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あれもこれも

 衆院選後、政府や国会では郵政民営化以外にも、日本の社会の今後に大きくかかわるいくつかの事柄が慌しく動いている。
 防衛庁では3日、イラクに派遣する交代部隊の編成が陸自に指示された。イラク特措法に基づく派遣期間はことし12月まで。米国でも戦死米兵の母親の訴えが共感を呼び、米軍撤退を求める世論が高まっているのに、延長の結論ありきの措置にほかならない。
 話題になることも少なくなっているが、アフガン情勢にからんで、海上自衛隊も多国籍軍艦艇に給油する支援艦隊のアラビア海への派遣を継続している。こちらも根拠になるテロ特措法の1年延長が安全保障会議で決定した。
 市民生活に直結する問題としては、「共謀罪」法案が4日、国会に再々提出された。共謀罪の問題点は今後も書いていきたいが、現行の刑法体系では、刑事処罰の対象になるのは未遂も含めて犯罪の実行行為であるのに対し、共謀罪は実行しなくても共謀しただけで処罰の対象になる。人間の精神の内面を取り締まりの対象にしようというもので、「思想信条の自由」さらには「表現言論の自由」と真っ向から対立する。
 いずれも衆院選ではまったく争点にならなかった。憲法論議も同じだ。こちらも改憲手続きを定める国民投票法案を審議する特別委員会が衆院に設置された。選挙前は、委員会設置自体が与野党の攻防の対象と目されていた。自民圧勝効果だ。国民投票法案の与党方針は、何とか改憲のハードルを下げたいとの思惑が露骨に示されている。
 あれもこれも、衆院選を挟んで一気に動き出している。

by news-worker | 2005-10-05 10:07 | 平和・憲法  

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