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新聞は〝じゃんけん後出し〟しかできなかったのではないか

 廃案となるまでは気を抜くわけにはいかない共謀罪だが、この1カ月余を振り返って、ブログの力というか、weblogosphereの世論形成力、社会運動としてのブログの可能性について考えている。言い方を変えれば、新聞、放送といった既存の大手メディアが、共謀罪をめぐる報道ぶりでこの間に露呈したのは、ごく一部の例外を除いて〝じゃんけん後出し〟のような報道しかできなくなってしまっている実情だ。
 綿密な検証をしたわけではなく、どちらかと言えば直感に近いことをあらかじめお断りした上で、この1カ月余の経緯を簡単におさらいしておきたい。

 衆院法務委員会で自民・公明両党が野党の反対を押し切り、審議入りを決めたのが4月1918日。同21日に始まった審議では、当初から与党側はゴールデン・ウイーク(GW)前の採決方針を表明。いきなり、強行採決が危ぐされる事態となった。

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by news-worker | 2006-06-07 20:56 | メディア  

公取委の特殊指定見直し断念の背景要因に、世論の高まりを数えるには無理がある

 新聞の特殊指定をめぐり、公正取引委員会は2日の記者会見で、結論を見送ることを正式に表明した。これを伝える新聞各紙の記事は、「当然の結果」というトーンが目立つ。しかし、今回の結末に対して、世論の後押しがあったからだと新聞各社が本気で考えているとしたら、それは新聞社の世論からの遊離以外の何者でもない、と思う。そのことを連想させるデータがある。
 以前のエントリーでも紹介したが、新聞労連は5月23、24の両日、販売問題中央集会を東京で開催した。その際、特殊指定問題の討議の資料にするために、ゴールデンウイーク後に全国の新聞労連のブロック組織(地方連合会=地連)に呼びかけ、緊急の街頭アンケートを行った。限られた時間の中で、東京、関東、北信越、中国、四国、九州の各地連から計558人分の回答が集まった(東北地連もアンケートを実施したが、質問項目を独自に作成しているため、集計は別にした)。
 質問は4つ。いずれも「はい」か「いいえ」の二者択一とした。

①自宅で新聞を購読していますか
 「はい」 470人(84・2%)
 「いいえ」 88人(15・8%)
②新聞の「特殊指定」をご存知ですか
 「はい」 131人(23・5%)
 「いいえ」427人(76・5%)
③新聞の再販制度をご存知ですか
 「はい」 140人(25・1%)
 「いいえ」418人(74・9%)
④公取委の特殊指定見直しをご存知ですか
 「はい」 147人(26・3%)
 「いいえ」411人(73・7%)

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by news-worker | 2006-06-04 21:07 | メディア  

この決着でいいわけがない~公取委が新聞特殊指定の廃止見合わせを与党に表明

 昨夜は疲れてしまい、ネットチェックもそこそこに寝てしまった。けさ新聞を見て、公正取引委員会が新聞の特殊指定廃止見合わせの方針を与党に伝えたことを知った。決着の仕方としてはいいわけがない。仮にこれで新聞の特殊指定の存続が決まるとしても、新聞販売が抱える矛盾は解決しないし、新聞にとっては別の新たな問題を引き起こすことにつながりかねない。朝日新聞記事の一部を引用する(全文はこちら)。
(引用開始)
 公取委はこの日、与党に提出した声明で「新聞業界と議論を繰り返してきたが、かみ合っておらず、これ以上続けても進展は望めない。各政党も新聞特殊指定を存続させるべきとの議論がなされている」と説明。「今回の見直しでは結論を出すことを見合わせることとした」と、指定の維持を表明した。
 公取委幹部によると、「特殊指定に問題がある」との主張は崩していないが、「諸般の事情を総合的に考慮した」。昨秋から続けてきた見直し作業は打ち切り、当面は再開しない見込みという。
(引用終わり)


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by news-worker | 2006-06-01 11:54 | メディア  

「著作物再販、特殊指定は必要。でも今の新聞を残すかどうかは別の問題」~新聞労連販売集会

 もう1週間前のことになってしまったが、新聞労連は5月23、24の両日、東京で販売問題中央集会を開催した。メインテーマは公取委が進めている「新聞特殊指定」の見直し問題だが、特殊指定の存続をただ訴えるだけではなく、特殊指定問題と表裏一体の販売正常化の実現に向けて、新聞労連として意思統一を図る場にするために「特殊指定維持集会」ではなく「販売問題中央集会」とした。
 基調報告では、新聞販売会社の労組委員長である「今だけ委員長」さんに、新聞産業の労働組合は何をなすべきかの問題提起も含めて、販売問題の実情を報告してもらった。「今だけ委員長」さんがご自分のブログにエントリーを立てておられるので、そちらも参照されたい。

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by news-worker | 2006-05-29 17:01 | メディア  

新聞ジャーナリズムの再確立と販売正常化の即時達成が必要~特殊指定であらためて私見

 新聞の販売をめぐる「特殊指定」見直し問題で私見を整理してみた。結論としては、「特殊指定改廃に反対だが、そのためには公共財としての新聞ジャーナリズムの再確立と、販売正常化の即時達成が不可欠」ということになる。「販売正常化」とは強引な勧誘やルール違反の高額景品、無代紙などの是正だけではない。そうした問題も含めて、根源には新聞社(発行本社)の「部数第一主義」があり、そこから生まれる「押し紙」がある。そこから業界全体が脱却できるのかどうか、ルールに従った販売を確立できるのかどうかだ。同時に、新聞は商品としては言論、情報を扱う公共財のはずだが、その公共性が揺らいでいる。販売正常化を達成し、読者の負託に応えうる紙面のジャーナリズムが実現できるかどうかが、特殊指定問題の本質だと考えている。

 新聞社の収入は読者からの購読料と、広告費が2本柱となっている。広告費の単価は発行部数によって左右されるから、新聞社にとっては発行部数は最大の関心事となる。
 一方、日本では多くの場合、新聞社が系列の販売店を組織化している。販売店には、折り込み広告という独自の収入源があり、これも自店がどれだけの部数を扱っているかで異なってくる。従って、部数拡大は発行本社、販売店の共通の利益となっている。
 ここで「押し紙」の問題が出てくる。「押し紙」とは、厳密に言えば発行本社が販売店に対し、注文以上に押し付ける部数のことを言う。特殊指定の第3項で禁止されている。販売の現場では、定義はもう少し緩やかなようで、発行本社と販売店の間に「あうん」のような呼吸があることもあるようだ。また、発行本社からの押し付けではないが、やはり実売より多く販売店が注文する「積み紙」もある。
 いずれにせよ、見せかけであっても発行部数、扱い部数が増えれば発行本社、販売店とも収入増につながる。しかし、広告主に対しては詐欺的な行為だ。

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by news-worker | 2006-05-07 12:01 | メディア  

特殊指定の新聞労連特別決議

 4月20-21日、新聞労連の加盟全労働組合の代表が集まる中央委員会を東京で開催した。春闘総括、夏闘(夏のボーナス交渉など)方針など労働運動の定番の議案とともに、販売問題として特殊指定問題を中心テーマのひとつに据えた。議事の最後に特別決議を採択し、公取委、日本新聞協会など関係団体にも送付した。

「新聞の特殊指定維持を求め、販売正常化と読者に信頼される新聞ジャーナリズムの確立に取り組む特別決議」(新聞労連ホームページ)

 中央委員会では労連本部から、今後の取り組みとして①制度存続を求める理由は、乱売を防ぎ多様な新聞を守ること②そのために販売正常化を達成しなければならないこと③独禁法の適用除外の理由でである「新聞の公共性=国民の『知る権利』に応え信頼される新聞ジャーナリズム」を確立すること-を3本柱に、まず、各組合の中で議論と行動を起こしてほしい、と呼びかけた。
 特殊指定問題は、わたしたち自身が新聞をどう考えるのか、そのためにどう行動していくのかが問われている問題だ。5月には新聞労連として中央集会も計画している。そのときまでに、全国で新聞の労働運動の中に行動を起こしたい。そして、わたし達自身が直接、読者と市民に訴え、また読者や市民の声にも謙虚に耳を傾けていきたい。そういう運動にしなければならない。

 中央委員会では参加者からも執行部に対して発言をいただいた。その中の一人、今だけ委員長さんのブログ「新聞業界っておもしろい!?今だけ委員長の独り言」のエントリー「社会的使命を忘れるな!」をご紹介しておきたい。
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by news-worker | 2006-04-22 11:31 | メディア  

「特殊指定」問題の本質を見極めなければならない

 きのう(8日)の午後、都内で開かれたシンポジウム「公取委の『教科書特殊指定』廃止はなぜ問題か」に、パネラーの一人として参加した。市民団体「子どもと教科書全国ネット21」や出版労連の主催。
 公正取引委員会は昨年11月、独禁法で禁止されている「不公正な取引方法」をめぐり、事業分野ごとに個別に指定している「特殊指定」の見直しを表明。対象には新聞のほかに、教科書も含まれている。教科書の特殊指定は①教科書業者側が教育委員会など選定側に利益供与をしてはならない②教科書業者側は他社のひぼう、中傷をしてはならない-の2項目。公取委は既に3月16日に「廃止」の方針を一方的に表明し、4月17日まで一般からの意見を受け付けている。そういう中での緊急シンポで、わたしは新聞特殊指定の改廃に反対している立場で呼ばれた。

 共同通信がシンポのもようを取材し配信、その記事が9日付けの東京新聞に掲載されている。同紙のサイトでは当該記事が見当たらないので、記事中で紹介されているわたしの発言部分を引用する。
「美浦克教新聞労連委員長は『教科書の特殊指定廃止は新聞にも共通した問題。新聞社間の価格競争が激化、淘汰で多様な言論がなくなる』とし、『公取委の規制緩和一辺倒の考えが必ずしもいい結果を生むとは限らない』と疑問を投げ掛けた。」
 

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by news-worker | 2006-04-09 11:37 | メディア