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沖縄・辺野古でアブグレイブ事件が起きた

 10日から新聞労連の全国新研部長会議で沖縄に来ている。11日は、米軍普天間基地の代替施設建設地として日米両政府が合意した名護市辺野古地区を訪れ、代替施設建設への反対闘争を続けている市民グループの方々を交え、討論集会を行った。
 その場でもお聞きしたのだが、1月22日に辺野古で大変な事件が起きた。本土から沖縄を訪れていた青年(20代)が、「人が集まっている」と聞いて、辺野古にやってきた。彼は全国を自転車で回っており、旅行資金を稼ぐアルバイト先を求めてのことだった。人が集まっていれば、どこかバイト先を紹介してもらえるかもしれないと思ったという。
 そこで彼は基地反対協議会の人たちと会い、沖縄の基地の現実を知る。広大な土地が米海兵隊のキャンプに占領され、浜辺には立ち入り禁止の印として、有刺鉄線が伸びる。その光景を目の当たりにした彼はショックを受け、その場を離れられなかった。
 日が暮れて寒さを感じ、彼は有刺鉄線のそばで焚き火を始める。事件はその後に起きた。有刺鉄線の向こうに車で米兵3人が現れた。そばには監視カメラが設置されている。あわてて焚き火を消したが、いつの間にか米兵の1人が有刺鉄線のこちら側に来ていた。
 3人の間で何事かやり取りがあった後、こちら側の米兵が青年を小突き回し、砂浜に書かれていた基地への抗議のメッセージ(地元の市民グループの1人が毎日書いていた)を、四つんばいにさせられ、手でかき消すよう命じられた。次に、有刺鉄線に結ばれていた平和のメッセージが記されたリボンを引きちぎるように命じられた。うまくちぎれないと、米兵はナイフを取り出し、次々にリボンを切っていった。最後には砂浜に「sorry」と書かされた。これらの屈辱的な作業は1時間以上も続いたという。
 青年は、平和を訴えるリボンを強制的にとはいえ、自分がちぎってしまったことを苦にし、基地反対協議会にわびを言いに来た。それで事件が知られることになった。
 青年は沖縄県警に告訴したが、まだ何も動きは出ていない。
 
 地元メディアはこの事件を報じたが、本土メディアはほとんど報じていない。従って、本土では一般の人々にまったくと言っていいほど知られていない。

 関連サイト
 
 沖縄版アブグレイブ事件
 近田洋一さん(ジャーナリスト・在埼玉)
 http://www.masrescue9.jp/marutoku/henoko.htm

 JANJANレポート
 米兵、辺野古海浜で焚き火の男性に暴行

 追記 2月14日午前
 被害青年は精神的なショックもあって、実名を名乗り出ることは控えているという。ネット上には実名で登場しているレポートもあったが、経緯がよく分からない。わたし自身が辺野古で聞いたことをもとにした判断として、「JANJAN」のレポートへのリンクは切りました。

by news-worker | 2006-02-12 07:53 | 平和・憲法  

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