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新聞は〝じゃんけん後出し〟しかできなかったのではないか

 廃案となるまでは気を抜くわけにはいかない共謀罪だが、この1カ月余を振り返って、ブログの力というか、weblogosphereの世論形成力、社会運動としてのブログの可能性について考えている。言い方を変えれば、新聞、放送といった既存の大手メディアが、共謀罪をめぐる報道ぶりでこの間に露呈したのは、ごく一部の例外を除いて〝じゃんけん後出し〟のような報道しかできなくなってしまっている実情だ。
 綿密な検証をしたわけではなく、どちらかと言えば直感に近いことをあらかじめお断りした上で、この1カ月余の経緯を簡単におさらいしておきたい。

 衆院法務委員会で自民・公明両党が野党の反対を押し切り、審議入りを決めたのが4月1918日。同21日に始まった審議では、当初から与党側はゴールデン・ウイーク(GW)前の採決方針を表明。いきなり、強行採決が危ぐされる事態となった。

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by news-worker | 2006-06-07 20:56 | メディア  

この決着でいいわけがない~公取委が新聞特殊指定の廃止見合わせを与党に表明

 昨夜は疲れてしまい、ネットチェックもそこそこに寝てしまった。けさ新聞を見て、公正取引委員会が新聞の特殊指定廃止見合わせの方針を与党に伝えたことを知った。決着の仕方としてはいいわけがない。仮にこれで新聞の特殊指定の存続が決まるとしても、新聞販売が抱える矛盾は解決しないし、新聞にとっては別の新たな問題を引き起こすことにつながりかねない。朝日新聞記事の一部を引用する(全文はこちら)。
(引用開始)
 公取委はこの日、与党に提出した声明で「新聞業界と議論を繰り返してきたが、かみ合っておらず、これ以上続けても進展は望めない。各政党も新聞特殊指定を存続させるべきとの議論がなされている」と説明。「今回の見直しでは結論を出すことを見合わせることとした」と、指定の維持を表明した。
 公取委幹部によると、「特殊指定に問題がある」との主張は崩していないが、「諸般の事情を総合的に考慮した」。昨秋から続けてきた見直し作業は打ち切り、当面は再開しない見込みという。
(引用終わり)


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by news-worker | 2006-06-01 11:54 | メディア  

「著作物再販、特殊指定は必要。でも今の新聞を残すかどうかは別の問題」~新聞労連販売集会

 もう1週間前のことになってしまったが、新聞労連は5月23、24の両日、東京で販売問題中央集会を開催した。メインテーマは公取委が進めている「新聞特殊指定」の見直し問題だが、特殊指定の存続をただ訴えるだけではなく、特殊指定問題と表裏一体の販売正常化の実現に向けて、新聞労連として意思統一を図る場にするために「特殊指定維持集会」ではなく「販売問題中央集会」とした。
 基調報告では、新聞販売会社の労組委員長である「今だけ委員長」さんに、新聞産業の労働組合は何をなすべきかの問題提起も含めて、販売問題の実情を報告してもらった。「今だけ委員長」さんがご自分のブログにエントリーを立てておられるので、そちらも参照されたい。

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by news-worker | 2006-05-29 17:01 | メディア  

沖縄の人々の怒りを共有する

 26日から沖縄に来ている。那覇市で新聞労連の青年女性部学習集会に参加し、きのう(27日)、宮古島に入った。3週間続けて週末は沖縄で過ごしている。沖縄は梅雨で、宮古島でも今、雨が降っている。天気予報ではきょう一日、雨が続く。宮古毎日労組の初団交を挟んで、31日まで滞在する予定だ。

 26日は「太平洋・島サミット」に参加する小泉首相も沖縄入りした。「沖縄の負担軽減」を強調しているものの、内実は「沖縄の恒久要塞化」にほかならない在日米軍再編の最終報告が公表されて間もない。いったいどの顔を下げて来たのか、と思う。
 米軍普天間飛行場の辺野古沿岸部移設をめぐっては、沿岸案反対を公約に掲げていた島袋・名護市長がいち早く受け入れに〝転向〟、外堀を埋められた稲嶺恵一・県知事も「政府案を基本とする」ことを認め、事実上、容認した。基地の県外移設を求める県内世論を一顧だにせず、政府はひたすら日米の軍事一体化に突き進む。日本全体が〝オキナワ化〟することでもあるのに、沖縄に比べ県外の世論はあまりにも鈍いことを感じる。

 小泉首相の沖縄入り前日の25日夜、これに抗議する市民団体や労組の緊急集会、デモが開かれ、激しい雨にもかかわらず1200人が参加したことを沖縄タイムス、琉球新報とも、26日付け朝刊の社会面で大きく伝えていた。沖縄の地元紙や放送局の労組でつくる「沖縄県マスコミ労組協議会(マスコミ労協)」も、集会とデモに参加した。
 5月14日に平和行進に参加した(過去エントリー)際にも、沿道では多くの人が行進団に手を振ってくれた。移動のタクシーの中でも、ある女性の運転手さんは「難しいことは分からないけど、どうしてこうなってしまうのかと思う。まったく納得できない」と話していた。決して爆発的ではないかもしれないが、沖縄の人々の怒りは高まっていることを来るたびに感じる。

 全国から70人近くが参加した新聞労連の26日の集会では、25歳のときに沖縄戦を体験し、家族・親族11人を失った安里要江さんを迎え、体験談を聞いた。その体験は、「沖縄戦 ある母の記録」(高文研)として一冊の本にもまとめられている。若い組合員たちはみな、涙とともに安里さんの話を聞いた。
 「わたしは沖縄戦で生かされた。わたしにとって、沖縄戦を語り継ぐことは、生きている限り続けなければいけない務め、生かされた者の務めです」という安里さんは「沖縄は日本に復帰したけれども、基地がある限り、本当に復帰したとは言えない。それどころか、さらに新しい基地ができようとしている」と激しい口調で怒りを口にした。そして「皆さんは新聞という本当に大事な仕事をされている。わたしみたいな者のつたない話を、皆さんに聞いてもらうのは失礼かもしれないと思った。でも皆さんの仕事は本当に大事な仕事。基地をなくし、二度と戦争をしない、世界中から戦争をなくすために大事な仕事。だからわたしの話を聞いてもらおうと思って、きょうは来ました」と話した。この言葉を胸に刻んでおきたい。
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by news-worker | 2006-05-28 08:34 | 平和・憲法~沖縄  

下野新聞の印刷別会社でも労組結成

 このブログでは、栃木県の地方紙「下野新聞」の印刷部門別会社化・社員転籍をめぐる全下野新聞労組の争議を報告してきた(初めての方には「全下野新聞労組の闘争」カテゴリーの過去エントリーをご覧いただきたい)。最終的に栃木県労働委員会のあっせんを経て、全下野労組は会社の計画を受け入れ4月に争議状態は終結、4月中旬に新印刷会社「下野新聞印刷センター」が設立され、新工場が稼働している。その新印刷会社にきょう(25日)、新しい労働組合「下野新聞印刷センター労働組合」が発足した。
 会社計画の受け入れと同時に、全下野新聞労組は争議総括と並行して、苦い経験を教訓として生かすために、新会社での労働組合組織化に取り組んできた。下野新聞社を退職して新会社に転籍した組合員5人が中核になり、新会社採用の従業員らに組合結成を働きかけてきた。その努力が新会社発足からわずか1カ月で実を結び、役員、管理職をのぞく対象者の大半を組織化した。
 きょうの午後、新工場がある栃木県鹿沼市で開かれた新組合の結成大会にわたしも出席した。あいさつでは「新聞は多くの人の手でつくられ、読者に届けられている。仮に会社は別になっても、皆さんも『新聞をつくって読者に届ける』仕事をしている。わたしたちと同じ立場だ。その皆さんが、労働組合という共通の権利を手にしたことの意義は大きい。いい新聞を読者に届けるために、労働組合という権利を正当に行使し、労働条件の向上を目指してともにがんばろう」という趣旨の話をした。わがことのように嬉しかった。

 「結果を出せずに争議は終わるが、それで終わりではない」。ことし2月、全下野労組が会社計画を受け入れるほかないとの判断に至ったときのことを思い出し、そしてきょうの新組合結成を目の当たりにして、正直、胸が熱くなった。2月には全下野労組の方々と「この争議にどんな意味があったのかは、5年後、10年後に下野新聞がどんな新聞になっているかで定まる」と話していた。負け惜しみではない。5年後、10年後のための第一歩が、きょうの新組合の結成だと思う。短期間で立ち上げにこぎつけた5人の転籍者の方々、彼らを支えた全下野労組の方々に敬意を表したい。

 新組合は規約に、正社員だけでなく嘱託者やアルバイトにも組合員資格があることを明記している。同じように新聞の仕事に携わっている者同士が、雇用形態にかかわらず団結する、団結できる。そのことによって、労働組合という〝権利〟はいよいよ輝く。あの長く苦しい争議があったからこそ到達できた先進性だ。
 「職場をよくしたい、いい新聞を出したい」という要求の切実さで団結した宮古毎日新聞労組と共通の先進性だと思う。
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by news-worker | 2006-05-25 22:48 | 全下野新聞労組の闘争  

「共謀」の概念は既に拡大解釈が行われている~東京新聞記事

 先週の強行採決見送り以来、動きが止まっているように見える共謀罪新設関連法案。そんな中でも、東京新聞は24日付けの朝刊特報面で、「『共謀』の概念 既に拡大」との見出しで、重要な視点を指摘している。取材に答えているのは、元東京地検公安部検事で、一連のオウム真理教の事件捜査を担当した経験を持つ落合洋司弁護士。
(一部引用開始)
 共謀罪と似た法律用語に「共謀共同正犯」がある。犯罪を謀議した仲間の誰かが実行行為に踏み切れば、他の仲間は実行しなくても共犯になるものだが、落合氏は、捜査・裁判実務で共謀共同正犯の拡大解釈が進んでいると指摘する。
 暴力団組長が泊まったホテルのロビーに拳銃を携帯していた組員がいた。組員は銃刀法違反罪、組長も同罪の共謀共同正犯に問われ、昨年末、最高裁で組長も有罪とされた。「共謀」の事実が詳細に証明されないまま共謀共同正犯が認定されたため「常識を打ち破った判決」と、法曹関係者に波紋を広げている。
 「共謀罪」の共謀と「共謀共同正犯」の共謀が同一概念であることは政府も認めている。法務省は「目くばせでも共謀が成立する」と国会答弁したが、現実は、もっと先を行っている。
 「共謀罪は共謀だけで成立するから、ある意味、怖いことだ」と落合氏。「相手が暴力団だから、いいじゃないか」と思うか、「明日はわが身。拡大解釈は危険」と感じるかは国民しだいだが、落合氏は言う。「日本では起訴されなくても逮捕、家宅捜索されるだけで大打撃だ。共謀罪には、起訴に持ち込めない相手を社会的に葬る手段として、十分過ぎる力がある」
(引用終わり)

 以前のエントリーで指摘したが、組織犯罪処罰法では、たった2人の間でも〝組織犯罪〟として起訴された西村真悟衆院議員の前例がある。もう少し拡大解釈が進めば、親子や兄弟でも〝犯罪組織〟として立件されかねない。
 共謀共同正犯にせよ、組織犯罪の概念にせよ、こうした前例が出ていることに対して、メディアはきちんと検証してこなかった。それは、今のメディアがあまりにも「落としどころ報道」に片寄っているからだと思う。今からでも遅くはない。共謀罪が国民的な関心事に高まってきた今こそ、新聞や放送メディアは今日の東京新聞記事のように、今、社会で起きていることを掘り下げ、その意味を指摘する報道を始めるべきだ。
 
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by news-worker | 2006-05-25 00:18 | 平和・憲法~共謀罪  

共謀罪の採決回避は首相判断?~朝日新聞記事から

 共謀罪をめぐりきのう(19日)、衆院法務委員会の採決が土壇場で見送られた舞台裏の経緯を、朝日新聞が20日付朝刊の1面トップ記事として掲載している。
 同紙のサイトに見当たらないので、一部引用すると、見出しは「共謀罪法案 成立は困難」「議長仲裁 背後に首相の指示」「強行回避『鶴の一声』」。
(引用開始)
 自民、公明の与党は19日、「共謀罪」創設を含む組織的犯罪処罰法改正案の衆院法務委員会での採決を先送りした。国会が空転し、審議停滞を懸念する小泉首相の意向を受けた自民党側が河野洋平衆院議長と調整。議長の要請を受け入れる形をとったものだが、大幅な会期延長がない限り、同法案の今国会中の成立は困難な情勢となった。
 与党と民主党は再び修正協議に入る構えだが、共謀罪が適用される対象犯罪などで隔たりは大きく、政府・与党側では「もはや歩み寄る余地はない」という見方が体勢。首相は会期延長には依然、否定的だ。議長を巻き込んだ収拾策をとったことで与党は採決を強行しにくくなり会期内成立の見通しは立たなくなった。
(引用終わり)

 この後、記事は、強行採決断念の背後に首相の「鶴の一声」があり、19日午前中には、自民党の細田博之国対委員長が「きょうの採決はしない」と公明党に伝えていたこと、自民党側から仲裁役を求められた河野議長は乗り気ではなかったことなどを指摘している。
 政治面では、政局の解説記事を掲載。それをあわせ読むと、今国会の終盤戦で自民党は、首相の関心が高い医療制度改革関連法案と行政改革推進法案の成立に全力を挙げ、国会審議の停滞を招くような事態は避けたい、という判断に傾いたと指摘している。

 ゴールデン・ウイークに入るまでは、一般の関心が低かった共謀罪が、ここにきて巨大与党の国会対策に大きな比重を占めるに至ったのは、まさに世論の高まりがあったからだろう。
 しかし、バーター取引、「こっちは譲るから、あれを通せ」は国対政治の常だった。共謀罪の代わりに民主党が何かを、例えば教育基本法改悪を水面下で譲歩しているのだとしたら、喜んでばかりもいられない。
 今まで共謀罪の報道には腰が引けていたように見える朝日新聞のきょうの記事は、典型的な“後出し落としどころ報道”ではあるけれども、引き続き、精力的な政治報道をお願いしたい。
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by news-worker | 2006-05-20 08:49 | 平和・憲法~共謀罪  

たった2人で「犯罪組織」の前例が既にある

 ヤメ蚊さんのブログ「情報流通促進計画byヤメ記者弁護士」によると、共謀罪をめぐって民主党が17日、さらに適用される団体の範囲を限定する再修正案を発表した。ポイントは「共謀罪が適用される団体を,『構成員の継続的な結合関係の基礎となっている根本の目的が罪を実行することにある団体』と定義したもので,普通の意味での『組織的犯罪集団』に近いものになってきた」(上記エントリーから引用)という点。思い起こすのは、西村真悟・元衆院議員・衆院議員(民主党除籍)の非弁(非弁護士)活動の立件だ。
 この事件では以前のエントリー(「西村議員の再逮捕の意味」)でも問題点を指摘したが、西村氏の弁護士資格を借用して、弁護士以外にやってはいけない弁護士活動をモグリでやっていた男の共犯として、西村氏は当初、弁護士法違反容疑で逮捕された。ここまではいいのだが、その後に何と組織犯罪処罰法違反容疑で再逮捕、追起訴されている。そう、共謀罪が新設されようとしているのは、まさにこの「組織犯罪処罰法」だ。
 非弁活動をやっていた男と、この男に弁護士名義を貸して謝礼をもらっていた西村氏。この2人の関係が「犯罪組織」と認定されてしまっている。たった2人きりの共犯関係で、既に「犯罪組織」とみなして立件した前例が出ている。政治家としてはわたしは西村氏の信条その他はまったく支持できないが、ことこの事件のこの追起訴に限っては、何としても無罪を主張し、無罪を勝ち取ってほしいと思う。

 強行採決をさせないための戦術として、修正案を次々に繰り出して対抗することは必要だ。しかし、本質的には共謀罪は新設させてはならない。日本の刑法体系の根本を変えてしまう。いったん新設されれば、一人歩きをはじめ、やがて恣意的に運用できる余地が広がっていく。観念論ではない。わずか60余年前に、日本社会はその過ちを治安維持法で経験している。

 東京新聞が共謀罪の記事を書き続けている。18日付け朝刊には、「刑減免より犯罪組織が怖い共謀罪 刑事が反対する理由」との興味深い記事を見開きで掲載。捜査現場を知り尽くした元捜査員らは、共謀罪の効用を疑問視しているというルポだ。切り口はいくらでもある、という好例の記事だと思う。
 相手が国際犯罪組織であれ、処罰・取締りの本質的な問題は、捜査能力だ。捜査の能力、力量を高め、現行法体系で既遂犯をどしどし検挙できるようにすることが基本のはずだ。能力が足りないから、要件のハードルを下げた新しい法律を、というのは本末転倒でしかない。

 参加できなかったが、17日夜に都内で開催された超党派の反対集会には500人が参加し、立ち見が出たという。世論は高まっている。踏ん張りところが続く。報道は、この世論に応えなければならない。

追記(5月18日)
 西村真悟氏は民主党を除籍になったものの、今日現在、衆院議員を務めている。関係部分を訂正しました。
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by news-worker | 2006-05-18 09:28 | 平和・憲法~共謀罪  

新聞ジャーナリズムの再確立と販売正常化の即時達成が必要~特殊指定であらためて私見

 新聞の販売をめぐる「特殊指定」見直し問題で私見を整理してみた。結論としては、「特殊指定改廃に反対だが、そのためには公共財としての新聞ジャーナリズムの再確立と、販売正常化の即時達成が不可欠」ということになる。「販売正常化」とは強引な勧誘やルール違反の高額景品、無代紙などの是正だけではない。そうした問題も含めて、根源には新聞社(発行本社)の「部数第一主義」があり、そこから生まれる「押し紙」がある。そこから業界全体が脱却できるのかどうか、ルールに従った販売を確立できるのかどうかだ。同時に、新聞は商品としては言論、情報を扱う公共財のはずだが、その公共性が揺らいでいる。販売正常化を達成し、読者の負託に応えうる紙面のジャーナリズムが実現できるかどうかが、特殊指定問題の本質だと考えている。

 新聞社の収入は読者からの購読料と、広告費が2本柱となっている。広告費の単価は発行部数によって左右されるから、新聞社にとっては発行部数は最大の関心事となる。
 一方、日本では多くの場合、新聞社が系列の販売店を組織化している。販売店には、折り込み広告という独自の収入源があり、これも自店がどれだけの部数を扱っているかで異なってくる。従って、部数拡大は発行本社、販売店の共通の利益となっている。
 ここで「押し紙」の問題が出てくる。「押し紙」とは、厳密に言えば発行本社が販売店に対し、注文以上に押し付ける部数のことを言う。特殊指定の第3項で禁止されている。販売の現場では、定義はもう少し緩やかなようで、発行本社と販売店の間に「あうん」のような呼吸があることもあるようだ。また、発行本社からの押し付けではないが、やはり実売より多く販売店が注文する「積み紙」もある。
 いずれにせよ、見せかけであっても発行部数、扱い部数が増えれば発行本社、販売店とも収入増につながる。しかし、広告主に対しては詐欺的な行為だ。

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by news-worker | 2006-05-07 12:01 | メディア  

9条改憲、街頭投票では「反対」が圧倒多数

 東京新聞の4日付け朝刊一面トップ記事のご紹介。「市民団体が憲法『意見投票』 改正反対7割に」。書き出しを引用すると
憲法九条を変えることに賛成、それとも反対? ボードにシールを張る方法で賛否を問う市民団体主催の「意見投票」が三日、若者の集まる東京・渋谷などで行われた。普段は政治への関心が今ひとつの若者だが、改正には反対が圧倒的という結果となった。政治主導で進む改憲の動きには不安の声が相次いだ。

 紙面の方の見出しは「渋谷の若者『9条守れ』」「戦場行くのはオレたち/力ない者がつらい思い」「市民団体が憲法『意見投票』」「改正反対7割に防衛力肯定派も」。
 この意見投票運動については、共同通信も配信している。
8割近くが9条改正反対 学者、弁護士ら街頭投票
 憲法改正の動きに対する国民の意識を調査しようと、野田隆三郎岡山大名誉教授らが呼び掛け人となり、33都道府県の72の街頭で、通行人に9条改正の賛否についてボードにシールを張って投票してもらった結果、改正反対が8割近くに上った。
 野田教授や弁護士らが「憲法9条変える?変えない?全国意見投票」の事務局を作り、呼び掛けに応じた各地の市民団体や学生らが4月29日から3日まで実施した。
 同事務局が発表した最終結果によると、総投票数は約2万8000票。9条改正に「賛成」は約3300票で約12%。「反対」が約2万1500票の約77%で、残りが「分からない」だった。
 野田教授は「民意は9条改正を求めていないことがはっきりした。政治家も9条を守ることで世界平和に貢献してほしい」と話した。
(共同通信) - 5月3日20時42分更新

 こうした街頭での意見投票運動は、労働組合も活動の中で取り組むことがある。イラクへの自衛隊派遣をめぐって、新聞労連の近畿地連と東海地連が、派遣部隊の駐屯地がある伊丹市と小牧市で派遣の賛否をボードに張ってもらったりした。
 世論調査とは異なる。その結果が民意のすべてではないのはもちろんだ。だからと言って無意味かと言うとそんなことはない。これも民意であることには変わりがない。
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by news-worker | 2006-05-04 12:11 | 平和・憲法