける。
 政治色を排して組合費を安く抑えるため、既存の労働団体の後ろ盾は受けないことにした。労働問題に関する市販の解説本を回し読みし、地元自治体の労働相談に出向くなど「労働問題の素人が手探りでスタートさせた」(濱口委員長)。連合の全面的な支援を受けて組織拡大を図るマクドナルドの労組とは対照的だ。
(引用終わり)

 手作りの労働組合結成ということだろうか。恐らくは、大変な苦労があったと思う。応援したい。しかし、一方で「素人が手探りでスタート」という点に不安も感じる。ただちに上部団体へ加盟するかはともかく、しっかりとしたアドバイザーは付いているのだろうか。
 外資系のファスト・フード産業となれば、労務政策は米国本社の意向が反映されるのは間違いない。会社がその気になれば、正社員1000人のうちの20人の組合を無力化するのは簡単だ。会社の息がかかった正社員で構成する第二組合を組織し、社員の過半数を押さえてしまえばいい。つまり何でも会社の言いなりになる「御用組合」を用意し、賃金や労働条件はその御用組合との間で決めてしまえば、少数組合は何もできない。
 もっと直接的な労働組合つぶしもある。多国籍巨大資本は恐ろしい。昨年、労働組合の国際会議の場で聞いた話(以前のエントリー)だが、スーパーマーケットの「ウォル・マート」は、組合結成の動きを見せた従業員を解雇したり、同じく組合が結成されそうになった店舗を閉店にしてしまったりする。もちろん、日本でそんなことをやれば不当労働行為だが、会社側はもっともな口実を用意しているし、そういったことを許すか許さないかは、基本的には労使間の力関係だ。すべてを法律が守ってくれるのではない。だから、マクドナルドの労組のように、頼りになる後ろ盾を持って会社と対決していくことは、実は重要なことだ。
 労働組合は、作ることもさることながら、作った後こそ真価が問われる。ケンタッキー・フライド・チキンの労組にはがんばってほしいし応援もしたいが、すべてを自分たちだけでやろうとせず、〝けんかのやり方〟を知っているアドバイザーに付いてもらうことを勧めたい。
 
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by news-worker | 2006-06-23 13:47 | 労働組合  

契約社員の記者3人が正社員に復帰~宮古毎日労組

 以前のエントリーでも何回か紹介(ここなど)した沖縄県・宮古島の地域紙「宮古毎日新聞」の労働組合のその後。きょう(19日)、第2回の団体交渉が開かれ、わたしも上部団体の立場で前回の初団交に引き続き出席した。
 5月の労組結成通告と同時に会社に提出していた要求のうち、いくつかに回答があった。正社員から契約社員に身分を変更されていた記者職3人(うち1人は労組委員長)について、会社は正社員に戻すと回答。また、契約社員として採用した従業員についても、3年以上の勤務実績があり、本人が希望する場合は正社員とすることを検討することも約束した。
 これは労働組合を立ち上げたからこその成果と言っていい。3人は契約社員への身分変更を納得して受け入れていたわけではない。断れば職を失うことになるかもしれないと考え、おかしいと思いながらも、不満に思いながらも従っていた。労働組合ができたことによって、個人の弱い立場では口にできなかった思いを会社にぶつけることができた。
 団交では、労働組合活動の保障をめぐっても①職場での労組関係文書の配布(ただし勤務時間外)②組合ファクス設置スペースの提供③掲示板1箇所の提供-などの前進回答があった。一方で、空き時間の会社会議室の利用はかたくなに拒否。理由もまったく納得できない。とりあえず、合意できなかった点は次回以降も話し合いを続けることとした。
 超ワンマン経営を続けてきた社長は、組合結成通告からそろそろ1カ月が経つ今も組合への警戒心は消えていない、という印象。それも無理はないかもしれない。しかし、前回の団交に比べれば、労働組合とは何なのかを少し理解した様子もうかがえた。また、従業員を個別に呼んで組合敵視の発言をするようなことも最近はなくなっている。団体交渉にも応じ、賃金制度や職制の整備もそれなりに検討している様子がうかがえる。「組合結成→いきなり弾圧→即、争議入り」という最悪のシミュレーションも用意しての組合立ち上げだったが、最初の1カ月はまずまず、と言ったところだろうか。

 カテゴリーに「宮古毎日新聞労組の挑戦」を新設した。宮古毎日労組は、最初から正社員だけでなく契約社員やパートも組織化して発足した。雇用形態の違いを超えて団結するその先進性は、労働組合という権利にどこまで可能性があるかを追求するチャレンジだ。過去の関連エントリーは、同カテゴリーを参照いただきたい。
 
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 写真は19日早朝の宮古島の朝焼け。日中は青空が広がり、気温も30度。セミの声が梅雨明けを思わせた。
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by news-worker | 2006-06-20 01:42 | 宮古毎日新聞労組の挑戦