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民団と朝鮮総連が和解したことの重み

 「民団(在日本大韓民国民団)」と「朝鮮総連(在日本朝鮮人総連合会)」のトップ同士が17日、初めて会談した。共同声明は「民族的団結と統一に向かう流れに沿って、両団体間で長い間続いてきた反目と対立を、和解と和合に確固として転換させることを確認した」(朝日新聞17日付夕刊に掲載の「声明の要旨」より)と宣言している。まさに歴史的な出来事と言っていい。
 60年以上にわたって民族分断が続いている朝鮮半島は、2000年の韓国・金大中前大統領の訪朝以後、融和が進んでいる。昨年8月、MIC(日本マスコミ文化情報労組会議)とNUM(韓国言論労組)がソウルで共催したシンポジウムを思い出す。「南北はここに至って武力統一指向を捨てている。経済力のある韓国が北朝鮮を支援し、北朝鮮に体力が付くのを待って、緩やかな連邦制を組むやり方でもいい。歴史上、武力による統一は次の武力衝突を生み出している。例えば秀吉の朝鮮出兵のように。今、そこにいる相手を敵として排除するのではなく、同胞として融和に向かうことが大事だ」。韓国側の報告の大筋は、そういうことだった。
 一昨年秋にソウルを訪問した際にも、NUMの委員長は言っていた。「恐らく、日本から見れば、南北は北朝鮮の核開発疑惑で緊張しているように見えるかもしれない。しかし、実態は、今までにないくらいうまくいっている」と。
 朝鮮半島の南北分断を機に始まった民団と朝鮮総連の対立も、朝鮮半島での融和が進んだことで和解と和合に至った。在日も3世、4世の時代になって、祖父母、父母たちの〝南北意識〟から離れ、自らを「在日コリアン」と呼ぶなど、新しい流れはもう少し前から出てきていた。
 同じ民族が単一の共同体に向かうのは、世界史的に当然の流れだろう。分断の60年余こそ、イレギュラーな時間だったと思う。
 分断は、それ以前に日本が朝鮮半島を植民地支配していたからこそ生じた。その意味で、分断の60年余の時間は、日本にとって決して他人事ではない、日本と日本人も共有しなければならない現代史であるはずだ。そして、南北の平和的統一を目指し、さらには北東アジアの安定的な共存関係を築きあげる上で、日本は大きな責任を負っているはずだ。
 なのに日本は今、拉致問題がネックとなって北朝鮮との国交回復を進めることができない。北朝鮮がミサイルを日本に向けている、との政治宣伝にも等しい言説が世論の不安をあおり、それに乗じて日米の軍事一体化が進む。韓国との間も、サッカーW杯の共催や「冬のソナタ」以降の韓流ブームによって民間交流が高まっている一方で、小泉首相の靖国参拝、「つくる会」教科書の検定通過と採択キャンペーンなどによって、政府間の関係は冷え切っている。
 考えてもみてほしい。友好をつなごうと思っている相手に、一体だれがミサイルを発射させるだろうか。確かに北朝鮮はひどい独裁国家かもしれないが、しかし武力で体制を変革しようとしても失敗することは、イラクで証明済みだ。
 今は、日本も南北の平和的統一に向けて何ができるかを考え、行動していかなければならない時期のはずだと思う。今の韓国と融合するのは、今の北朝鮮しか考えられない。日本も南北統一にどう支援するかを通じて、拉致問題の解決もまた図っていく。それしかないと思う。

*参考(関連する過去のエントリー)
「長崎での日韓交流」
「ソウルの8月15日」
「日韓言論シンポ」

 
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by news-worker | 2006-05-18 00:37 | 平和・憲法~アジア