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産経グループ「iza」に62人の記者ブログ

 産経新聞グループが15日から新しいwebサービス「iza(イザ!)」を開始した。どんなものかは、impressのInternet Watchの記事が詳しい。
(引用開始)
 産経デジタルは15日、産経新聞グループが提供するニュースと読者のブログを融合させる情報サイト「iza(イザ!)」ベータ版を開始した。ブログを開設している読者であれば、すべてのニュースに対して自由にトラックバックできる。
 イザ!では、産経新聞グループが発行する4媒体(産経新聞、サンケイスポーツ、フジサンケイビジネスアイ、夕刊フジ)の紙面から、政治、ビジネス、文化、スポーツ、芸能などのニュースを1日あたり200~300本掲載する。
 ブログを開設している読者は、ニュース記事にトラックバックできる。無料の会員登録により、イザ!内にブログを開設することも可能だ。ブログの内容は事前に検閲しないが、公序良俗に反したり個人を誹謗中傷するエントリが発見された場合は、トラックバックを削除する。イザ内のブログエントリであれば、エントリも削除する。
 産経デジタルでは今後、掲載するニュース数を増やすほか、注目度の高いブログを産経新聞の紙面で取り上げる紙面連動企画などを検討している。なお、同社によれば、「ニュースへのトラックバックを大々的に受け付けるのは、全国紙では初めて」という。
 また、現役記者62人がブログを開設し、取材の舞台裏などを紹介する。記者のブログにもトラックバックできるほか、イザ!に会員登録した読者はコメントを書き込むことも可能だ。
(引用終わり)

  「ニュースへのトラックバックを大々的に受け付けるのは、全国紙では初めて」とのことだが、わたしは「記者62人のブログ」の方に少し驚いている。既存の新聞社の試みとしては、画期的と言っていいのではないだろうか。
 これまでも、参加型ジャーナリズムの可能性に関連して、既存の新聞社も自社サイトで論説委員や編集委員など、言わばその紙面の〝顔〟の役割を担う記者がブログを運営してみてもいい、と語られてきた。実際に現役の記者が自社サイトの枠内でブログを運営しているケースもある(毎日新聞の「理系白書」など)が、産経の試みは、それを一気に第一線の若手記者にまで広げた。
 62人の顔ぶれは多彩だ。黒田勝弘さんや古森義久さんらの大物は当然として、一般にはどんな仕事かあまり知られていない整理部の記者、活字とはちょっと距離があるように思えるカメラマン、地方支局の記者もいる。全体として見れば、新聞社の報道・編集現場で記者たちが日々何を思い、何を考え働いているか、読む側にけっこう伝わるのではないだろうか。
 一般に新聞記者は自分の考えは表に出すべきではない、とされている。新聞は「公正中立、客観報道」を掲げているからだ。産経の試みは、独自の論調を前面に出し「はっきりモノを言う」ことを売りにしている産経だから可能なことかもしれない。産経の社論の当否はともかくとして、既存メディアと読者の対話という観点からは、画期的であることは間違いない。
 やはりというか、ブログのエントリーの頻度は、若い記者たちほど高い。業界では〝御大〟と呼んでいい黒田氏は、今のところ(17日朝現在)1件だけ。それも紙面に掲載されたコラムの転載だ。世代によるデジタル・デバイドの問題なのか、「記者は紙面で勝負」という価値観の問題なのか。
 62人の人選の基準も気になると言えば気になる。希望者を募ったのか、会社からの指名なのか。ブログの運営も業務の一環だろうから、勤務時間中のエントリー更新が問題になることはないだろうが、逆に更新が義務付けられ、負担になることはないだろうか。産経新聞には、その独自の論調からか、経営にモノを言う労働運動は社内にない(新聞労連に加盟する労働組合もない)ので、その辺の事情は分からない。ともあれ、新聞記者が実名で、読者に対し自分の仕事を語る場ができたことの意義は大きい。「イザ!」の今後を注目したい。

追記 6月22日午前
 本エントリーが「iza」内のブログで紹介された。「62人の人選の基準も気になると言えば気になる」と書いていたら、経済部の原口和久さんがご自分のブログ「はみ出し記者の『特ダネより子だね!』」のエントリーで、「お答えします。私の場合は上司からの指名です。基準などはないのではないでしょうか。他の記者については分かりません」と教えてくれた。原口さん、ありがとうございます。
 
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by news-worker | 2006-06-17 09:32 | メディア